歌野晶午のレビュー一覧

  • 絶望ノート

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    叙述トリックが駆使されたミステリ。この手の作品の恒として人は死にますが、事件に至る背景や心の動きは丁寧に書き込まれており納得できるものでした。主人公の手による日記『絶望ノート』の精緻ないじめ描写がつらいです。救われない結末は想像してましたがラスト数十ページでの展開に唖然としました。

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    2021年11月23日
  • 明日なき暴走

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    2つの物語が繋がった時からが、まさに暴走が始まる…
    そして作者らしい予想外な結末でした。
    ただ、ラストが説明ぽくなり過ぎたような…

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    2021年10月30日
  • 新装版 動く家の殺人

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    「結論からいおう。
    信濃譲二は殺された」で始まり、
    「手摺の向こうに、彼」で終わる。
    始まりも終わりも印象的。
    ミステリとしてはトリック、真相は正直大したことはないのだが、やはり歌野晶午の作品の雰囲気が好きだ。
    初期の作品、中期の作品、最近の作品、作風は変化しているが、どこか共通する雰囲気がある。

    歌野晶午然り、有栖川有栖然り、独自の雰囲気を持っている作家は強いのかもしれない。
    "歌野晶午好き"を再認識。

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    2021年09月16日
  • 死体を買う男

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    同じ歌野晶午作品の「葉桜〜」のような驚きや感動を期待しているとちょっと肩透かしを喰らう。

    作中作の形式で江戸川乱歩を真似た文体で書かれているとのことですが、私自身が江戸川乱歩作品を読んだことがないこともあって、文体や時代描写の魅力や上手さがわからなかった…。

    乱歩や朔太郎が好きな読者なら楽しく読めたのかもしれませんが、2人がじゃれてる場面がちょっと冗長だなぁ…と思いながら読みました。

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    2021年08月30日
  • 死体を買う男

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    トリック自体はそこまで新しいものではない。
    でも入れ子構造になっていてテンポ良く読める。
    トリックや伏線回収にそこまで重きを置いておらず、キャラクターの魅力や心情描写で読ませる作品だと思った。
    驚きはなかったけれど、双子の入れ替わりミステリの中ではこれが一番好き。

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    2021年08月28日
  • 新装版 長い家の殺人

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    10数年ぶりの解読。

    途中でトリックを思い出して、こんな内容だったなあと振り替える感じ。


    壁を偽装して部屋移動させたように見せるトリック。
    こんな大がかりなトリックで本当に騙させるか?とちょいツッコミたくはなった。

    あと、エピローグが恋人に宛てたような手紙の末尾で マリへ と出てくるがこれが作中のマリに宛てたものではなく、 マリファナに宛てたものだったとは笑

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    2021年08月27日
  • 名探偵は反抗期 舞田ひとみの推理ノート

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    ネタバレ

    星3.5

    友達の高梨さんからの視点で語られるお話。

    高梨さんのお母さんは、あの後どうしたんだろう。

    罪の意識で、子供を育てていけなくなるのでは?

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    2021年08月26日
  • 春から夏、やがて冬

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    まさかの展開に驚き。
    しつこい女だな〜鬱陶しいね〜図太いな〜。冬でもサンダルのしつこい女はちょっと関わりたくないよね。偽善者みたいな事言ったり、ハメたり、頼ったり…イライラしたわ。
    それにしても真実は何だったんだろう。
    哀しい気持ちになったな。
    こんなに救われない事があるのか…と虚しい気持ちになった。

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    2021年08月19日
  • 死体を買う男

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    作中作が登場する長編。あらすじから乱歩と朔太郎がメインとなって活躍するのかと思っていたのだがちょっと違っていた。結末は正直言ってそれほど意外でも突飛でもないのだが、それでも最後の犯人の心情のリアルさはなかなか真に迫っていたように思う。

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    2021年08月02日
  • 絶望ノート

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    ネタバレ

    なかなか面白かった。
    いじめを受けていることをノートに書き綴る主人公。両親はそれを盗み読み、親としてどうすればよいか、悩む。主人公の描写によると、父はジョン・レノンにかぶれていて、本当にダメな親。母親が働いて家計を支えている。そのおかげで自分の家は貧乏で、父親のことでからかわれ、いじめられ、みじめだ。
    どんな風にいじめられているか鮮明にノートに書き綴り、自分で作った「神」に、いじめの加害者を殺してくれと頼む。そうすると、本当にそいつが死んだ。
    読者は、ノートを読んだ父か母が手を下したのだろうな、と想像しながら読み進めることになる。でもそれだけでは説明がつかないこともちょこちょこ出てくる。
    最終

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    2021年07月31日
  • 名探偵、初心者ですが 舞田ひとみの推理ノート

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    安楽椅子探偵のひとみとおじさんの歳三のコンビで事件を解決する短編集と思っていたが、ひとみは全然推理しないことに驚いた。このシリーズを初めて読んだので続編は違うのかもしれないけど。
    それぞれの話の結末はそこまで面白いというわけではないが、前の話と関連性のある事件や、最後に明かされる母親の話とか、連作短編らしいところはとてもよかった。

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    2021年07月28日
  • 絶望ノート

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    題名だけみて買った一冊。

    だまされたの一言がでる話だった。

    あとラストがモヤモヤというか中途半端

    主人公が書いた日記のせいでいろんな人が振りまわされている。
    主人公より振りまわされている人達のほうがかわいそうに感じる。

    主人公は事の真相を知ったらどう思うのか?
    ラストにその辺を書いて欲しかった。

    話の構成はどんでん返しがいくつもあったみたいで面白かった。

    しかし主人公に全く共感できない小説でした。

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    2021年06月30日
  • 7人の名探偵

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    全編書き下ろしアンソロジー作品で、それぞれの作品に名探偵が登場します。

    中には、シリーズ物の人物が出てくる作品もあって、キャラや世界観が分かりづらい話も少し…

    30周年記念作品と言う事で、豪華な顔ぶれが揃っているので、ミステリー好きの人には嬉しい作品です。

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    2021年05月08日
  • 家守

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    「家」をテーマにした五編のミステリー。どれも後味は悪いがミステリーとしては楽しめた。

    「人形師の家で」
    冒頭、人形師と彼が造った女性の人形との夢とも幻想とも現実とも分からないシーンがある。その後、主人公の青年がかつて住んでいた町に戻り自身に関する秘密の確認をするのだが、それが冒頭のシーンにこうした形で繋がるとは。一番罪深いのは…。

    「家守」
    密室トリックは散々読んできたが、これはちょっと斬新。力業という感じもするが面白い。しかしタイトルからしてもメインテーマはそこではなく、被害者がなぜ頑なにその家を離れようとしなかったかという物語。何とも暗澹たる思いにさせられる。

    「埴生の宿」
    記憶が混

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    2021年05月05日
  • 新装版 白い家の殺人

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    信濃譲二探偵のシリーズものの二作目らしい。私は一作も読んでなかったが、探偵のキャラクターはなかなか良い。多くは語らないが友人思い。
    ところどころ市之瀬への友情を伺い知れる。
    市之瀬の間違った推理にはイライラするところもあるけど、犯人の犯行動機には少し悲しい思いになる。
    娘が殺されたのは完全にとばっちりで可哀想。

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    2021年05月01日
  • 死体を買う男

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    ネタバレ

    大正ロマン(であってるかな?)なお洒落な空気のどんでん返しミステリって感じで楽しかった。
    作中で登場人物が「○○ってことはこうなのです。」と言い切り、それが決定打になって推理を完成させたにも関わらず、次の展開では【異なる結論ありきで】同じ事象について「そうとは限らないだろう」ってあっさり否定して推理を覆してしまうのが、なんというか、仕方ないのかな…………って感じでもやっとするが些細なことといえば些細なことかな。
    あまり重くもならないエンターテインメントって感じで楽しめば十分楽しい作品だと思う。
    屋根裏の散歩者とか、人間椅子とか、色々楽しかった。
    作中作の二重構造というのも、混乱するかな?と心配

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    2021年04月29日
  • 名探偵、初心者ですが 舞田ひとみの推理ノート

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    歌野晶午のミステリ連作短編集
    殺人事件を捜査する独身捜査官が、姪(小学生!)との会話にヒントを得て、事件の謎を解いていく連作短編ミステリです。伏線と謎解きの絶妙さが「いかにも歌野ミステリ」なのですが・・・
    サブタイトルの「舞田ひとみの推理ノート」に偽りアリ!
    ネタバレになるのでこれ以上は言えませんが・・(^_^;)

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    2021年03月27日
  • 名探偵、初心者ですが 舞田ひとみの推理ノート

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    ネタバレ

    以前読んだ「誘拐リフレイン」で高校生だったひとみが小学五年生になってて、前作の過去話なのかと思ったのですが、本作の方が先に出ていたんですね。「誘拐リフレイン」と同じノリで、ひとみがいろんなことに頭を突っ込んでいくような話を想定していたら、ほとんど歳三の活躍を描いた内容だったので、ちょっと期待と違った感があります。

    前作の印象から「舞田ひとみシリーズ」は、ひとみの無茶な(けれど事件の核心に繋がる)行動が特徴のシリーズだと思っていました。なのでそれがない本作には、最後の最後で何か驚きの仕掛けがあるのかも、という期待をどうしても抱いてしまいます(「葉桜の季節に~」の印象も未だ残ってるので……)。そ

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    2021年03月14日
  • 春から夏、やがて冬

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    受け取り方によって、ハッピーエンドにもバッドエンドにもとれる。それが著者のやりたかったことのようだ。
    ますみは殺されることまで望んでいたのか、そしてますみは本当の犯人ではなかったと平田が知ってしまったら...
    切ない。

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    2021年03月14日
  • 7人の名探偵

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    新本格ミステリ30周年記念のアンソロジー

    それぞれのシリーズを知らない読者にとっては、背景が判らない名探偵の出現は唐突だろうが、
    アンソロジーのための書下ろし故か、多分、
    甘めになっている感じがしたので、読み易かった。

    ラストを締めくくる綾辻氏の作品は名探偵モノといっていいか判別し難いが、
    実名の作家たちが登場する 新本格を愛する読者にとっては嬉しい一作だと思う。

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    2021年03月11日