あらすじ
今ぼくは第二の人生を送っています。つまりぼくには前世があるのです。ある雨の日の晩にバロン・サムデイがやってきて、おなかをえぐられて、そうしてぼくは死にました。前世、ぼくは黒人でした。チャーリー―それがぼくの名前でした。―現世に蘇る、前世でいちばん残酷な日。不可解な謎を孕む戦慄の殺人劇に、天才少年探偵が挑む!長編本格ミステリ。
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Posted by ブクログ
大好きだーこういうの。
子どもが主人公だけど、会話とかも不自然じゃなくてすんなり読めるし、全体的に癖がない。
「前世の記憶」を「輪廻」の不思議な話で落とすのか「リアル」な理由付けで落とすのか。
そして現在進行中の殺人事件とどういう風にリンクするのか。
ドキドキ。
読み終わった時にはため息。
素敵過ぎ。
しばらくこの作家さんにハマッてみます。
Posted by ブクログ
これは凄い。前世だ悪魔だなんだと出てくるし、タイトルこれだし、てっきりそういう系の話だとばかり思っていたら。見事に合理的解決。まさかあの「悪魔の紋章」までがちゃんと解明されてしまうだなんて! 本当、「悪魔の紋章」の意味に感動した。
ま、「堀井キン」の謎解き(?)だけは分かったけどね。某人の某作に似たようなのあったっけな。だからってそれしきのこと、どうってことは全然ないけれど。
Posted by ブクログ
ある雨の晩にバロン・サムデイがやってきて、ぼくはおなかをえぐられて、そうしてぼくは死にました。
自分の前世はチャーリーという黒人であるという日本人の中学生が再び奇妙な事件に巻き込まれる。
物語が進むにつれ少しずつ展開されるエピソード、最後まで読者を惹きつけて離さない!
奇想を存分に味わえる“葉桜”以前の名作!
Posted by ブクログ
これは素晴らしい。綺麗に纏まっています。そして『春から夏、やがて冬』のような切なさもある。これぞ歌野晶午ですかね、、、
やっぱりイヤミスも良いけどこうやってしっかり最後まで拾ってくれると、読んでる側としては気持ちが良い。単なるミステリーだけでなく、人間ドラマが中心なので飽きない。いい作品でした。
Posted by ブクログ
うんうん隠れた名作って感じ。
前世の記憶を持つ少年という魅力的な謎に始まり、中学生という微妙な年齢の二人がハードボイルドさながらに捜査、推理を進めていき、自らの変わった出生を語る天才少年に出会い...
中弛みせず、まさにノンストップ。
代理出産というのが本書の主を担う真相となっているが、個人的には
ホリー・キンデス→堀井キンです という聞き間違いや、晃士という文字を悪魔と十字架に見間違えてしまうというトリックがとても面白かった。
しかもトリックを知ってから目次の裏の絵を見ると「晃士」に見えてくるのが不思議...
ネットを使って論議をしたりネットで知り合った人と実際に会ったり、という今作の中で使われていることが『密室殺人ゲーム』に繋がったんだろうなと感じる。
Posted by ブクログ
歌野晶午、前期の傑作。
雰囲気作りが丁寧なので、トリックの意外性がそこまででもないのに不思議と大きく見える。
本格ミステリにおける舞台設定は、やはり「それでしかない」と思わせるのが第一条件だと思う。
このトリック(真相)にはこの舞台が最適だと思わせてくれた。
探偵役も独特のキャラクターで楽しい。
発刊当時に読んでいたら衝撃は倍以上だったろう。
①魅力的な謎……6/6
②精緻なサスペンス……4/6
③鮮明な結末……5/6
④印象的な文章表現……5/6
⑤先鋭的なテーマ性……5/6(当時においては、という注付きで)
計25/30
星4
Posted by ブクログ
月並みな感想だけど面白かった!
日下部晃士は前世の記憶を持っていた。
自分は黒人のチャーリーと言う名前で、悪魔バロン・サムデイに母親を殺された。
そして現世でも事件が起こってしまう。
途中で、悪魔の紋章の秘密に気づき、晃士の前世や出生の謎にも気づいたので、あっと驚くような展開はなかったけれど、辻占ジュリアンの登場が凄く良かった!
ジュリアンは実はチャーリーの弟だったとか、そんな展開があったら良かったなぁ。ジュリアンがもっと活躍する話があってもいい。と言うか望んでいます。
Posted by ブクログ
これはすごい
錯綜する二つの視点と結末がぐいぐいひっぱっていく
歌野作品はミステリーとか推理小説にありがちなパターンから少しはずれてていつも衝撃的
Posted by ブクログ
前世の記憶がある少年・晃士。その記憶とは、自分はチャーリーという黒人の男の子で、バロン・サムデイという悪魔に殺されたというものだった。
そして現世。とある事件の現場にチャーリーが殺されたときにバロン・サムデイが遺したサインと同じものが描かれていた。
この不思議な2つの事件を繋ぐものとは。
いやあ、見事。歌野さんお得意(?)のどんでん返し。しかし、だからあまり内容にについて語れない……!!
これは生命の物語だ。
Posted by ブクログ
あらすじに惹かれて、ほぼ一気読み。
どうせ煙に巻いたような結末で終わるんでしょと、ひねくれた気持ちで読んだけど、あらら、ちゃんとキレイに終わったではありませんか!
途中から何となく予測がつく話ではありますが、面白かった。
探偵役の人物はあまりに出来すぎなキャラで、とっても魅力的なだけに、もっと偶然性を省いた登場だったらよかったのにな。
それから、殺人のあった家で一人で夜を過ごすのは怖くないんだろうかとすごく不思議だった。
なんにせよ、面白かったことには変わりない。
この作者の、若者の言葉遣いは自然で好きだな。
Posted by ブクログ
これはいままでの歌野作品のなかでいちばんおもしろかった、というか好み!!
やっぱりトンデモなキャラの名探偵が出てくるとわくわくする。単に
御手洗が好きなだけかもしれないが、ジュリアンはかなり気に入った。
ストーリーのオチは中盤から読めてしまうし、すごい勢いで矛盾な点とか不思議な
点もあるが、10年前の作品ということと、なにより作者を楽しませようという
気概がひしひし伝わるのがいい。麻衣ちゃんもいい。主人公だけ立ってないけどな…
ジュリアンシリーズ読みたい。
Posted by ブクログ
2007/9/12~9/17
この本も6年前に出たものだが、ようやく読むことができた。チャーリーという黒人少年の記憶をもつ日本人、日下部晃士。突然、母親が殺人事件の被害者になってしまう。同じ年の義姉、麻衣とその犯人を追いながら、自らの記憶の謎に挑む。そこに天才少年が助っ人となって...と展開される。インターネットが大きな位置を占めているが、今となっては少し古い感じがするのはいたし方ないところ。いつものように詳細は、未読の人がいたら悪いので書けないが、なかなか良く考えられたストーリーだと思う。天才少年の生い立ちが...まあ、このあたりまででやめておこう。
Posted by ブクログ
前世の僕はチャーリーと呼ばれ黒人でした。そしてある雨の晩にバロン・サムディがやってきて、僕のお腹をえぐり、僕は死にました。
そんな前世の記憶がある日下部晃士・16歳。彼は四年前にきょうだいになった麻衣と麻衣の母・和子、そして彼女(和子)と再婚した血の繋がった父・正隆と4人で平穏な日々を過ごしていた。
そんなある日、父あてに一本の電話がかかってくる。彼女の名は「堀井キン」彼女は晃士を父・正隆と間違い「あたしたちの子供のことで相談があるの」ととんでもない事を発した。
父が不倫?そんな思いを抱えたまま、晃士は彼女との待ち合わせ場所へ赴くが、会えなかった。朝帰りした晃士を麻衣は罵り、一旦は自宅を飛び出たものの、堀井キンからの電話を危惧した晃士は自宅へと帰る。そしてそこに母・和子が何ものかによって殺されていた。死体の横には見覚えのある悪魔の紋章が書かれた紙切れ。そして母の顔を覆い尽くすように盛られた塩……僕を殺したバロン・サムディが母を?!
この作品は読みやすく、そして面白いです。思ってもみなかった方向へと流れて終結したので個人的に◎です。
全ての謎はちゃんと気持ちよく解明するし、なるほどねぇと笑いました。その笑ったキーは「堀井キン」です(笑)。
殺人事件の解明は当然するのだが、その解明に重点を置いてなくて、晃士が父の浮気相手と前世をひたすら探してゆくのが本線で、その延長上に犯人の解明がある。という感じ。
ですので、肩の力を抜いて読んで行けます。テンポも良いし。
願わくば、ジュリアンから晃士宛の返信が欲しかったかな。
Posted by ブクログ
前世の記憶がある少年の家で起きた母の殺人事件。そして数日後、父も襲われる。少年が持つ前世の秘密とは…
ブログ文化懐かしい。ジュリアンの登場で一気に解決に向かうところは急だったけど、なんか物悲しさと、でも前向きに生きようとするところが良かった。
Posted by ブクログ
オチが分かってからのウンチクが極めて長い。
そのオチを主人公の晃士が理解するまでも長い。
母親の友布子の事を考えると悲しい。
辻占ジュリアンの登場は、物語を終結させるためのご都合主義ではないか?
チャットやネット検索の仕組みを説明しているので、発売時のIT技術が未成熟な時代背景が伺える。
切り取り的な感想だが、作品の設定はナイス!
ただ、全体としては物足りないかな。
Posted by ブクログ
面白かった。出版当時の1998年を知っている人は、チャットでオフ会とか、とりあえずCGIで掲示板とか、懐かしさで二度美味しい感じなのかな。なんというか、ネットで出てくる情報が中途半端だよね。
Posted by ブクログ
前世の記憶に悩まされる少年。そしてホラーチックなタイトル。ホラーかな、SF要素もあるのかな、と思わせておいてミステリーで着地。
さくさく読めて面白かった。
Posted by ブクログ
少年の前世の記憶の謎を解く物語。
早い段階から、なんとなく結末は読めるんだけど、それなりに面白かった。
ただねぇ、産みの母親と育ての母親を両方とも殺されたわけでしょ、この少年は。
にしては、理解がありすぎる気が。
もうちょっと心の傷は深いと思うんだけどな。
Posted by ブクログ
前世の記憶がある主人公が、記憶によく似た状況で義理の母親を殺される。そこに残された紋章は記憶にあるバロン・サムディの紋章だった。
義理の兄弟と推理を進めるうちに、日下部晃士の実の母親の隠された秘密に行き当たる。
強引な展開だが、歌野晶午らしいアット驚く展開が待っています。
Posted by ブクログ
前世で殺された記憶を持ったまま生まれ変わった少年の話。
別作品の「密室殺人ゲーム」のように、ちょうどその頃に流行った?社会的な
ことがうまく作品に取り入れられているお話でした。
Posted by ブクログ
作者インタビューで「葉桜の~」に続く三部作とあり興味を持ち購入。
青春小説?みたいな。
あと、ミステリー小説は書かれた時に読むべきだ!と思った。
Posted by ブクログ
悪くなかったです。
でも、引っ張って、伸ばして、待たせたわりにはっていう感じは否めない。
もうちょっととんとんと展開する方がよかったかな〜。
ブードゥー教に関する記述をどこか別のところで読んだ記憶があるんだけど、歌野さんの作品だったかな?
Posted by ブクログ
あらすじ
自分はバロンに殺されたのだ。
主人公は小さい時から前世チャーリーとしての記憶に悩まされ続けていた。
そして、その真実を知ろうとホームページを立ち上げ情報を募集していた。
そんな折、義理の母が殺され、父も何ものかに襲われた。二人が襲われた場所には、悪魔の紋章が落ちていた。
前世の記憶は正しくバロンは実在し、また僕を殺しにくるのか?はたまた、ホームページを見た愉快犯の犯行か?家にかかってくる謎の電話の正体は…?
とこの他にも謎が盛りだくさんの内容となっております。書ききれない。
読み終わった感想。
あなた本当に歌野さんですか?!
本格的すぎてびっくりだよ(><)
例えて言うなら、悪さばっかりする息子を勘当したら、実は自分の知らないところで人の命救ってました。誤解しててすまなかった。帰ってきておくれ。MY SON!みたいな感じ。
うん。なんかちゃんとしててびっくりしました。(どんでん返しがなかったという意味で)
こういう話も書けるんだと改めて惚れ惚れ^^
んでも、途中でなんか結末読めちゃって、あ〜まじか〜。ってなっちゃったから星3つ。
ジュリアンをシリーズ化したら、面白かったかも?と思いました。(もしかしたら私が知らないだけであるのかもしれないけど…)
PS:主人公中2病乙wとか思ってごめんなさい。
Posted by ブクログ
少年のもつ前世の記憶に出てくる怪人が、現在の殺人事件に蘇り、その謎を天才少年探偵が解き明かす話。
誘導してくれるので途中で真相には気づくと思います。それをわかりやすくて親切と思うか、回りくどくて冗長と思うか分かれそうかな笑。
読みやすいです。歌野晶午なのに後味も良い笑。
Posted by ブクログ
この世には過去にも未来もない。「この世」の「この」とは「今この時」だけを指しているのだと、ぼくはこのごろそう思う。そして人はこの世しか生きることができないんだ。