あらすじ
中学2年の照音は、いじめられる苦しみを「絶望ノート」と名づけた日記帳に書き連ねた。彼はある日、頭部大の石を見つけ、それを「神」とし、自らの血を捧げ、いじめグループの中心人物・是永の死を祈る。結果、是永は死んだ。しかし、収まらないいじめに対し、次々と神に級友の殺人を依頼する。生徒の死について、警察は取り調べを始めるが……。衝撃の結末が襲う長編ミステリ。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
そんな話だったの?
貴方はこの本を読み終わって、そう呟くだろう。
斜め上を行く結末。
予想だにしなかった結末。
今までに味わったことのない読後感。
それ書いてしまうとネタバレになっちゃうから、書かないけど。
凄絶ないじめに苦しんでいる中学生が、
日々の苦しみを日記に記していき、
それを偶然?発見した両親がとった行動とは?
2転3転する展開、全く先が読めなかった〜。
間違いなく、今年1年で一二を争うオススメ本になるだろう。
それくらい衝撃だった。
Posted by ブクログ
犯罪にフォーカスを当てるのではなく、主人公を取り巻く環境、心情が色濃く描かれていてどのページも面白いと思えた。飽きが来なかった。出来事だったり第三者の発言に対して放った言葉ではなく心の中で思ったことがツッコミのような瞬発性のある面白い言葉で描かれていたので新しい面白さを発見した気持ち。にしても歌野さんは言葉で騙すのが上手い、騙されない人なんていないと思う。読み手と本の中の人物の視点のギャップを生かした叙述トリック最高です。殺人云々ではなくて、目に見えない愛の確かめ方、寂しさ、が心に響く作品だった。主人公に対する自分の気持ちがコロコロ変わる展開、すごく不思議な感覚だった。怒りから切なさに変わって、泣いちゃった。すごくいい作品、1番更新。
Posted by ブクログ
歌野晶午さんの本を読むのは今作が初めてです。
いじめられている少年、太刀川照音(たちかわしょーん)。ジョン・レノンかぶれの父親と瑤子(よーこ)の間に生まれた彼の日記からこの物語は始まります。
母親、父親……と移り変わっていく語り口から、彼が神に祈り続けた結果、自分をいじめていた男子生徒が呪い殺されてしまったように見えますが、真相は果たして……?
という物語。
文庫本には珍しくずっしりと重い647ページの大作ですが、次はどうなるんだろうと期待が膨らんですぐに読み終えてしまいました。
いじめ描写がかなりリアルで、過度な脚色をされていなさそうなのが怖い。実際、照音のようにいじめに苦しんでいる人間は数多くいるのではないかと安易に想像がつくほどです。
しかし、後半になるにしたがってポツポツと明かされていく謎の種明かしはやがてどんでん返しとなり、個人的には大きな種明かしよりも、「そこ、こうだったのか!」という点が別にあったりします(笑)
ネタバレしない前提の感想なので面白さがイマイチ伝わらないかもしれませんが、ミステリー小説にありがちな「あいつも怪しい、こいつも怪しい」ではなくて、(そういう風に読むと余計に分からなくなる)まさに語り口からのトリック、言葉の世界でしか通じない仕掛け(とあとがきで言われていました)そのものといった感じです。
私は他の方のレビューをちょこちょこ読んでから読み進めてしまったので、中には確信スレスレのコメントをされている方もいるので、読み終えるまで謎は大事に取っておきたい方はレビューを見ない方がいいかも。
また他の作品も読んでみたいと感じました。
おすすめです!
【今回、この本で感じたテーマ】
・いじめ
・家族(の問題)
・親類
・殺人
・犯罪
Posted by ブクログ
初読み作家さん。滅茶苦茶面白かった。とてつもなく構成が上手い。
予備知識なく読み始めたので、これは青春小説か、オカルトが、ミステリーか、もしくはホラーなのか!?と
どう転ぶか先が気になり一気読み
終盤はなかなかブラックかつシニカルで、それも好み
救いのない話だけど、どこかコミカルに読めるのは文体の影響か
Posted by ブクログ
終盤に信じられない大どんでん返し
なんて読むしかないでしょ!!
となったけど
なんとなくオチが先読みできてしまって残念
でも「これはいじめの物語だ」という簡単な話ではなく
本当にいろいろと絡まりあった大作でないかと思う
あと登場人物全員がまったく好きになれない
タイトル通り、読み始めから読み終わりまで
すべて「絶望」状態で楽しめました
桜葉…は何年か前に読んでたけどこれもすごく面白かったような、
でも私はこちらのほうが面白かった
すごく分厚い本なのにあっという間だった
ちなみに別にジョンレノンは好きではないので
その知識があったらもっと楽しかったのかも
本当にイヤミスもイヤミス
誰も救われない希望がない話
でも大好き(笑)
さすが歌野先生!
読んでも決して愉快な気分にはなれない
のに、読むのが止められませんでした。
主人公が救われるのを願って読み進め、
何が起こっているのか分からず真相が
知りたくて読み進め・・・。最後まで
読んだら、もう、力が抜けてしまって、
もう、何がなんだか。という気分を1冊
で味わってしまいました。なんだか、
本当に、なんだか・・・という気持ち
です。暗い話が苦手な人にはおすすめ
できませんが、やっぱり歌野先生は凄い!
やっぱり歌野晶午は面白い!
幾重にも張り巡らされたどんでん返し!
イジメの内容に読むのが辛くなりながらも、胸の空く展開があるんだろう、と我慢しながら読み進めたらそれどころではなかった。
何人か、あれ、あの人はあれだけ?と言う登場人物がいなくはないし、ラストに関わってくる人物も少しその関わり方の理由が弱いかな、とは思ったものの、全体的にはとても読みごたえのある裏切られ裏切られ裏切られ、な展開の1冊だった。
Posted by ブクログ
約600頁ある小説を一気に読んだのは久々でした。最近すぐ眠くなるので…。ほとんどが登場人物の語りで構成されているので読みやすかったです。誰も救われない物語りですが、先が気になる面白さでした。
Posted by ブクログ
自分はまだ20半ばで、子供はいませんが、もし自分の子供がいじめられていると知ったらどうするのでしょう。
他の人も書いてあるように、ここの登場人物が全員好きになれない。偏った視点からだから、もちろん私情も入っているでしょうが、にしても嫌な奴らばかりやな。
結末は予想の数段上だったので、良かったです。
いじめとかの小説になると、いじめを知らないふりをして過ごしていたのかなと思ったり思わなかったり。
受け取り方次第だから分からないことも多いし、僕自身も嫌だと思うこともあったなと。
ちゃんと伝える術が子どもにはないことをちゃんと自覚して大人になろうね。
Posted by ブクログ
「絶望ノート」がこれほどまで他人を操り翻弄するとは。終始完膚なきまでに虐められる描写が印象的だったが、ラストで明かされる真実は、これまでの物語の見方が180°変わる衝撃的なものだった。長編だが、面白くて一気読みできる作品だった。
Posted by ブクログ
太刀川照音がクラスメイトからの日々のイジメについて書いた絶望ノートによって多くの人の人生が狂わされていく。読んでいて終盤まんまと騙され、そこまでの出来事や登場人物への印象が一転した。
Posted by ブクログ
ブク友さんのレビューから気になり読んでみた。
絶望しかないと聞いてはいたけど…
本当に絶望しかない!!!叫
いじめにあっている中学生男子の日記が主体となって物語が進む。
いじめの内容とか、それに対する思いが日記に書いてあるんだけど、やることや考え方がやっぱりまだ中学生だなあ…それにしても劣悪。という生々しさもあったし、親や周りの大人の行動も現実的。
そんな中、日記で【死んで欲しい】と想い書き綴った相手が本当に死ぬ。次々に死ぬ。
一体誰が!?というミステリー。
先が気になって後ろから読みたくなった笑
結末はそうきたか…!!!
筆者である歌野晶午さんの【葉桜の季節に君を想うということ】よりか驚きは少なかったものの、それでもびっくり。
そしてやっぱり絶望しかなかった
なかなか厚みのある1冊だけど、不思議と長いとは感じなかった。
【いじめ】という問題に目を向けることも出来るし、ハッピーエンドは待っていないけど気になる方はぜひ。
こちらの1冊に出会わせてくださったブク友様、感謝です☆
Posted by ブクログ
葉桜を読んだので、こちらも読んでみた。
葉桜でハードルが上がりきってるものだから、あの時ほどの「やられた!」感はない。
ただ、期待をして読んでいるため他の作品とは違って、推理しながら読むのはやめた。書かれていることを割と深読みせずにそのまま受け取って読んでいたのだが、やはり今回もヌルッと読者の思考を覆す。
そしてすぐにはそれを詳らかにしないところ。先まで読みたくなってしまう技だ。意味深な言葉を書いておきながら、そのまま一旦放置されるのだ。これがページをめくる手が止まらなくする要因だ。
半分くらいは全くどのように着地させるのか分からなかった。500ページくらいでも、展開も含めて想像がつかなかっただろう。それは主人公の照音の日記に基づいて進んでいたからだ。決して、照音のその時の感情の描写ではない。日記を我々読者も読み続けていた。「トヨヒコ、ダメだなぁ」と必要以上に思わされていた。照音の賢さに驚かされる。
Posted by ブクログ
中学生の太刀川照音はイジメに遭っていた。その苦しみ、怒り、両親への不満を「絶望ノート」と名づけた日記帳に日々記していく。ある日、校庭で人間の頭部大の石を見つけて持ち帰り【神】と崇め殺人を依頼したところ叶ってしまう。照音は次々に名前を日記帳に書きつけ神に祈るたび悲劇が起きていく。神とは?友達とは?親子とは?望みが絶たれていく様が描かれた驚愕ミステリ。
歌野晶午2作品目。
前読【ハッピーエンドにさよならを】が傑作だったこと、ブク友・奏悟さんより「ぜひやれられてみて欲しい」とのリクエストもあって、長きに渡り積読棚に鎮座していた本書を手に取るに至った。
約600ページの厚さに躊躇を感じていたものの、とても読みやすい文体かつ内容がスリリングでハラハラドキドキとページをめくる手が止まらなかった。
確かにここに絶望があった。いや、絶望しかなかった。
主人公のショーン(太刀川照音)の絶望ノートという名の日記を主として進行していくのだが、悲惨燦々たるや否や、わや。兎角、イジメの描写がリアル過ぎて息が詰まる。そして、イジメをうけた側の本音と怨念節がエゲツなく胸の奥がギューっと鳴った。
個人的には10月24日(水)の日記が1番エグられた。
誰かの死を願う日記よりも自然過ぎて深くエグられた。
イジメという言葉に心身的アレルギーや不適応と感じられる方は避けた方が良い作品かもしれない。私はミステリ作品として、延いては社会問題をテーマとした作品として傑作に1票。
大人に振り回される子供、子供に振り回される大人、どっちもどっち。掛け違えたボタンに気付いているのなら、決してそのままにしてはいけない。
Posted by ブクログ
他の方の感想を読んで。登場人物の誰も好きになれない。ほんまや!わたしも!
じゃあ何にぐいぐい引っ張られてあっという間に読み終わったんだろう。しかも再読で、(ずいぶん前で細部は忘れていたけど)どんでん返しの中身は分かっていたのに。
照音の文章力かな。中身は胸糞だけど、あの量、臨場感、構成、中学生が日記であれ書いてたら化け物やん。それをあんな動機で物しちゃうからヤバイんで、上手にフィクションに落としこめるように周りの大人が道筋を付けてあげられれば…。
あ、周りの大人も全員ヤバかった。絶望。
Posted by ブクログ
これがどんでん返しか‥
前半はもしこんな中学生が現代にいたらと絶望を覚えていたが、最後まで読むと全てが繋がって納得できてしまった。
モヤモヤは残るが、作品として結末が読めないハラハラした作品だった。
現実では神や親、友達を頼りすぎず自分で問題解決する力がないと、上手に生きてはいけない。
Posted by ブクログ
胸糞だったなぁ〜
絶望ノートって、読んでる読者も絶望させるのを狙ってなのかな?
読んでて気分悪いな〜とか思いつつも、しっかり読み終えてしまった
あと、作品単体の感想じゃなくなるけど、これを読み終わって、嫌気持ちいい感じを蓄積させて、家族愛な作品を楽しんだら、マイナスからプラスへの振り幅が大きくてめちゃくちゃ爽快だった
Posted by ブクログ
いじめを受けていた少年がノートに恨みを持つ人間の名前を書くことでその人物が死んでいくというミステリー。読む前は何かしらの超常現象的な形で物語が進むと思わせて、まさかそのノートを読んでいた人間達が殺人を犯していたというものが驚いた。そして、最後のシーンは読者に結末をお任せする形で物語が終了するところが想像力をかき立てられるというところも面白かった。もう一度読み返したい。
Posted by ブクログ
主人公の照音が国府田さんに詰め寄られて
言い訳を言ってる姿を想像してたら
三四郎の小宮君の言い回しに聞こえてきた。
小心者の知能犯って感じ。そっくり。
想像して読んで欲しい!
Posted by ブクログ
いじめられっ子の日記を通して物語が進む構成は単純に面白かった。
いじめられている子、その父、母、学校の担任、助けようとする教師、いじめている子、その取り巻き、傍観している子等々様々な人が絡み合って事件が起きていく様は圧巻であった。衝撃の事実とともに伏線が回収されていく後半の100ページは読む手が止まらなかった。
いじめられっ子の運命は絶望か希望か。
Posted by ブクログ
歌野さんの大どんでん返しはやっぱり凄い。
歌野さんの作品を読む時は特に、小さな違和感を流さず、騙されないように騙されないように読み進めているはずなのに、いつの間にか世界に引き込まれていて、結局最後に「ええ!!」と驚いてる私がいる。ちょっと悔しい。
凄いと思う点を書こうとするとネタバレになってしまいそう。
読んだ人はきっと早い段階で殺人実行犯が誰か検討がつくだろうけど、それは果たして真相か否か。楽しめます。
Posted by ブクログ
最初の方は珍しい文の書き方、ストーリーの進め方で読みづらく、ただ永遠といじめの描写が鮮明に書かれているだけで面白味にも欠けていたけど、途中からどんどん面白くなってページを捲る手が止まらなくなった。3分の2読み終えたあたりから面白くなります❗️❗️
Posted by ブクログ
いじめを受けている割には悲壮感のない日記に感じられた。
最後の結末は長い日記を読まされた割にはしっくりこなかった。
期待なしすぎだったのだろうか。
Posted by ブクログ
中学生の照音は、いじめっ子を殺して下さいと、神様にお願いする。そうすると、実際にいじめっ子が死亡して…。
終盤、真相が明かされたときは「そっか、期待しすぎたかな…」と思ったけど…、そこからがすごかった。
どんでん返しにつぐどんでん返しで、ラスト100頁は、ずっとどんでん返しだった。
Posted by ブクログ
テンポよく読めた。
日記が現実なのか、嘘なのか、この部分がやはり肝を握ってくるわけで、やはりこの作家は、『現実』と『虚構』の掛け合わせが絶妙なのだと思った。
最後はもう少しひとひねりあっても良かった気はするが、最後の最後までぐっと引っ張られた。
Posted by ブクログ
叙述トリックが駆使されたミステリ。この手の作品の恒として人は死にますが、事件に至る背景や心の動きは丁寧に書き込まれており納得できるものでした。主人公の手による日記『絶望ノート』の精緻ないじめ描写がつらいです。救われない結末は想像してましたがラスト数十ページでの展開に唖然としました。
Posted by ブクログ
なかなか面白かった。
いじめを受けていることをノートに書き綴る主人公。両親はそれを盗み読み、親としてどうすればよいか、悩む。主人公の描写によると、父はジョン・レノンにかぶれていて、本当にダメな親。母親が働いて家計を支えている。そのおかげで自分の家は貧乏で、父親のことでからかわれ、いじめられ、みじめだ。
どんな風にいじめられているか鮮明にノートに書き綴り、自分で作った「神」に、いじめの加害者を殺してくれと頼む。そうすると、本当にそいつが死んだ。
読者は、ノートを読んだ父か母が手を下したのだろうな、と想像しながら読み進めることになる。でもそれだけでは説明がつかないこともちょこちょこ出てくる。
最終的には「ペンの力ってすごい」という一言に尽きてしまう結末に。
小説家は皆、「ペンの力」を知っているからこそ小説を書いているのだとは思うけど、「ペンの力はすごい、恐ろしい、一歩間違うと命さえ奪うことができる」と実感させられる小説だった。
Posted by ブクログ
題名だけみて買った一冊。
だまされたの一言がでる話だった。
あとラストがモヤモヤというか中途半端
主人公が書いた日記のせいでいろんな人が振りまわされている。
主人公より振りまわされている人達のほうがかわいそうに感じる。
主人公は事の真相を知ったらどう思うのか?
ラストにその辺を書いて欲しかった。
話の構成はどんでん返しがいくつもあったみたいで面白かった。
しかし主人公に全く共感できない小説でした。
Posted by ブクログ
最後にどんでん返しってことは、主人公はイジメられてない架空の話ってことなんだろうなと最初に考えた。
なぁんか腑に落ちない。
モヤモヤ気持ち悪い読後感。
モヤモヤ①
いじめを受けてた大迫という女の子と、国府田という女の子が2人とも「片目をギュッとつぶった」みたいな描写があったこと。
何かのヒントかと思ったら何でもなかった。笑
考えすぎか。
モヤモヤ②
妹尾先輩がことごとく来宮先生と主人公のやり取りを知ってたけど、それに関して説明がなかった。
最後に殺そうとしてた諸井がスパイだったの?
モヤモヤ③
是永がやったこと(イラストを掲示板に貼る、動画を流す)て普通にイジメじゃない?
見下されてたとか書いてあったけど、本当にただイジメられていたような気がする。
最後は因果応報というか、結局自分に返ってきちゃったなぁという感じ。
そもそもそんな運良く母親に日記見られるなんてあるかな。
お互いがちゃんと話し合えば、こういう結果にはならなかったのかもね。
Posted by ブクログ
うん、歌野晶午って感じ。終始暗いけど、主人公の他力本願に終始ムカムカしたけど一気読みしたから、面白かったと言えると思う。実際はこんなに都合よくいかない!って内容や状況、人間の行動が歌野晶午の本には散見される。そこがハマれない。でも、一気読みしたしなぁ…笑