あらすじ
夏休みのたびに私は母の実家がある田舎へ行った。新鮮な山海の料理に、いとこたちとの交流。楽しい夏の日々だ。あの部屋にさえ入らなければ…。(「死面」)理恵が合コンで出会い、付き合ったのは、容姿はよいがかなり内気な男。次第に薄気味悪い行動を取り始め、理恵は別れようとするのだが…(「殺人休暇」)。平凡な日常の向かう先が、“シアワセ”とは限らない。ミステリの偉才が紡ぎだす、小説的な企みに満ちた驚愕の結末。
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Posted by ブクログ
タイトルの通りオチが全てバッドエンド。
先入観で読んでいると最後の数ページで驚かされる。
読み始めるとどんどん先が気になって直ぐ読めてしまった。
私の中では「おねえちゃん」が1番怖かった。全ての物語に言えることかもしれないが、人の捉え方次第で善意や悪意のないことでも真逆になったりするんだと人との関わり方は難しいなと感じた一冊だった。
Posted by ブクログ
面白かった。
ハッピーエンドじゃないお話の短編集。
ハッピーエンドじゃないとわかってて読むから、それ
以上それ以外のものを期待してしまうけど、裏切られ
ない。
『おねえちゃん』
年齢を考えると、勘違いも許せてしまうんだけど、あれ
はないわ。怖い。
『サクラチル』
最後まで読んだ後すぐに最初から読み返してしまった。
『天国の兄に一筆啓上』
手紙。亡くなった兄への心温まる手紙と思いきや…
『消された15番』
この母親の悔しい気持ちはよくわかる。何でもないよう
に見える日常の一コマが誰かの大切な一瞬を奪っている
こともあるんでしょうね。皮肉な結末です。
『死面』
まあ、そうなるよね。
『防疫』
幼少期には酷く同情したけど、その結果がこの子の人格
なのかもしれない。理由が「防疫」ってのがね…怖い。
『玉川上死』
親のジレンマ。
『殺人休暇』
最後の一行に「そう来たか」と思ったけど、この話、少
し切なく感じた。もっと早くからしっかり話していたら、
ストーカー的行動もなく、もしかしたら良い友人になれ
たかもしれないと思った。生きていて欲しい。
『永遠の契り』
めちゃくちゃ短いけど、インパクトは大きい。
ミツルの願いが叶って(?)、苦く笑ってしまった。
『In the lap of the mother』
お前もだよ、とひとこと言いたくなるお話。
『尊厳、死』
最後に、そうだったのね…と思ったお話。
フジエダと中学生に違いはあれど、どちらも「価値観の
違う人間」に対する態度というのは興味深かった。
Posted by ブクログ
ホームレスは男だという先入観が強すぎる
脳をそろそろアップデートしないと
行為に夢中で焼け死んだカップル
哀れすぎるけど幸せの中逝ったのか
ほどよくよくない後味
節が効いていた
Posted by ブクログ
寝る前に一つずつ話を読んでいましたが、面白くて続けて読んだりもしました☺️
ハッピーエンドではないからこその意外さや感慨深さがあり友達にもオススメしてかしました!
Posted by ブクログ
全部アンチハッピーエンディングと聞いて、そんな本があるの!?と気になって読みました。
今のところまだハッピーエンドになりうる、、と思って読むと見事にアンチハッピーエンディング。
不思議と後味の悪さとかはなかった。
叙述トリックが大好きな私は「サクラチル」と「尊厳、死」がどんぴしゃでした。この2作品は読み終わったあとに、あの文もあれもそれも、そういうことだったのか、ああーってなって読み返しました。
「防疫」「In the lap of the mother」の2つは特に、現代でも起こりうる、むしろ現代だからこそ起こりうることだなと他人事ではないような気がしました。何気なく見逃しているニュースにも私たちの知らない報道されないようなところでも同じことが起きているかもなとゾッとしました。
個人的に「永遠の契り」は描写(女の子と男の子の学校生活など)が少なかったので、ほんとに両想いだったの?これも仕組まれてる??と思ってしまった。考えすぎ?笑
でもやかんの空焚きで火事って、、切ない、、、
他の作品も感想をあげたらキリがないのでそれは個人のまとめ用として別で記録します。
Posted by ブクログ
11作もの短編が収録されていて、どれもアンチハッピーエンドで新鮮だった。どれも面白かったが、「おねえちゃん」、「サクラチル」、「In the lap of the mother」、「尊厳、死」が好きだった。人の不幸を喜ぶ人には面白い作品だ。
Posted by ブクログ
個人的には防疫と尊厳、死が面白かった。
特に「尊厳、死」を読んで自分の先入観に気づかされた。これこそ歌野さんが書く私が好きな話だ!と感じた。
Posted by ブクログ
ハッピーエンドではない作品の方が興味を唆られます。
そういったきっかけでこの本を購入し暫く積読していました。
短編集なのでいざ読み始めたら読み終わるまですぐでした。
一編それぞれが読みやすく、どの話も不穏な空気を感じながらも予測できない結末で驚きもありました。
「防疫」「玉川上死」が特に印象深かったです。
Posted by ブクログ
アンハッピーエンドを集めた短編集。ただハッピーエンドでないというだけでなく、小気味良いオチが全作についている。
各作品、タイトルとの繋がりもわかりやすく面白い。
読みやすさはあるが、個人的には短すぎる作品もいくつかあった。
一捻りあるぞ!
基本的にはあまり短編は読まないのですが、この作品はどれも面白かった!
読み手の想像の上をいく感じでした。
読者を上手く別の方向に思い込ませて、驚かす作品なんかがあり、私的には十分に楽しめた!
Posted by ブクログ
ハッピーエンドを迎えられなかった11話が収録された短編集で、どの話も終始陰鬱な雰囲気が漂いつつも所々に見られる違和感がラストへ向けた伏線となっており短いながらも切れ味抜群だった。全部陰鬱なラストなのにさっぱりした読後感なのが奇妙だった。
Posted by ブクログ
前から気になっている歌野さんの作品を読んでみた。
どの作品も、ふぇ?!となる最後が用意されていて、歌野さん独特の趣向に満ちた作品ばかりでした。
!!!!以下とてもネタバレ含みます!!!!
•移住してきた老夫婦に隠された衝撃の事実(旦那でなく)がある「サクラチル」
•全てを捨てて育てた息子の晴れ姿を臨時ニュースで見逃す「消された15番」
•娘の小学生試験の無理矢理受験のイヤイヤな「防疫」
•ストーカー化した男からどうやって逃れられるかの物語「殺人休暇」
•パチンコ中毒母親が目を離して子供がパチンコ玉飲んじゃうブラックユーモア悲劇「In the lap of the mother」
•ホームレスが色んなものから今のままでいることを阻害される(実は女!)「尊厳、死」
この辺りの作品は、今後もきっと覚えていることになりそうなくらい印象が強いです。
Posted by ブクログ
短編集
いくつかの話の落ちに はっとさせられたものもがあったが、長い…と思う1本もあり
なんとなく言い回しが古く感じられるものがあったが 全体的に面白かった
Posted by ブクログ
タイトル通り後味のよくない短編集。
なのに面白い。
バッドエンドではなく、このアンハッピーエンド感がちょうど良い。
打ちのめされるようなショックの代わりに不幸な結末が用意されている。
全く予期せぬ展開に驚いたり、先入観にとらわれて騙されたりしながら、結局最後まで楽しんでしまった。
Posted by ブクログ
文章一つ一つに意味があり、丁寧に読みたい本。短編集ながら、人間の本質的な部分に迫った内容になっており、考えながら読むので中身がありすぎる。時代が少し古いので「保母」と言う言葉やジェンダーに関する感覚が今では違和感を感じるが、虐待など今も繰り返される問題と向き合い、知らない間に読者の心理が弄ばれ引きずり込まれる。読書というより、自分が当事者として実際に経験したような読後感。各短編の不気味な終わりかたがゾクリとして、それがまた良い。好き。
Posted by ブクログ
黒い…
ハッピーエンドがお望みの方は、
本書には手を出さないでください。
最初の「おねえちゃん」から
この時点で相談されても
自分が美保子だったらと思うと
絶望感しかない。
両眼の前を覆った手のひらの
指の隙間から覗き見する感じですかね。
なぜ読んじゃったんだっけ
大体は、ここのレビュー)SNSで評判が良い作品を読んでいるんですが、この作品は何で読んじゃったんだろう。タイトル通り、「アンハッピーな結末を集めた短編集」ってだけじゃない。中には読み進めるのもはばかられるイヤミスあり?全く、なぜ読んじゃったんだっけ、一気に読んじゃった。
Posted by ブクログ
タイトル通りの作品でした。
ただ、どうしようもなく辛くなることはなく、少し心が重くなるなぁぐらいの物語が多いです。
身近に起こりえそう、実際にありそう、な物語だという印象。難しい内容ではないので読みやすいですが、ドキドキ、ハラハラ、ゾッとすることはなく淡々と読み進んでしまったことが残念。ちょっとだけ暗い物語を読んでみたいという人にはいいかも。
Posted by ブクログ
これもまあ、個人的・夏のホラー特集。発表された年代は結構バラバラな短編集。氏の手になるアンハッピーエンド作品集となれば、それなりの品質が保証されているようなものだし、概ねそれは裏切られない。ただ、表題で結末の方向性を決定づけられてしまっている以上、そこまで意外過ぎる展開もまた期待しづらい訳で、その点では、どうしても物足りなさを感じざるを得ない。面白くはあったけど。
Posted by ブクログ
普段はどちらかといえばハッピーエンドを好むが、ひょんなことからこの本に出会い久しぶりに小説を読んだ。
短編集で読みやすく、しっかりオチがついているので満足度は高い。
タイトルのとおりバッドエンドしかないので後味が悪く一気読みすると少し暗い気持ちにはなった。
Posted by ブクログ
タイトルの通りの作品で、救いが無く読み終わった後もスッキリはしませんでしたが楽しく読めました。最後の話の叙述トリックは、この作家の別な作品を思い出しました。
Posted by ブクログ
残念ながら推理という点においては期待ない方が良い。大体が先の読めるものだから。
とはいえ、ただのアンハッピーエンド集ではなく、物語のあちこちに世の社会問題を取り入れているところは良かった。
それでも、星3つ。うーん、イマイチ。
Posted by ブクログ
「どんでん返し おすすめ」とかで検索するとヒットする作品で、前から気になっていたので購入。
「そうきたか!」と唸ってしまうようなどんでん返し、かといえばそうじゃなかった。ラストの数行でこちらの予想をある程度裏切ってくれるのだけど、自分の期待値は越えていなかったかな。
とはいえ、一定以上のクオリティは間違いなくあると思うので、買って失敗ということにはならないとはず。
可もなく不可もなくということで☆3つ。
Posted by ブクログ
おみごとです!
表題でおおかたの想像はつくのですが、その期待を裏切らないアンハッピーエンドの11連発。
あ…と軽いものから、おお!…と周到なものや、嗚呼…とやるせないものまでいろんなイヤミスが盛りだくさん。
短編集なので、通勤通学にいかがでしょう!と言いたいところですが、1日のスタートにこの世界観に浸ればどんよりすること請け合い。
「おはよう!」と声をかけてくれた友人や同僚に引き攣った笑顔を見せることになるやもしれません。
11話もあるのに、読後に各目次を振り返るとどれもストーリーをしっかり思い出せるインパクトある短編集になっていると思います。
個人的には
「サクラチル」
「消された15番」
「尊厳、死」
が面白かったです。
人の心はその人にしか分からない。そこにどんな深い闇が潜んでいるのかは、実は本人にだって分からないから怖いのです。
今年の4冊目