歌野晶午のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【2024年186冊目】
人形師と消えた友人、妹を待ち続ける姉、記憶を失った老人、村落での殺人、視線に悩む妻。悪意が引き起こす5つのミステリー短編集。
いや、ホラー小説ちゃうんかい!
ええ、私が悪かったですよ、いつもあらすじ読まずに読み始めるので今回もそうして読み始めたわけです。でもさ、でも、表紙に「これを読んだら、家にはもう帰れません」とか書いてあったら、「ほほう、家に纏わるホラー小説か…?」って思うじゃないですか。いや、帰れるが?大手を振って帰るが…?
ということで、ホラーじゃなくてミステリーなので、家は舞台装置でしかなく、家自体に怖い要素はありません。安心してください。怖いのは人間で -
Posted by ブクログ
ネタバレ歌野晶午はいくつか読んだが、そのなかでもこれはあんまり面白くなかった。楽しめなかった。
キャラ造形や展開は良いんだけど、詰めの甘さというか、そうなる?エモいのか?という疑問がわいてしまってダメだった。
死んだ娘と同い年の人間に甘くなる人間臭さや、事故まで仕事人間、事故後は妻を支え、妻を失ってはポッキリ折れて、肺癌でもう生きる気力も無い主人公が得た気力が復讐。しかしそれは仕組まれたもので偽りで、助けたかった彼女が犯人だなんて主人公にとってはショックだろうなあとしか。余計な重圧じゃなかったのかと自分は思った。
そもそも、ますみの頭の回らなさを描いておきながら主人公を騙せる話を創作出来るのがフィ -
Posted by ブクログ
陸上選手に焦点を当てたミステリ作品。
作者らしいトリッキーなトリックが炸裂するけど、有名な「葉桜」に比べると少しパンチが弱いかも。
けれど、選手の心理描写なども合わさって、その淡白さが作品の雰囲気に一役買ってると思いました。
この作品割と賛否両論なのですが、その理由がメインのトリックがアンフェアであることに起因するそうで...
確かに予備知識が前提ではあるんですが、結構露骨な伏線が序盤に散りばめられており、そこからこの発想に行き着くのは、頭が良い人ならイケるんじゃないかと思います。(自分の頭脳だけならまだしも、今の時代ネットもありますし。)
ただトリックの性質上、謎を解かないまま読んだ方が楽