歌野晶午のレビュー一覧
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ネタバレなかなか面白かった。
いじめを受けていることをノートに書き綴る主人公。両親はそれを盗み読み、親としてどうすればよいか、悩む。主人公の描写によると、父はジョン・レノンにかぶれていて、本当にダメな親。母親が働いて家計を支えている。そのおかげで自分の家は貧乏で、父親のことでからかわれ、いじめられ、みじめだ。
どんな風にいじめられているか鮮明にノートに書き綴り、自分で作った「神」に、いじめの加害者を殺してくれと頼む。そうすると、本当にそいつが死んだ。
読者は、ノートを読んだ父か母が手を下したのだろうな、と想像しながら読み進めることになる。でもそれだけでは説明がつかないこともちょこちょこ出てくる。
最終 -
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「家」をテーマにした五編のミステリー。どれも後味は悪いがミステリーとしては楽しめた。
「人形師の家で」
冒頭、人形師と彼が造った女性の人形との夢とも幻想とも現実とも分からないシーンがある。その後、主人公の青年がかつて住んでいた町に戻り自身に関する秘密の確認をするのだが、それが冒頭のシーンにこうした形で繋がるとは。一番罪深いのは…。
「家守」
密室トリックは散々読んできたが、これはちょっと斬新。力業という感じもするが面白い。しかしタイトルからしてもメインテーマはそこではなく、被害者がなぜ頑なにその家を離れようとしなかったかという物語。何とも暗澹たる思いにさせられる。
「埴生の宿」
記憶が混 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大正ロマン(であってるかな?)なお洒落な空気のどんでん返しミステリって感じで楽しかった。
作中で登場人物が「○○ってことはこうなのです。」と言い切り、それが決定打になって推理を完成させたにも関わらず、次の展開では【異なる結論ありきで】同じ事象について「そうとは限らないだろう」ってあっさり否定して推理を覆してしまうのが、なんというか、仕方ないのかな…………って感じでもやっとするが些細なことといえば些細なことかな。
あまり重くもならないエンターテインメントって感じで楽しめば十分楽しい作品だと思う。
屋根裏の散歩者とか、人間椅子とか、色々楽しかった。
作中作の二重構造というのも、混乱するかな?と心配 -
Posted by ブクログ
ネタバレ以前読んだ「誘拐リフレイン」で高校生だったひとみが小学五年生になってて、前作の過去話なのかと思ったのですが、本作の方が先に出ていたんですね。「誘拐リフレイン」と同じノリで、ひとみがいろんなことに頭を突っ込んでいくような話を想定していたら、ほとんど歳三の活躍を描いた内容だったので、ちょっと期待と違った感があります。
前作の印象から「舞田ひとみシリーズ」は、ひとみの無茶な(けれど事件の核心に繋がる)行動が特徴のシリーズだと思っていました。なのでそれがない本作には、最後の最後で何か驚きの仕掛けがあるのかも、という期待をどうしても抱いてしまいます(「葉桜の季節に~」の印象も未だ残ってるので……)。そ