あらすじ
人気絶頂の歌手ROMMYが、絞殺死体となって発見された。ROMMYの音楽に惚れ込み、支え続けた中村がとる奇妙な行動。一瞬目を離した隙に、ROMMYの死体は何者かに切り刻まれ、奇妙な装飾を施されていた―。一体誰が何のために? 天才歌手に隠された驚愕の真相とは。新本格の雄、歌野晶午の真髄がここに。
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Posted by ブクログ
本作はミステリー形式の人間ドラマという表現が適切かもしれませんね。
ミステリーやホラーに登場する遺体バラバラ事件はえてして猟奇的なものや恐怖を演出する為だけの場合が多いが、本作では重要な必然性がある点が他の類書と趣を異にする。
音楽を中心にした本作の金か芸術か?芸術家と芸人の違いはなにか?など身につまされるトピックスが描かれている。
小説という形式は時に優れた哲学書や啓蒙書以上のインパクトを与えることがあるが、本作もそういうタイプの作品だったと思う。
勿論ミステリーとしての醍醐味もあるが、それだけじゃない作品として多くの人にお勧めしたい。
Posted by ブクログ
このテーマをこの時代に設定して、本格ミステリーとして描いたのはすごい。
初期はいわゆるただ、名探偵が事件を解くという懐かしき本格でしたが、今の歌野晶午に繋がる。
本格は人間を描けないなんて言説はある意味、意味のないことだと思う。
Posted by ブクログ
95年発表の、歌野晶午のエポックメイクとなった作品の新装版。とにかくタイミングというのはやはり重要だなぁと思った。何故なら話の根幹はまるで容疑者Xだし、隠されていた重要なファクター(を軸に持ってきたプロット)も既視感がある。でも、それまでの信濃譲二シリーズから考えると確かに重要な転換となった作品に思う。構成が全く葉桜と同じだし…。ROMMYはLady GAGAを、FMはポールマッカートニーを思い浮かべながら読んだ。あと、新装版なのに誤植があってびっくりした
Posted by ブクログ
驚きは少ない。それは、時代が変わったからだと思う。発表当時に読んだらさぞかし衝撃だっただろう。時代が作者に追い付いた。先見の明があったんだろうな。
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ROMMYが殺害された。
サスペンスの為、早めに犯人はわかるのだが、犯人というか、解体者が何故、ROMMYの身体を切り刻んだか。
?と感じたところ全てが伏線となっており、最後の最後で、おお!となった。
ROMMY、不器用すぎるよ。
周りの人に対しての愛情をもっと伝えても良かったのではないのかな。
まぁ、しかし、一番可哀想なのは、何も関係なかったのに殺された真鍋睦子さんだよね。
Posted by ブクログ
B
知り合いに勧められたから
ROMMYという歌手が殺される話。
歌野2冊目。
もう一歩!
完成度が高い。著者のレベルは高いと感じるが、凄い!と思うにはもう一歩何かが欲しかった。意外性のない優等生作。
というか、サスペンスだからか?
ミステリというほど、謎解きはしていない。
もう一冊、著者の本を読みたい。
一捻りやクセを入れてきたら、この著者面白くなるなと思った。
Posted by ブクログ
殺人事件のトリック自体は拍子抜けするほど簡単なものでした。
ただ、本書の見所はその先にある「ROMMYは何者なのか」と、「中村がROMMYを支え続けた理由」にあります。最近のミステリーでは主流とも言えるオチでやや温い感じでしたが、表紙や死体解体の理由、そしてROMMYの歌詞をも真相に絡めるところは流石だなと思いました。力作だと思います。
Posted by ブクログ
今読み終えると「おお!」って話だけれど(驚いているんだよ)、でもこれが元々出版された95年だと「おおおぉぉぉ!???」となっていたんだろうか。
いやー。私はもう最初のビックリで「え?どういうこと?」ってなってましたよ。最後まで驚かされた。
Posted by ブクログ
カリスマ歌手ROMMYがスタジオで殺された。
その日海外大物アーティストの収録があったため
スタジオの出入りはタイトに警備され
非常口はオートロックである。
つまり外部犯ではない…と気づいたカメラマンは内部犯を疑う。
そして目を放した隙にROMMYがバラバラ死体となった!なぜ!
という確かに驚くがちょっと天外かなー作品。
Posted by ブクログ
面白くないわけではないのだけど
彼の他の作品のほうが好きだなあ。
読んでる最中に面白くないわけではないけど
読み終わった後に残念ながら残るものがないというか。
ちょっと毛色の変わった2時間サスペンスみたいだった。
Posted by ブクログ
読んでる最中は星2つだなと思ったが、読み終わった時にはなんとか星3つが付けれるかな、と思った。
歌野晶午の作品が好きでなければ勧めにくいと感じた。
Posted by ブクログ
これって初版が95年なんだね。話の肝になる部分、当時は今より風当たりが強く、なかなかカミングアウトできなかったのだろう。
現在では、ある程度市民権も得ているし、特に芸能界では全く違和感がなくなっている。
なので、今読むとROMMYが秘密を告白したときの衝撃は小さい。時代の流れなのでしょうがないのでしょうが。