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Posted by ブクログ 2023年12月29日
勢いのある歌野さんのデビュー作。犯人や、トリックを考えながら読み進めるのはとても楽しく、読みやすい一冊だった。プロローグの”マリ”の伏線が面白かった。そう、"マリ"。
Posted by ブクログ 2020年05月08日
積読消化期間。
積読本を改めて眺めてみると、その本を購入した理由を思い出す。これは歌野正午さんの本を初めて読んだ時の衝撃がスゴ過ぎて、デビュー作を読みたくなったんだった。もちろん出会いは「葉桜の季節に君を想うということ」。懐かしい。
この本の最後に「薦」があり、それを書いているのが島田荘司さん。...続きを読む著作は読んだことない。それはさておき、その2人の出会いの物語が面白かった。
本書の内容は完全なミステリ。密室もので暗号も有り。なんて大胆な発想。でもトリック自体はありがちと言えばありがちか。しかしデビューでこれって。しっかりがっちり堪能できた。
Posted by ブクログ 2022年12月30日
推理小説としては比較的初心者向けでわかりやすいと感じた。
やや無理があるとか、運に左右されるという感想もあると思うが、本格好きとしてはそこも楽しめる部分かと。
ハウダニット、フーダニット、ホワイダニットそれぞれ推理し甲斐があり、王道として楽しめると思う。
Posted by ブクログ 2022年01月24日
歌野晶午のデビュー作。
肝であるトリック、読んでいてなんとなく分かりはしたものの解答まで辿り着けず、真犯人にもだがこれはどちらかというとハウダニットに驚くパターンだった。デビュー作でこのアイデアと実現力は凄いのではないだろうか。
作中の80年代くらいであろう空気も手伝って、なんとはなしに懐かしさの...続きを読むようなものを感じさせる作品。
本編とは関係ないが、巻末に島田荘司の『薦』が収録されており、歌野晶午のデビューに至るまでのエピソードが書かれている。歌野氏の人柄が、少し意外なような、作品を読む通りのような、面白いエピソードだった。
Posted by ブクログ 2021年04月28日
評価は低い人が多いみたいだが、そんなに悪くない作品だと思う。
自分は、信濃が「二つともどん詰まりの部屋」と言うまで気づかなかったが、気づいても、ペンキ、鍵、人魂などの伏線は見事だと思った。歌に込められた暗号も面白い。
冒頭の"マリ"にもまんまと引っかかった。
デビュー作から持ち味...続きを読むを出してるな、という感じ。
Posted by ブクログ 2021年02月25日
歌野晶午のデビュー作。巻末に島田荘司の解説付き。
行動力すごいな!とびっくりした。すごい……。
大学生のロック・バンドが晩秋の湯沢で合宿し、そこで殺人事件が起きる。
解決しないまま、メンバーが欠けた状態で解散ライブを行うと、
そこでまた殺人事件が起こり、バンドを数年前に抜けて渡独していた元メンバー...続きを読むが帰国し、謎解きをする……
出だしの意味ありげなコードと歌詞が気になりつつも、
「コードが読めなくてもまあいいわ」と読み進めていったら、暗号!
しかも、犯人も誰もわかっていなかった暗号!
関係ないわけなかった!あんなに意味ありげだったのに!
CDEFGをハニホヘトに読み替えるだけで、セブンスは単純に7つ飛ばしで読む、
という意味なんだから、単純な暗号だと思うんだけど、
「コード苦手、まあいいや」で飛ばしてたらそりゃ解けないわけよ。
ちゃんと調べてみればよかったー。
トリックとしては、なんというか、島田好みの物理トリックで、
こういうのやっぱり好きだわ!って思わせるんだけど、
2番目の殺人、さすがに部屋数少なすぎなのでは……。
ちょっと無理ありすぎなのでは……。
学生運動の続きのような気分で爆弾作って捕まった過去のある人が四六時中
警察当局に目をつけられているような描写とか、ベルリンの壁がまだあるらしい描写とか、
とにかく警察って嫌われものだったのかなという感じとか、
1988年発表の時代の雰囲気がリアルで面白かったな。
Posted by ブクログ 2019年10月05日
確かに大胆なトリックだった。途中でトリックは気付きはしたけれどプロローグのMの事には気付かず。音楽についての知識はさっぱりな私なので、途中で色々と挟まれる曲の事だとかの色々はわからなかったけれどイヴニング・スターを聴いてみたくなった。
Posted by ブクログ 2018年09月09日
1988年のデビュー作。
長い廊下にある部屋、覚えにくい部屋番号というところでトリックは思いついた。しかし、暗号は凄いな…。いや、解ける人には解けるんだろうな。
序章に出てくるM=マリが最後に関係してくるとは。
結局、犯人は自殺してしまったのかな。
きっと裁かれたとしても山脇くんに殺されてたか...続きを読むな。
いや~面白かった!
すいすい読めました!
Posted by ブクログ 2018年08月29日
やはり歌野晶午先生は面白い!!残念ながらトリックはわかってしまった。好きなテレビドラマと一緒だったから。しかしこれが、88年のデビュー作と聞けば、すごいの一言に尽きる。まさか一日で読んでしまうとは思わないくらい、読みやすく、続きも気になってしまった。時間があるときに読むことをオススメします。
Posted by ブクログ 2018年01月03日
大学でバンドを組んでいた6人は、ラストステージの練習のため、湯沢にあるロッジで合宿をしていた。午後8時頃、メンバーの一人である戸越が酒に酔ったため、しばらく横になるから、麻雀の時間になったら起こすように言い、部屋に戻った。しかし、午後9時頃戸越を呼びに行くと部屋にはおらず、不思議なことに荷物も全...続きを読むてなくなっていた。メンバーはロッジ内を捜索し、午前2時、7時にも再び戸越の部屋を覗いたが、そこには何もなかった。
しかし、14時に戸越は遺体となって部屋で発見される。このことと、死亡推定時刻の状況から、犯人は、戸越を前日の8時から10時ごろに殺害し、一旦どこかに移動させて、翌日の7時過ぎから発見される14時までの間に遺体を戸越の部屋に戻したものと思われた。死亡推定時刻には、メンバー全員が少しの間一人になる時間があったが(トイレや風呂等)、80キロを超える戸越の遺体をどこかに隠すだけの時間はなく、犯人ではないと考えられた。
その死から約半年後、バンドのラストステージ中に控室でメンバーの三谷が殺害される。この事件でも、三谷が暫く行方不明となってから発見されたため、戸越を殺害した犯人と同一犯であると思われた。メンバーの市之瀬は友人で頭のキレる信濃にこのことを話し、生前三谷が気にかけていた2枚の写真を見せたところ、信濃は殺害トリックを見破る。
それは、戸越が殺害されたロッジは、部屋が15部屋横に並んでおり、戸越の部屋は一番奥の壁側であったということ、部屋の名前があまり馴染みのないギリシャ文字であったことから、人間の心理として、あいだの文字(例えば8番目)が飛ばされていても気づかないことを利用して、一時的に部屋のプレートをずらし、14番目の部屋と15番目の部屋に壁を作ることで、15番目の部屋を消してしまうというトリックであった。このトリックは、数分で完成させられ、また、遺体を一時的に移動させるという必要がなくなったということから、メンバーの犯行は可能であったという結論になる。このトリックは、三谷が気にしていた2枚の写真が、それぞれ14番目の部屋と15番目の部屋で撮られた写真であり、背景の雑木林が微妙に異なっていたことが証拠であり、三谷は不運にもこの点を犯人であるメンバーの武に相談したため、殺害されたのであった(なお、戸越を殺害した理由は、武がマリファナを使用していたことを知られ、それを理由にしつこく脅されていたからであった)。
歌野氏が本格派の代表者であることは知っていたものの、仕事で忙しくて読むことができずにいたが、連休を利用して歌野氏の作品に触れることができて満足している。
本作のトリックは、部屋のすり替えトリックで、ミステリーには定番のものであるが、筆者の物語や文章の巧みさから、早く読みたいという衝動に駆られてしまい、トリックを全く予想できなかったことを反省している。内容は非常に楽しめた。
Posted by ブクログ 2017年07月28日
バンドの練習合宿のため山荘へ。そこでメンバーが死んでしまう。死体が消失したり、泥棒が現れたり、色々なことがおこる。麻薬に関しては他の作家さんの小説にもそんな扱いで書いてあったなと思い出したりした。最初に亡くなった人の性格がよく分からなかった。登場人物が学生に見えなかった。バンド関係者が「探偵」した人...続きを読むと以前会っていると言った発言をしているが、それも本になっているのかな。
新装版では冒頭に歌野晶午さんのコメントがあり、島田荘司さんのあとがきがあり、内容と共に豪華です。
Posted by ブクログ 2017年07月14日
酷評が多いけれど、私は楽しく読ませて頂いた(*^^*)
島田荘司さんの薦もとても楽しく読ませて頂いた(*^^*)
トリックはかなり早い段階で気づいてしまったが、犯人は全くわからなかったし、色々想像出来て読んでいる間中楽しむことができた。
とにかくこういう設定が大好きだ!
Posted by ブクログ 2016年11月07日
本作は歌野さんののデビュー作で、「誰が、なんで、どうやって殺したのか」が
メインとなっている、王道ミステリ。やっぱこういうのでなくっちゃ!
誰が主人公なのか分かるまでは、そして主人公が主人公らしくなるまでは、
視点が落ち着かず、誰の目を通して物語を見たらいいのか分からず、
ちょっと読み進めるのに苦...続きを読む労したけど、けっこう楽しめたかな。
トリックは分かってしまったし
(『ケイゾク』あたりで使われていたような・・・)、
ここはひっかけだなーってところは分かってしまったけどね。
本作は1988年にノベルス版で、1992年に文庫版で刊行されたものの
新装版なので仕方のない部分もあるね。上記の頃に読んでたら
わたくしの感想やミステリへの好奇心はまた全然違っただろう。
『白い家の殺人』『動く家の殺人』と続編もあって購入済みなので
どっぷりと歌野ミステリにつかってしまおう。
Posted by ブクログ 2024年02月25日
ハウダニット(どうやったか)とフーダニット(誰がやったか)が焦点となります。
あんなに伏線があったのに、全く予測不能でした。
1988年に発売された、歌野さんのデビュー作です。
Posted by ブクログ 2023年09月17日
タイトルの場所だけでなく、別の場所でも殺人がおきる。
これは1回目が原因なのだが、結局わからなかった。
なかなか面白い作品です。ただ、それにも増して作者のデビューのことが載っている解説が興味深い。
消失死体がまた元に戻る!? 完璧の「密室」と「アリバイ」のもとで発生する、学生バンド“メイプル・...続きを読むリーフ”殺人劇――。「ミステリー史上に残ってしかるべき大胆なアイデア、ミステリーの原点」と島田荘司氏が激賛。この恐るべき謎を、あなたは解けるか? 大型新人として注目を浴びた鮮烈なデビュー作。
Posted by ブクログ 2023年04月28日
トリック自体はすぐに見抜け、犯人も早い段階で分かってしまった。特に、第二の殺人が、あまりにも第一の殺人の舞台に似ていて、トリックがほとんど丸出し状態だった。
それでも、とても楽しめた。デビュー作ならではの荒削りな感じや、トリックを完全に隠しきれていないところなども含めてよかった。
わたしはミステリ...続きを読む作家では、島田荘司が一番好きなのだが、その島田先生が太鼓判を押した作品というだけあって、斜め屋敷や占星術にみるような大胆なトリックが何よりも好みだった。
Posted by ブクログ 2023年01月15日
連続歌野晶午。デビュー作ミステリ、すごいまともで驚いた。バンドを舞台にしてたり、曲の蘊蓄がチラついたり、オチに向かう部分なんかも若さを感じる。作者の解説にもあるように、確かに直したくなるかもな、とも思える。島田荘司のあとがきが面白い。
Posted by ブクログ 2022年10月18日
『葉桜の季節に君を想うということ』やアンソロジーの短編で、すっかり「だまされた。」ので、著者の処女作(ただし新装版)を読んでみた。
密室トリックあり、動機と絡む暗号ありと、読んでいるうちに続きが気になってくる作品であったが、肝心の密室トリックは、詳細はともかく、はじめからだいたい察しがつく。警...続きを読む察は、冤罪上等の無能に描かれているが、いくら何でもトリックの核心に気づかないわけはないと思う。
終盤に出てくる探偵役の信濃譲二は、個人的にはあまりに好きになれないが、島田荘司の「薦」を読んで、そのキャラに著者の反骨精神が反映されているとわかり、納得した。この点も含め「薦」は興味深かった。
Posted by ブクログ 2022年09月11日
歌野晶午さんのデビュー作を読んだ。本格的なものからライトなものまでミステリーが身近になった昨今では、本作のメイントリックはもはや真新しいものではないが、それが露見しないための種々の細工については実に丁寧だと感じる。本作のもう一つの肝はホワイダニットで、犯人が動機について語り終えたあと、プロローグを読...続きを読むみ返すと面白い。こういう仕掛けが歌野さんらしい。もう三十年以上前の作品だが、古臭さを微塵も感じさせず、テンポがよく読みやすい。作中でベルリンの壁が出てくると、当時はまだこれが健在だったのだなあと時代を感じた。
Posted by ブクログ 2022年03月28日
うーんまあデビュー作らしいのでまあこれはこれとして。確かに奇想天外なトリックだが、感想は衝撃!というよりも『ほへー』って感じ。やっぱり私は叙述トリックの方が衝撃度が高くて良いのかも。こういうしっかりしたやつは正直あんまり謎解きに参加できないので。
Posted by ブクログ 2022年02月19日
歌野晶午さんのデビュー作ということで読んでみました。
荒削りだけれども、悪くはないと思います。
「若さと勢いで書ききった」とのご本人の言葉通り、技術的なことなど未熟な印象を受けてしまったことは否めません…
でも、こういうものを書きたいという熱意は十分に伝わってきたし、初めての長編小説としては上出来だ...続きを読むったような気がします。
Posted by ブクログ 2022年01月09日
叙述トリックで有名な作者だからこれも…?と思ったらオーソドックスな、デビュー作らしい作品だった。
トリックは昔の作品だからか既視感のあるトリックで、予想の範囲内だった。
結構運任せなような…そして2人目の方は無理があるくない…?長い家じゃないし…?そこはフィクションだから目を瞑らなきゃいけない?
...続きを読む
戸越が始まりから、なんか嫌なやついるなー、時代が時代だからこういう奴も愛されキャラなん?と思ったらさっさと退場して、やっぱ終始嫌なやつだった笑
譲二という探偵役は、うまくつくったなあと思う。
作品全体としては物足りないけど嫌いじゃない。
これがデビュー作とかじゃなく、そして絶賛されてたら☆2つだけど、、という甘めな評価。
Posted by ブクログ 2021年08月27日
10数年ぶりの解読。
途中でトリックを思い出して、こんな内容だったなあと振り替える感じ。
壁を偽装して部屋移動させたように見せるトリック。
こんな大がかりなトリックで本当に騙させるか?とちょいツッコミたくはなった。
あと、エピローグが恋人に宛てたような手紙の末尾で マリへ と出てくるがこれが...続きを読む作中のマリに宛てたものではなく、 マリファナに宛てたものだったとは笑
Posted by ブクログ 2021年02月20日
歌野晶午の原点を、と思いストックされていたこちらの作品。どうせなら新装改訂版を読みたかったので長らく積読本と化しておりましたがやっと巡ってきてくれたので早速読んでみた。
一直線の長い廊下に連なるいくつもの部屋、1度消えて再び現れる死体。「愛」を感じるプロローグとの繋がりの読めない不明な展開。
そし...続きを読むて2度目の類似した殺人事件。
登場人物に動機らしい動機が全く感じられず、最早本当に泥棒の仕業か!?!?なんて萎え一直線の推理に到達しましたが、なるほどこれは読めない。
風来坊の元メンバーの登場に戸惑い、ギャンブルなトリックに小首が捻れ、動機に口が尖った。
曲の中に隠されたメッセージの難解さとそれを実行した本人のひねくれ具合に同情心を削がれ、謎のミラクルが重なりミルフィーユと化した完全犯罪に頭を抱える。「〜だぜ」の話し言葉にニヤニヤする。
あれ、ツッコミ含め凄く楽しんでいるではないか。
この粗さが過去作を読む醍醐味であり、聖地巡り パワースポット しかり原点を見た事に満足感。
これから出逢うであろう著者が作りあげた沢山の驚きが待ってると思うとワクワクします。
Posted by ブクログ 2019年02月04日
歌野晶午さんのデビュー作。
探偵信濃譲二が初めて出てくるのもここ。
開始数ページで登場人物の関係や性格などがわかるようにまとめてあるのはお見事。
トリックはなかなかダイナミックだが、前半に全てのヒントが書かれており、フェアな作家だと感じる。
Posted by ブクログ 2017年10月30日
『長い家の殺人』が出てすぐ読んでたなーと懐かしさを覚えて再読。
よくトリックってすぐ忘れるのだけど、さすがに覚えてた。
島田荘司さんのあとがきが面白かった。
Posted by ブクログ 2017年10月24日
歌野晶午氏のデビュー作と知って。
初々しい。
何となく部屋を勘違いさせたんだろうとは思い至ったけど、館モノはもうほぼトリックが出尽くした観がある現代の地点で、約30年前に成立した本作品の感想を書くのは、作者にとってフェアじゃない気がする。当時読んでたら新鮮だったかもしれないから。
地の文は三人称...続きを読むだけど、最初は戸越の視点で書かれてて(戸越が主役のような書き方をしていて)、そしたら早い時点で殺されちゃったので、すごく面食らった。
あと、すでに他の本の登場人物として知っていた信濃譲二の名が出てきて、デビュー作からのキャラクターだったことにビックリした(従って彼が探偵役なことも判ってしまった)。そういう、初筆だからこその意外性が味わえる作品だった。
信濃譲二のキャラは、学生の身分の方がしっくり来るよね。一年中タンクトップでも、たまにそういうおかしな学生いるもん。そういう意味で無理のない設定だった。
戸越の残した曲、よくあれが暗号だったって気づいたよな…あれ解けなくてもあまり支障なかったように思うけど。
なんだかんだと、割と作品世界に入り込んで読めた本ではあった。
島田荘司のあとがきが良かった。
(歌野氏も京大ミステリサークル出身だと勝手に思い込んでた。事実を知れたのは良かった)