あらすじ
九州から東京の一軒家に越してきた夫婦。間もなく妻が「誰かの目を感じる」と訴えだした。原因を探る夫がネットから見つけてきたのは、かつてその家で、凄惨な一家惨殺事件が起こったという記事だった。その日から、妻の様子がおかしくなり…。(「転居先不明」)密室で発見された主婦の死体が思わぬ事件を暴き出す表題作など、5つの「家」にまつわる人の悪意と謎。読者の予想を必ず裏切る、衝撃のミステリ!
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Posted by ブクログ
短編なのに、どれもここまで展開できるのかという秀逸な作品ばかり
どの作品も短編とは思えない濃い〜内容でめちゃくちゃ楽しめました
歌野晶午さん何者すごい
どうせまたしばらく経ったら再読しそう
Posted by ブクログ
面白かった。いずれも家に関するミステリー短編。どれも後味が妙に悪く、良いことになるとは到底思えない(ミステリーって大体そうだと思うけど)
どれもその後の展開が気になるような終わりになっていて、それぞれどんな生活を送ることになるのか、すこし妄想が捗るなと思った。
Posted by ブクログ
「家」にまつわる、ミステリーの短編集。
後味スッキリな話は皆無で、でもイヤミスというほどではない。ギリギリ、読み終わった時にため息一つで済む感じ。
表題作である「家守」は、一つの殺人事件が解決したと思ったら、殺された主婦に実は秘密があり‥当事者が死んでしまって、あららこの後大変だね〜という感じで終わる。程良いどんでん返し。
かくれんぼで見つけてもらえず、大きな洋館の中で白骨化してしまった小学生。山の中の村で住民のために働く医者が偽医者だと知り、強請ろうとして返り討ちに遭ってしまう青年。破格のアルバイト料に釣られて、不幸な事故で命を落とす若者。そして不謹慎なんだけど、妻に手の込んだイタズラを仕掛けて怖がらせ、気付いた妻のささやかな仕返しで運悪く死んでしまったダンナの話しはちょっと笑えた。
どの話も、メインの筋にもう一筋が、絶妙にからませてある。ふんふん、と読んでいて、え!となる。面白かった!
Posted by ブクログ
そこはかとなく漂う不気味さにぞーっとしました。
過去と現在と視点が変わる、あるいは現実と空想(妄想、幻想?)も描かれていて、不気味で、妖しくて、おぞましさ満点。
トリックなどはちょっと無理があるかな?とは思いましたが、それ以上に物語にひきこまれました。
文体がなんとなくレトロだし、設定も昭和の作品もあり、そこがまたこのミステリをより魅力的にしているのかなぁと感じました。
Posted by ブクログ
歌野さんが描く「家」にまつわるミステリ短編集。どの話も奇妙でスリルがあってページを捲る手が止まらない。
最初の「人形師の家で」はピグマリオンの話から不気味さを醸し出し意外な結末に。「家守」では自動殺人装置のトリックを当日の天候に違和感を感じたところから暴かれる。「埴生の宿」は認知症の高齢者介護の高給バイトを引き受け、そこから思わぬ展開に。「鄙」も完璧なミステリ。まさかの犯人?「転居先不明」はプロバビリティーの犯罪。いわゆる未必の故意。一番好みでラストも秀逸だった。
歌野さんの本に間違いはないな、と著作を読むたび思う。
Posted by ブクログ
人の住処がテーマのミステリー短編集
「全然推理できない」謎を解き明かしていくのではなく「分かりそう」な内容で確実にミスリードされる
最終的には「こういうことっぽく見えるけど、絶対違うんだろうなー騙されてるんだろうなー」と逆張りしながら読むことになる
Posted by ブクログ
短編小説。
トリックがちょっと有り得ないと思うものもあったが楽しかった。
1番最初の「人形師の家で」が1番良かった。
・人形師の家で ★★★★
屋敷に住むおじさんの異常な話かと思ったら、私とゴッちゃんの秘密の話だった。
一見怪しそうなおじさんと、一見普通に見えるゴッちゃん。
秘密を隠したい気持ちは分かるなーと。
・家守 ★★★★
どんな話かと思ったら刑事ものやった。
掃除機を使って酸欠にするとかちょっと有り得ないと思ったけど、笙子が家を離れない理由が1番の肝やった!
・埴生の宿 ★★★★
面白かったー!
村山(小松)が和希を殺したのかと思ったら事故だったとは。
ちょっと有り得んかもと思ったが、面白かった。
・鄙 ★★★
瀬戸山先生、怪しいなと思ったらやっぱり。
けどまさかどんでん返し系で犯行が分かるなんて。
日良谷っていう地は温泉あったり田舎の環境が良さそうだが、反面田舎や村のマイナス面も感じた。
・転居先不明 ★★★
うーん、期待し過ぎたかも。
結局、奥さんが感じてた視線ってのは喋り方が訛ってたから?!
旦那の心霊的なイタズラはちょっと楽しそうで、私も誰かにやりたいかもと思った笑
Posted by ブクログ
全て「家」に関する短編ミステリー集。
短い中にしっかりとミステリーが入っているので楽しめました。全話オチにやられます。
さすがは歌野さん。
「人形師の家で」の雰囲気が良い感じでした。「転居先不明」の夫には本当にイライラしたので(こんな人いそうだな)結末にスッキリ!!
Posted by ブクログ
10年以上前に同著者の『葉桜の季節に君を想うということ』を読んだとき、これが叙述トリックというものかと感嘆し、あまりに見事に騙された自分が可笑しかった。その印象が強いけれど、これは叙述トリックではありません。
短編5つ。どれも自分あるいは誰かの居場所を歪な形で守る人たちの話。表題作よりもむしろ惹かれたのは『鄙』。良くも悪くも結束した僻地の村の様子は、実際にあるかもしれないと思わされます。「警察は社会秩序の維持に努める組織であって、真実を追究する組織ではない。ある人物を逮捕することで事態が収束し、失われた秩序が回復するようなら、その人物が真に犯人である必要はない」という一文は、残念なことだけれども核心をついている気がしました。
この『鄙』で謎を解き明かす恭一は、弟を語り手にして官能小説作家探偵としてシリーズをつくれそうですね。
Posted by ブクログ
「家」にまつわる短編集。「家守」の最期の謎は伏線が出てきた時点ですぐわかった。あのトリックも他で見た気がする。「転居先~」の夫は自業自得、奥さんは気の毒だけど。
Posted by ブクログ
「家」をテーマにした短編小説集。それぞれにどんでん返し的展開があり、サクサク読めて面白かった。
一番好きだったのは最後の話かな。密室殺人の話は、「そんなことできるのか・・・」と思ったけど。
何作か読んでみたい作家さん。
Posted by ブクログ
結構無理のあるトリックだ…しかし可能性は0ではない!後は圧倒的筆力でぐいぐい読ませる短編集。
普段登場人物に感情移入したい質なので短編集は読まない派なのですが、家に読んでない本が枯渇&次の日から出張なので「新幹線で退屈してしまう!」と焦り、閉店間際の本屋さんであらすじチラ見で購入したら短編集。
短編1話にどんでん返しやらトリックが2回はあるのでそこも飽きさせないというかもったいないじゃないですか長編でも読みたい!と思いました。
Posted by ブクログ
家をテーマにした短編集で『密室殺人ゲーム』ほどのトンデモ感もなく、『葉桜の季節に〜』ほどのどんでん返しもなく、どの話もさらりと終わっていく。歌野晶午の文章は読みやすいと感じるのでそれに助けられた感じがする。
Posted by ブクログ
久々の歌野さん。家にまつわる5つのお話。一番最後の「転居先不明」が何か一番残ったなあ。途中までホラーかな?と思っていたら、そんなオチか!と。殺人事件の経緯・詳細はすごく興味深かったし、どう絡んでくるのかなあと思っていたら。プロバビリティーの犯罪って怖いな…。歌野さんということで最後の超どんでん返しを期待したけど、どのお話もまあまあなオチ…という感じでした。
Posted by ブクログ
短編ミステリー5編
「人形師の家で」
山の上にある洋館には近づくな…
大人達に内緒で遊びに行くようになった男児3人がかくれんぼの最中に一人が神隠しに?
「家守」
ある住宅でナイトキャップが顔を塞ぎ窒息し死亡するという事件が…事故か殺人か?
「植生の宿」
認知症の老人と同居し話相手になるだけ?
高額なバイト代に釣られた青年の転末は…
「鄙」ひな
知人に教えられ山の中の集落に旅行にきた兄弟
滞在中に知り合った男が自殺した!?
「転居先不明」
東京の一軒家を激安で購入した夫婦
ある日から妻は視線を感じ追い詰められていくが…
どの話も事件が起こり、捜査というより解説調の謎解きが始まるという構成。
それがちょっとした意表を突いたトリックで面白い
歌野晶午さんはたぶん始めまして?
こういう作風なのかな?
5つの家にまつわる人の悪意と謎…
「家にはもう帰れません」って煽り文句はちょっと大袈裟じゃないかい?
Posted by ブクログ
【2024年186冊目】
人形師と消えた友人、妹を待ち続ける姉、記憶を失った老人、村落での殺人、視線に悩む妻。悪意が引き起こす5つのミステリー短編集。
いや、ホラー小説ちゃうんかい!
ええ、私が悪かったですよ、いつもあらすじ読まずに読み始めるので今回もそうして読み始めたわけです。でもさ、でも、表紙に「これを読んだら、家にはもう帰れません」とか書いてあったら、「ほほう、家に纏わるホラー小説か…?」って思うじゃないですか。いや、帰れるが?大手を振って帰るが…?
ということで、ホラーじゃなくてミステリーなので、家は舞台装置でしかなく、家自体に怖い要素はありません。安心してください。怖いのは人間です、やっぱりな、そりゃそうなのよ。
ミステリーとしては秀逸な内容が多かった!という印象です。1作目は「えっ、ここで終わり?」って感じでしたが、2〜5作目は綺麗な終わり方だった気がします。
けどあの表紙はダメでしょ角川さんよぉ!
Posted by ブクログ
これを読んだら、家にはもう帰れません。の言葉に釣られ読んだので思っていたのとは違くて軽くショック。ホラー的なのを想像していたためがっかりしたが純粋に楽しめた作品もいくつか。
Posted by ブクログ
5編の家に関する短編。
Wカバーっていうの?カバーが2枚付いてるもので、帯の役目をしているんですが
それに
「残念なお知らせ これを読んだら家にはもう帰れません」
って書いてあって
そんなに怖いの?
ってドキドキして読んだのですが、大丈夫です。帰れますww
5編とも秀逸な謎解き!!
こういうのって読みながら「どうせ〇〇なんでしょ?」なんて思うんだけど、
そしてそれが大体そうなるんだけど、さらにもうひとつ!!ってところが
全部面白かった。
「埴生の宿」なんて読んですぐに友達に話してしまった。
ホラーじゃなくてよかった。
Posted by ブクログ
家にまつわる怖い話、事件の話
期待していた以上に話が練り込まれていて、話の真相が想像の一歩上を行く感じが心地よくて一気読みした。
短編集だったためか満願を思い出した。3.7
Posted by ブクログ
「家」にまつわる5篇からなる短編集。
「人形師の家で」
「家守」
「埴生の宿」
「鄙」
「転居先不明」
短編ながらもしっかりとしたプロット、大胆なトリックもあったりで、各話ともそれなりに楽しめましたが、「読者の予想を必ず裏切る、衝撃のミステリ!」っていう謳い文句に、期待値が上がり過ぎてしまった感が否めません。
Posted by ブクログ
結構話に当たりハズレがあるけど、総じて面白かったのではないでしょうか?転居先不明もそうだし、植生の宿の切なさも悪くない。私はあんまりミステリーはトリックうんぬんよりも、そういう過程とか動機とかドラマに興味があるので、そういう部分がフォーカスされてる話は面白かった
Posted by ブクログ
「家」をテーマにした五編のミステリー。どれも後味は悪いがミステリーとしては楽しめた。
「人形師の家で」
冒頭、人形師と彼が造った女性の人形との夢とも幻想とも現実とも分からないシーンがある。その後、主人公の青年がかつて住んでいた町に戻り自身に関する秘密の確認をするのだが、それが冒頭のシーンにこうした形で繋がるとは。一番罪深いのは…。
「家守」
密室トリックは散々読んできたが、これはちょっと斬新。力業という感じもするが面白い。しかしタイトルからしてもメインテーマはそこではなく、被害者がなぜ頑なにその家を離れようとしなかったかという物語。何とも暗澹たる思いにさせられる。
「埴生の宿」
記憶が混乱しているらしい老人視点と、その老人の若き頃の息子になりすますバイトを引き受ける青年視点とで展開する話。この作品のみ悪意は存在しない。親が子を守りたいという本能と、生存本能と、ちょっとした保身とが悪いように重なりあってしまった。この屋敷、実際に見てみたい気もする。
「鄙」
『あまりに辺鄙な場所』を旅した兄弟が遭遇した、同時期に帰省してきた男の首吊り自殺に見せかけた殺人事件。兄が解決したものの、数年後に実は違う真実があったのではと気付く。
横溝正史先生の『獄門島』を思い出した。トリック以上にその動機、心理状態、このコミュニティならではの状況に印象が残る。
「転居先不明」
九州から東京の一軒家に越してきた夫婦。遅れて移った妻は間もなく誰かの視線を感じると不安を訴える。やがて夫はその家で過去に凄惨な事件が起きていたことを突き止めるのだが、夫は転居することを面倒臭がり妻はますます不安と不満を募らせる。
読んでいくうちにそういうことかな?という気はしたが、やはり気分は悪い。結果ブラックジョークなオチになっているが、こんなことしなくても…という気持ちでいっぱいになる。
直接的な意味での「家」から広義的な意味での「家」まで、人が「家」を守るための様々な闘いを見せられた。その印象や感想も様々。滑稽なものから切なかったりゾッとするものまで。しかし本人たちは至って真剣なのだから笑ってはいけない。
Posted by ブクログ
短編集。家にまつわる5篇の話が収録されている。比較的書かれたのが古い話が多かったので事件のトリックやら構造などはわかりやすいものが多かった。それでも表題作でもある「家守」や「埴生の宿」などは情感たっぷりに書かれておりミステリとしても面白いが普通の文学として読んだ場合でも面白いと思う。気に入ったのは歌野先生らしいオチがついた「転居先不明」かな。
Posted by ブクログ
読み応えあり。おもしろい。
どの話も終わりが唐突な感じだった。真実は白日のもとに晒されず、読者しか知らない事実もあり。家守はどこかでよんだことのありそうな話だった。
Posted by ブクログ
家を軸にした5つの物語
何かいつも見られている気がする。と妻は夫に相談する。
その原因、夫が東京で破格値で買った一軒家は昔一家惨殺事件があった家だった。
それ以来妻は物音が聞こえ、見えないものが見えるように。もう限界というところまできていた…。
表題の「家守」も面白かったが最後の「転居先不明」が一番読み応えがありました。
Posted by ブクログ
家にまつわる話で、すべて見事なトリックです。
何とも言えぬ読後感を与えるのは意図的なものだろうし、短編集として完成されていますね。
面白くてぐいぐい読ませます。でも歌野さんの実力を考えると、普通の作品集となってしまうのかな。
すごいですね。
Posted by ブクログ
読みやすく、且つ1つ1つの物語がとても面白い。短篇なんだが、その一篇ずつで長篇を書いてもらいたいなと感じた一冊。もしかすると短篇だから良いのかもしれないが。
短篇ミステリーが苦手な方も、これはオススメしてみたい