歌野晶午のレビュー一覧
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太平洋戦争末期、兵吾少年は加藤様の別荘の老婆に助けられたその夜、窓から忍び込もうとする鬼を見かける。
その後やってきた日本兵たちに起きる殺人事件。あるものは庭の虎の彫像の口にくわえられ、あるものは武者像の弓矢に貫かれていた。
果たして鬼のしわざなのか?老婆は安達ヶ原の鬼婆なのか?
真相は50年の後、直感探偵の手により明らかとなる。
というのが本編のあらすじなのですが、なにより構成にやられました。
4つのお話からできているのですが、まず
1・ひらがなカタカナのみ使用の子どもの絵日記風なある事件(ほのぼのイラスト付)
に肩透かしされ、いきなり次の話の
2・アメリカが舞台のサイコキラーの話
に一瞬 -
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表紙かわいい。こういうタイトルの映画ありましたね。内容は違うけれど。それはともかく、いつの間にこんなものを書くようになったのだろうというのが、いちばんの驚き。白い家とか長い家の名残はほとんどありませんね。いちばん問題になるのは、オチだと思うけれど、私はそれもありかなと思います。だって、途中で明らかに変だもの。4回だけお願いかなえてくれる券。みたいなのが登場した時点で、すわ、まったく新しい実験ミステリなのか?とおもいきやオチではそうではないことが判明するという。で、これまで付き合って読んできたのになによー。という気にもなるのですが、まあ、そりゃそうだわなという気にもなる。だって、作品に出てくる女
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Posted by ブクログ
2007/9/12~9/17
この本も6年前に出たものだが、ようやく読むことができた。チャーリーという黒人少年の記憶をもつ日本人、日下部晃士。突然、母親が殺人事件の被害者になってしまう。同じ年の義姉、麻衣とその犯人を追いながら、自らの記憶の謎に挑む。そこに天才少年が助っ人となって...と展開される。インターネットが大きな位置を占めているが、今となっては少し古い感じがするのはいたし方ないところ。いつものように詳細は、未読の人がいたら悪いので書けないが、なかなか良く考えられたストーリーだと思う。天才少年の生い立ちが...まあ、このあたりまででやめておこう。 -
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前世の僕はチャーリーと呼ばれ黒人でした。そしてある雨の晩にバロン・サムディがやってきて、僕のお腹をえぐり、僕は死にました。
そんな前世の記憶がある日下部晃士・16歳。彼は四年前にきょうだいになった麻衣と麻衣の母・和子、そして彼女(和子)と再婚した血の繋がった父・正隆と4人で平穏な日々を過ごしていた。
そんなある日、父あてに一本の電話がかかってくる。彼女の名は「堀井キン」彼女は晃士を父・正隆と間違い「あたしたちの子供のことで相談があるの」ととんでもない事を発した。
父が不倫?そんな思いを抱えたまま、晃士は彼女との待ち合わせ場所へ赴くが、会えなかった。朝帰りした晃士を麻衣は罵り、一旦は自宅を飛び出 -
Posted by ブクログ
チャットに集まった4人の登場人物が順番に推理ゲームの出題者(犯人)となり、残りの3人がその事件の謎を解く(探偵役)という展開が新鮮であり斬新で楽しめた。理由があって人を殺すのではなく、面白いトリックを思いつきそれを実践するために人を殺すという相当ぶっ飛んだ4人のチャットでの掛け合いが何故かほのぼのとした空気さえ感じさせ、まるで自分もそこに参加している様な気持ちになりつつ、徐々に主軸がチャットから現実にシフトしていく展開も良かった。
続編があるとは知らずあまりに唐突なラストに肩透かしを喰らったが続編次第では星が4にも5にもなりそうなお話でした。