歌野晶午のレビュー一覧

  • 死体を買う男

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    江戸川乱歩と萩原朔太郎のコンビ!

    なんですが、萩原朔太郎の作品はまだ未読。江戸川乱歩は小学校の頃「怪人二十面相シリーズ」をとにかく読みまくってましたが、少し記憶も薄れていました。

    作中作で描かれる『白骨鬼』。古風な描写で少し読みづらい部分もあったが、江戸川乱歩好きなら面白いと感じるかもしれません。

    トリック自体はそんなに驚いたものではないが、ヒントに気づかなかったことが少し悔しい。

    歌野さんが江戸川乱歩のことめっちゃ好きなんだなってことがよく伝わる小説。

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    2022年10月18日
  • 新装版 長い家の殺人

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     『葉桜の季節に君を想うということ』やアンソロジーの短編で、すっかり「だまされた。」ので、著者の処女作(ただし新装版)を読んでみた。

     密室トリックあり、動機と絡む暗号ありと、読んでいるうちに続きが気になってくる作品であったが、肝心の密室トリックは、詳細はともかく、はじめからだいたい察しがつく。警察は、冤罪上等の無能に描かれているが、いくら何でもトリックの核心に気づかないわけはないと思う。

     終盤に出てくる探偵役の信濃譲二は、個人的にはあまりに好きになれないが、島田荘司の「薦」を読んで、そのキャラに著者の反骨精神が反映されているとわかり、納得した。この点も含め「薦」は興味深かった。

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    2022年10月18日
  • 世界の終わり、あるいは始まり

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    『葉桜の季節に〜』で知った歌野晶午さん
    どうやら過去にも歌野さんの作品を読んでいて、実家に残ってたので再読

    内容は全然覚えてなかったけど、途中でうっすら思い出した

    読んでで『ん?』ってなるけど、読み進めれば徐々に慣れていく
    何言ってるかわからないと思うけど、そういうものだからしょうがない

    決して読みにくい作品ではないが、ある意味では読みにくい作品
    ストーリーは説明しづらいので割愛

    まぁ、可もなく不可もなくって感じかな
    ただ、タイトルの付け方は天才的だと思う

    有意義な読書タイムをありがとうございました
    この読後感を噛み締めつつ

    世にも奇妙な物語とかで実写化したら面白そうだな

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    2022年10月13日
  • 間宵の母

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    救いようのない後味の悪さ。誰も幸せな人は存在しない話。夢か現実か、薄気味が悪いと思ったまま最後まで一気読み。一章(なのかな?)を読んだ時は、ハズレだったかと思ったけれども、最後まで読んで納得がいった。

    しかし、歌野晶午という作家、葉桜の季節…だけじゃなかったのね。(密室殺人ゲームシリーズも読んでるけど)

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    2022年09月24日
  • 間宵の母

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    不条理ホラーと見せかけてのミステリからのホラーやないか!
    帯に、風呂敷を破綻なく畳んでる…みたいなコメントがありましたが、破綻なく畳めなくてホラーで蓋した感はあります。
    オチまで含めて文句のつけようがない胸糞加減ですが、ライトな語り口とキレキレのツッコミに時々笑ってしまう。
    ラノベ好きの方にもオススメです。

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    2022年09月17日
  • 春から夏、やがて冬

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    この人のバリエーションがすごい。読む作品ごとに印象が変わる。
    今回は、なんというかとても残酷で不条理。
    でもその中でも人の優しさに触れられるお話だった。

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    2022年09月12日
  • 新装版 長い家の殺人

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    歌野晶午さんのデビュー作を読んだ。本格的なものからライトなものまでミステリーが身近になった昨今では、本作のメイントリックはもはや真新しいものではないが、それが露見しないための種々の細工については実に丁寧だと感じる。本作のもう一つの肝はホワイダニットで、犯人が動機について語り終えたあと、プロローグを読み返すと面白い。こういう仕掛けが歌野さんらしい。もう三十年以上前の作品だが、古臭さを微塵も感じさせず、テンポがよく読みやすい。作中でベルリンの壁が出てくると、当時はまだこれが健在だったのだなあと時代を感じた。

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    2022年09月11日
  • 明日なき暴走

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    登場人物は全員クズで、曇りが続くような陰鬱な雰囲気の小説。華やかなテレビ番組の裏方にはこうした灰色の世界があるのだろうか。冒頭の無軌道な若者たちの暴走から胸糞悪く、まるで食べ物を上手く飲み込めないように、なかなか読み進められなかった。種明かしの前には暗転するテレビ的な演出が入り、そこからディレクターズ・カットにより捻じ曲げられた驚きの真実が語られるという趣向は面白い。これはどんでん返しというよりは、まさに著者によるディレクターズ・カットなのだ。嫌いな場面はハッピーキッチンのシーン。嫌いな登場人物はニーナ。

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    2022年09月11日
  • 死体を買う男

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    物語の半分くらいまでは予想どうりでしたが、さらにそこから二転三転あるとは恐れ入りした。


    タイトルの死体を買う男が最後まで??でした笑

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    2022年09月08日
  • そして名探偵は生まれた

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    「密室」をテーマとした四遍からなる中・短篇集。密室と言っても舞台が山荘だったり絶海の孤島だったりで、どれも趣が異なります。特に本書のタイトルにもなっている「そして名探偵は生まれた」がまさかの展開だったりで楽しめました。

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    2022年09月02日
  • そして名探偵は生まれた

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    ちょっと期待し過ぎたかな?
    歌野晶午ということでどんでん返しを期待したのだけど。とはいえ4編どれも面白かった。無人島へ逃げたお話は二転三転。平均点以上でした。

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    2022年08月11日
  • 名探偵は反抗期 舞田ひとみの推理ノート

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    いやいやまだまだ。
    これはシリーズとしてもっと育ってほしい。

    ミステリー感は前作よりも高まりつつありますよね。それはそのまま、ひとみの成長を表している。

    次も楽しみです♪

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    2022年08月09日
  • 名探偵、初心者ですが 舞田ひとみの推理ノート

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    ネタバレ

    ストーリーの最後に
    To be continued と書かれているような(笑)

    もちろん次作も手元に置いてある。

    作者の筆力から言えば、まだまだ。
    この作品自体、この後に続く作品たちの伏線でしかないのではないか?そう心の中で思っている。

    もう何度も作者には騙されてきたからね。
    最後に来る種明かしひとつくらいで終わるはずがない。

    さて。続けて読むとしよう。

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    2022年08月08日
  • 名探偵は反抗期 舞田ひとみの推理ノート

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    前作の主人公舞田ひとみが他校の仲間たちと交流を深めながら様々な事件の謎に立ち向かう物語。
    前作に比べて短編集としての色が強い。章同士の繋がりが薄いと感じた。
    前作では推理の主体は叔父さんの歳三であり、ひとみの言動からヒントを得て事件を解決するというものだった。これに対して、今作ではひとみが中心となって、仲間たちや叔父さんの力を借りながら事件の謎を推理する。この点、小学生だったときからの成長?が伺えて面白い。
    ひとみたちがケンカするみたいなシリアス展開は苦手だが、そういうのもなく雰囲気がいい。軽く読めるのが良いところ。大きな驚きはなかったが、どの謎も一定のクオリティを保っている。
    一番好きなシー

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    2022年07月23日
  • 安達ヶ原の鬼密室

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    ネタバレ

    トリックものでしたか…笑
    ちょっと読み進めにくい部分が多く、最後に『なーるほど』とはなったけど…
    まあこういうのもありかもしれませんね。
    全然かんけーない話なんたけど、根本は一緒みたいな短編集。最後にカチッとはまると気持ちが良いですね。

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    2022年05月05日
  • Dの殺人事件、まことに恐ろしきは

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    江戸川乱歩の作品をモチーフにした短編集。
    乱歩らしくじめっとした感じのミステリーやホラーでじんわりと怖さがくる。
    どの作品もとても面白くて、初めての著者だったけど他の本も読んでみたいと思った。

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    2022年05月02日
  • ハッピーエンドにさよならを

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    ネタバレ

    かっこいいタイトルだなぁ〜と思って読んでみたら、ハッピーエンドの話無いじゃん?!全部、トラウマになりそうなくらいなバッドエンド!!
    特に以下三作がとても怖かった、、
    ・サクラチル
    ・防疫
    ・殺人休暇
    殺人休暇は、名案だし、ハッピーエンドじゃん?って思ったのに、相手がもしかしたら自分と同じく生きてるかもしれないっていう一文で、一気にバッドエンドになってしまった
    登場人物がおおかたサイコパスだったから恐ろしい
    でも先が気になる小説

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    2022年04月30日
  • 新装版 動く家の殺人

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    破天荒系の探偵。ハードボイルドも良いが、こういうのもアリ。長い家の殺人よりもストーリーがしっかりしていて、嫌いじゃないし、歌野晶午の音楽や舞台に対する知識は緻密だなと感じた。ただ、事件そのものはミステリとしてはインパクトに欠けていたかもしれません。

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    2022年04月12日
  • 家守

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    結構話に当たりハズレがあるけど、総じて面白かったのではないでしょうか?転居先不明もそうだし、植生の宿の切なさも悪くない。私はあんまりミステリーはトリックうんぬんよりも、そういう過程とか動機とかドラマに興味があるので、そういう部分がフォーカスされてる話は面白かった

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    2022年04月06日
  • 新装版 正月十一日、鏡殺し

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    短編集。
    ベストは猫部屋の囚人かなー。追い詰められる感じがコワイコワイ。でも全体として軽いのが好みですね。やっぱり現実の殺人はこういうものなんですよ。最後のやつは激イヤミスだけど、まあさもありなん。

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    2022年03月31日