あらすじ
消失死体がまた元に戻る!? 完璧の「密室」と「アリバイ」のもとで発生する、学生バンド"メイプル・リーフ"殺人劇ーー。「ミステリー史上に残ってしかるべき大胆なアイデア、ミステリーの原点」と島田荘司氏が激賛。この恐るべき謎を、あなたは解けるか? 大型新人として注目を浴びた鮮烈なデビュー作。
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Posted by ブクログ
勢いのある歌野さんのデビュー作。犯人や、トリックを考えながら読み進めるのはとても楽しく、読みやすい一冊だった。プロローグの”マリ”の伏線が面白かった。そう、"マリ"。
Posted by ブクログ
新装版で再読(笑)殺人が2つも起きたっけ?(笑)トリックは分かりやすく単純だけど面白いと思います(笑)探偵役の登場が少し遅いかな〜。もう少し早く登場してあーでも無いこーでも無いって推理してくれる方がいいな〜(笑)それに性格が(笑)まあちょっと変わってますね(笑)巻末の島田荘司が良いです(笑)すごいですね〜(笑)歌野さん(笑)
Posted by ブクログ
歌野晶午のデビュー作。巻末に島田荘司の解説付き。
行動力すごいな!とびっくりした。すごい……。
大学生のロック・バンドが晩秋の湯沢で合宿し、そこで殺人事件が起きる。
解決しないまま、メンバーが欠けた状態で解散ライブを行うと、
そこでまた殺人事件が起こり、バンドを数年前に抜けて渡独していた元メンバーが帰国し、謎解きをする……
出だしの意味ありげなコードと歌詞が気になりつつも、
「コードが読めなくてもまあいいわ」と読み進めていったら、暗号!
しかも、犯人も誰もわかっていなかった暗号!
関係ないわけなかった!あんなに意味ありげだったのに!
CDEFGをハニホヘトに読み替えるだけで、セブンスは単純に7つ飛ばしで読む、
という意味なんだから、単純な暗号だと思うんだけど、
「コード苦手、まあいいや」で飛ばしてたらそりゃ解けないわけよ。
ちゃんと調べてみればよかったー。
トリックとしては、なんというか、島田好みの物理トリックで、
こういうのやっぱり好きだわ!って思わせるんだけど、
2番目の殺人、さすがに部屋数少なすぎなのでは……。
ちょっと無理ありすぎなのでは……。
学生運動の続きのような気分で爆弾作って捕まった過去のある人が四六時中
警察当局に目をつけられているような描写とか、ベルリンの壁がまだあるらしい描写とか、
とにかく警察って嫌われものだったのかなという感じとか、
1988年発表の時代の雰囲気がリアルで面白かったな。
Posted by ブクログ
大学でバンドを組んでいた6人は、ラストステージの練習のため、湯沢にあるロッジで合宿をしていた。午後8時頃、メンバーの一人である戸越が酒に酔ったため、しばらく横になるから、麻雀の時間になったら起こすように言い、部屋に戻った。しかし、午後9時頃戸越を呼びに行くと部屋にはおらず、不思議なことに荷物も全てなくなっていた。メンバーはロッジ内を捜索し、午前2時、7時にも再び戸越の部屋を覗いたが、そこには何もなかった。
しかし、14時に戸越は遺体となって部屋で発見される。このことと、死亡推定時刻の状況から、犯人は、戸越を前日の8時から10時ごろに殺害し、一旦どこかに移動させて、翌日の7時過ぎから発見される14時までの間に遺体を戸越の部屋に戻したものと思われた。死亡推定時刻には、メンバー全員が少しの間一人になる時間があったが(トイレや風呂等)、80キロを超える戸越の遺体をどこかに隠すだけの時間はなく、犯人ではないと考えられた。
その死から約半年後、バンドのラストステージ中に控室でメンバーの三谷が殺害される。この事件でも、三谷が暫く行方不明となってから発見されたため、戸越を殺害した犯人と同一犯であると思われた。メンバーの市之瀬は友人で頭のキレる信濃にこのことを話し、生前三谷が気にかけていた2枚の写真を見せたところ、信濃は殺害トリックを見破る。
それは、戸越が殺害されたロッジは、部屋が15部屋横に並んでおり、戸越の部屋は一番奥の壁側であったということ、部屋の名前があまり馴染みのないギリシャ文字であったことから、人間の心理として、あいだの文字(例えば8番目)が飛ばされていても気づかないことを利用して、一時的に部屋のプレートをずらし、14番目の部屋と15番目の部屋に壁を作ることで、15番目の部屋を消してしまうというトリックであった。このトリックは、数分で完成させられ、また、遺体を一時的に移動させるという必要がなくなったということから、メンバーの犯行は可能であったという結論になる。このトリックは、三谷が気にしていた2枚の写真が、それぞれ14番目の部屋と15番目の部屋で撮られた写真であり、背景の雑木林が微妙に異なっていたことが証拠であり、三谷は不運にもこの点を犯人であるメンバーの武に相談したため、殺害されたのであった(なお、戸越を殺害した理由は、武がマリファナを使用していたことを知られ、それを理由にしつこく脅されていたからであった)。
歌野氏が本格派の代表者であることは知っていたものの、仕事で忙しくて読むことができずにいたが、連休を利用して歌野氏の作品に触れることができて満足している。
本作のトリックは、部屋のすり替えトリックで、ミステリーには定番のものであるが、筆者の物語や文章の巧みさから、早く読みたいという衝動に駆られてしまい、トリックを全く予想できなかったことを反省している。内容は非常に楽しめた。
Posted by ブクログ
トリック自体はすぐに見抜け、犯人も早い段階で分かってしまった。特に、第二の殺人が、あまりにも第一の殺人の舞台に似ていて、トリックがほとんど丸出し状態だった。
それでも、とても楽しめた。デビュー作ならではの荒削りな感じや、トリックを完全に隠しきれていないところなども含めてよかった。
わたしはミステリ作家では、島田荘司が一番好きなのだが、その島田先生が太鼓判を押した作品というだけあって、斜め屋敷や占星術にみるような大胆なトリックが何よりも好みだった。
Posted by ブクログ
叙述トリックで有名な作者だからこれも…?と思ったらオーソドックスな、デビュー作らしい作品だった。
トリックは昔の作品だからか既視感のあるトリックで、予想の範囲内だった。
結構運任せなような…そして2人目の方は無理があるくない…?長い家じゃないし…?そこはフィクションだから目を瞑らなきゃいけない?
戸越が始まりから、なんか嫌なやついるなー、時代が時代だからこういう奴も愛されキャラなん?と思ったらさっさと退場して、やっぱ終始嫌なやつだった笑
譲二という探偵役は、うまくつくったなあと思う。
作品全体としては物足りないけど嫌いじゃない。
これがデビュー作とかじゃなく、そして絶賛されてたら☆2つだけど、、という甘めな評価。