歌野晶午のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2007/9/12~9/17
この本も6年前に出たものだが、ようやく読むことができた。チャーリーという黒人少年の記憶をもつ日本人、日下部晃士。突然、母親が殺人事件の被害者になってしまう。同じ年の義姉、麻衣とその犯人を追いながら、自らの記憶の謎に挑む。そこに天才少年が助っ人となって...と展開される。インターネットが大きな位置を占めているが、今となっては少し古い感じがするのはいたし方ないところ。いつものように詳細は、未読の人がいたら悪いので書けないが、なかなか良く考えられたストーリーだと思う。天才少年の生い立ちが...まあ、このあたりまででやめておこう。 -
Posted by ブクログ
前世の僕はチャーリーと呼ばれ黒人でした。そしてある雨の晩にバロン・サムディがやってきて、僕のお腹をえぐり、僕は死にました。
そんな前世の記憶がある日下部晃士・16歳。彼は四年前にきょうだいになった麻衣と麻衣の母・和子、そして彼女(和子)と再婚した血の繋がった父・正隆と4人で平穏な日々を過ごしていた。
そんなある日、父あてに一本の電話がかかってくる。彼女の名は「堀井キン」彼女は晃士を父・正隆と間違い「あたしたちの子供のことで相談があるの」ととんでもない事を発した。
父が不倫?そんな思いを抱えたまま、晃士は彼女との待ち合わせ場所へ赴くが、会えなかった。朝帰りした晃士を麻衣は罵り、一旦は自宅を飛び出たものの、堀井キンからの電話を危惧した晃士は自宅へと帰る。そしてそこに母・和子が何ものかによって殺されていた。死体の横には見覚えのある悪魔の紋章が書かれた紙切れ。そして母の顔を覆い尽くすように盛られた塩……僕を殺したバロン・サムディが母を?!
この作品は読みやすく、そして面白いです。思ってもみなかった方向へと流れて終結したので個人的に◎です。
全ての謎はちゃんと気持ちよく解明するし、なるほどねぇと笑いました。その笑ったキーは「堀井キン」です(笑)。
殺人事件の解明は当然するのだが、その解明に重点を置いてなくて、晃士が父の浮気相手と前世をひたすら探してゆくのが本線で、その延長上に犯人の解明がある。という感じ。
ですので、肩の力を抜いて読んで行けます。テンポも良いし。
願わくば、ジュリアンから晃士宛の返信が欲しかったかな。 -
Posted by ブクログ
主人公、成瀬将虎は、高校の後輩てある芹澤清と同じフィットネスクラブに通う久高愛子のお見舞いにいくが、そこで愛子のおじいちゃんがひき逃げにあったことを知る。どうやら霊感商法の蓬莱倶楽部が保険金殺人をしたらしい。トラは愛子から依頼され蓬莱倶楽部の調査を行うことになる。
成瀬将虎、通称トラは、なんでも屋を自称する元探偵で、スマートな名探偵というわけではなく、地道な捜査を行う探偵である。男気がありハードボイルドな魅力的な人物であるが、なぜか古臭い。なぜ古臭いのかは最後にあかされる。
この小説は、推理小説というよりは探偵もの言った方がしっくりくる。話は霊感商法の蓬莱倶楽部を調査がメインであるので、奇抜さはなく、娯楽作品としては面白味に欠けている。またこの小説が評価されている理由は、叙述トリックを使用しているところであると思うのだが、巧妙というよりかなりあからさまであり、そのこともあって、大概の読者は錯誤してしまうだろう。序盤で墓掘りの話が挿入されていて、なにか不気味なサスペンスなのではないのか好奇心をくすぐられ期待したのだが、読んでいくとたいした話ではなく肩透かしであった。最後に叙述トリックの種明かしをされるのだが、目から鱗、驚きというよりは白けた印象であった。
映画化ができないのは叙述トリックが映像化するとすぐバレてしまい面白くないからであろう。