あらすじ
名探偵・信濃譲二は、とある小劇団にマネージャーとして参加し、万能ぶりを発揮し始める。だが、特別公演「神様はアーティストがお好き」の初日、惨劇の幕が切って落とされた。次第に疑心暗鬼になっていく団員達。六年前の稽古中の死亡事故と関係が? 信濃が命をかけて謎解きに挑む、傑作本格推理第3弾。
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『犯人を捕まえ、社会的な制裁を加えることに意味はない。何故なら、事件が起きた段階ですべてが終わっているからだ。
犯人を捕まえたところで事件以前の状態に戻すことができないのがなによりの証拠じゃないか。
重要なのは事件を未然に防ぐことで、それがかなわず事件が起きてしまったのなら、犯人捜しはただのゲームさ。だったら、事実から真実を導き出すまでの過程をゲームとして楽しもう。』
ミステリの存在論ですね。
このシリーズは好きだったんだけど、長編3作で終わりだなんて残念だ。
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家シリーズ3作目!
作者まえがきで「信濃を殺すことにした」とあってかなり落ち込みながらの読み始め。
日付をまたぎながら時間をかけて読み進めたので夢にまで内容が出てきて色々とうなされました(笑
作中の「神様はアーティストがお好き」も面白かったです!何となく歌野先生の自画自賛な描写もコミカルでした。
しかし完全に騙されましたね…もう途中から謎解きなんてどうでもよくなってしまいましたよ!
葉桜を読んであれだけもう騙されないぞ!と思っていたのに本当に悔しいです…!
悔しい!悔しいけれど、本当に良かった…
信濃というより徹の心配をしていたので心底安心しました(笑
それだけこの作品にハマっていたのだなあと思います。
増補版も買います。どうなっているのか楽しみです!
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またやられたよ。
衝撃的なプロローグから、
のめりこむように夢中で読みふけった。
歌野さんのことだから、絶対にひっくり返されるって
そんなことは、はなからわかっていたのに。
それでも私の中の可能性という幅は
歌野さんのそれとは比べ物にならないほど狭かったようです。
騙され続けてすべてを読んでしまったことを後悔するのは
いつも読み終わったそのあとで、
あぁ、これでまた歌野さんの思うつぼだと思うとともに
尊敬と降参のためいき。
家シリーズ、読破!!
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信濃譲二シリーズの三作目にして長編最終作。違和感が多い信濃譲二は結局偽物だったが、これは見抜いた読者は多かったのではないか。ただしニセモノでも真相を見抜く推理力があるので相当切れ者。
ラストのセリフ、手摺の向こうに、彼 はセンス抜群。
動く家が結局動かないのはタイトル詐欺ではある。
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信濃譲二シリーズ第三弾。短編集があと一冊あるけど信濃譲二を主人公とした長編がこれで終わりなのは寂しいなぁ…。しかし信濃譲二にはいつか帰ってきてほしいという気持ちとここで綺麗に退場してもらいたいという気持ちが半々。それにしてもこの話は最初から違和感を覚えてはいたんだけどすっかり騙された。そうきたかぁ!という純粋な驚き。
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第三幕になるまで一之瀬徹は登場せず、信濃譲二の視点で描かれているが、まさか偽物とは。似たような作品に、内田康夫『浅見光彦殺人事件』、森博嗣『黒猫の三角』があるが、なんとなく違和感を感じたのは『浅見光彦殺人事件』のみ。
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タイトル、冒頭の歌野さんのコメント、本文、全てに騙されました。人物の違和感はあったんですよ。3作続けて読んでいるので。登場人物、内容が暗くて、後半少し明かりを感じたけど、カバーがかぁって見えなくなりました。
変な感想になっちゃった。ごめんなさい。
Posted by ブクログ
二作目を読んでいなかったので、自分の中で信濃譲二というキャラクターをあまり理解していなかった。
それでも、譲二が人のためにサラ金に手を出すか…?など違和感のある部分があった。
それがあんな真相に繋がるとは、予想していませんでした。
偽信濃譲二が劇団で披露した推理は外れていたが、結局真相には気づいていたし、本物と同じくらい頭が切れる。
このご時世にマリファナが嗜好品だという信濃譲二が今後も活躍するのは難しく、結局逮捕という形で退場しましたが、いつかまた譲二の活躍がみたいと思ったり。
とりあえず、そのうち二作目を読みたいと思います。
Posted by ブクログ
前2作とはちょっとテイストが異なる。
なんせ、最初の2行で探偵役の信濃が死ぬんだから。
主人公も今回は迷探偵の徹ではないしねー。
ただ、最初から違和感がありましたよ。
で、やっぱりそうかと。
この作品がきっと『葉桜~』の基になったんだろう。
ミステリとしてかなり楽しめますが、タイトルはちょっといただけない。
反則でしょーってかんじ。
「きっとこうなんだろうな」
「あー、やっぱり」
「・・・ち、違うのか。。。」
こういうところはさすが歌野さんです。
なんだか良し悪しの混じったレビューになったけど、
全体的には面白かった。
そして、最後の1行が醸し出す余韻は、ミステリにはもったいない。
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「手摺の向こうに、彼」
この一言に、歌野晶午先生の変革期を感じますね…。
まだ初期のものではあるけれど、変わりゆく歌野先生を感じることができる作品になってます。
特に…ね、読者にたいしての裏切りが、「あ、歌野先生だ」と思わせてくれました。
おすすめです。
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信濃譲二シリーズ
劇団の制作として参加した「信濃譲二」。劇団でかつて起きた事故で死んだ女性。死んだ女性の父親が作った劇場での追悼公演。小道具のナイフがすり替えられ起きた事件。そして公演続行中に起きた同じすり替えによる刺殺事件。
2010年1月31日購入
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ジョージ最後の事件
徹が助手の域を飛び出しかけたり、ジョージがひどい目にあったり、最後にふさわしいけどさびしいな
昨今大麻を高らか叫んで嗜好する探偵はやっぱだめかな
シリーズものでは密室殺人と同じくらい好きなのに
Posted by ブクログ
破天荒系の探偵。ハードボイルドも良いが、こういうのもアリ。長い家の殺人よりもストーリーがしっかりしていて、嫌いじゃないし、歌野晶午の音楽や舞台に対する知識は緻密だなと感じた。ただ、事件そのものはミステリとしてはインパクトに欠けていたかもしれません。
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「結論からいおう。
信濃譲二は殺された」で始まり、
「手摺の向こうに、彼」で終わる。
始まりも終わりも印象的。
ミステリとしてはトリック、真相は正直大したことはないのだが、やはり歌野晶午の作品の雰囲気が好きだ。
初期の作品、中期の作品、最近の作品、作風は変化しているが、どこか共通する雰囲気がある。
歌野晶午然り、有栖川有栖然り、独自の雰囲気を持っている作家は強いのかもしれない。
"歌野晶午好き"を再認識。
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割と古典的?殺人事件。
会社の方からお借りした一冊。
少し時代は古いが十分楽しめる作品だった。
信濃譲ニが殺された。
話はそこから展開していく。
信濃譲ニ?
この作家さんの名探偵なのかな?
自分には記憶が無く、取り敢えず御手洗清とかそういう位置付けで読んでみる。
多分その読み方が正しいのだろう。
劇団の中で起こる殺人事件。
事件が起こった小屋は、かつて劇団の中での事故で娘の命を失った、建築家の父親が建てた小屋だった。
犯人は誰なのか!?何故殺されなければならなかったのか!?
いくつかのどんでん返しがあり、ミステリ好きには十分楽しませてもらえる作品だった(*^▽^*)
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結論からいおう。
信濃譲二は殺された。
から始まる衝撃の信濃譲二シリーズ。
そこに作者の意図がある気はしていた。
前作との違和感もあって、そこにはすぐに気づいた。
途中で恭子が「歳の…」って言っちゃってたしね。
けれど、マスターストロークの事件は、本当にその結論なのか…と落胆した。六年もあいたのがやっぱり不思議。
これで信濃譲二シリーズは終わりかな。
いつかまた会いたいとも思う。
市之瀬徹が前作みたいじゃなくて良かった。
Posted by ブクログ
信濃譲二が大好きなので、読んでいて凄く違和感を感じたが、なるほどそう来たか!物語として面白いかと問われると微妙だが、読者の推理の上の上を行く歌野氏らしい作品。ラストの一行が切なくて好き。
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信濃譲二シリーズ3作目。
深水黎一郎『トスカの接吻』や森博嗣『笑わない数学者』を思い出す。が、途中から全然別の方向に。
これはユーモアミステリー!
Posted by ブクログ
三部作の中で一番良かったと思います。構成やプロットの切り口が良く、ミステリー作家としての力量を感じさせます。
衝撃的な冒頭から始まり、ぐいぐい物語に引き込まれていきます。著者らしいどんでん返しもあり非常に楽しめましたが、殺人事件の真相はちょっとがっかりさせられました。
Posted by ブクログ
3-
【完全ネタバレ感想】
本編のほとんどは信濃譲二?の一人称で語られるのだが、『長い〜』や『白い〜』の既読者からしてみれば(先に『放浪探偵〜』も読んでいればなおのこと)、こいつは違うなという印象を早々に抱くのではないだろうか。書かれて然るべきことが書かれていないと読み手に気付かれると、作者の作為は簡単に見抜かれてしまう。途中、容易に考えつきそうな自作自演説に一切触れず、物理トリック推理合戦に突入するのも腑に落ちない。そもそも残り頁数からこれが茶番だと察せられて空しいし、何しろ事件の真相は、その真っ先に想像のつく最もありそうな結末に落ち着くのだから、拍子抜けもいいところだ。
ミステリの創作は難しいな、と思い至っても不思議ではない。結局この路線に閉塞感を覚え、名探偵を捨て、新たな地平を切り開こうとした作者の決断は、その後の作品の受け入れられ方を見るに正解だったのかもしれない。しかし信濃譲二はどこか憎めないキャラクターだけに、少し残念でもある。本作でも、終盤に本物の彼が登場し語り出すと、あーこれこれ、と思わずニヤリとしてしまう。シリーズ・キャラクターがもたらす安心感、名探偵への信頼感、それによりもたらされる説得力は作品にとって大きな力となる。もう少し彼の活躍を読んでみたかった。常にタンクトップでも笑って済ませて。
Posted by ブクログ
「葉桜~」が良かったので読んでみましたが、島田荘司直系の型破りなトリックが良かった。残念ながら本作のトリックをそのまま流用したドラマ「ケイゾク」を既に見ていたので、驚きが半減していたのだが・・・その手の免疫が無い方にはお勧めです。プロローグから始まって至る所にミスリードの工夫がなされていて、楽しいです。