歌野晶午のレビュー一覧

  • 世界の終わり、あるいは始まり

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    ネタバレ

    あーーー歌野ワールド全開。
    裏表紙のあらすじにあるように、まさに
    「既存のミステリの枠を超越」している。

    未来の選択肢としては"悲劇"しか提示されていないのに、それでも主人公の修はその中から「きぼう」を見出す。
    そんなはずはないのに、なぜか「大丈夫、何とかなるだろう」とこちらも思ってしまう。

    自分の好きなタイプの作品ではないのだが、こういうのもアリかもなと思ってしまった。
    もしかしたら、"歌野晶午の作品"というバイアスがかかっているのかもしれない。

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    2021年08月15日
  • 名探偵、初心者ですが 舞田ひとみの推理ノート

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    短編のそれぞれの意外な真相に驚かされる。

    そのうえで、
    ときどき登場する野々島愛って誰だろう?馴れ馴れしいけれど、歳三の彼女ではなさそう。本筋には関係ないが気になって読み進めていると、最後に衝撃の真相。
    この後が気になる。

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    2021年08月10日
  • ブードゥー・チャイルド

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    ネタバレ

    うんうん隠れた名作って感じ。
    前世の記憶を持つ少年という魅力的な謎に始まり、中学生という微妙な年齢の二人がハードボイルドさながらに捜査、推理を進めていき、自らの変わった出生を語る天才少年に出会い...

    中弛みせず、まさにノンストップ。

    代理出産というのが本書の主を担う真相となっているが、個人的には 
    ホリー・キンデス→堀井キンです という聞き間違いや、晃士という文字を悪魔と十字架に見間違えてしまうというトリックがとても面白かった。
    しかもトリックを知ってから目次の裏の絵を見ると「晃士」に見えてくるのが不思議...

    ネットを使って論議をしたりネットで知り合った人と実際に会ったり、という今作の中で使われていることが『密室殺人ゲーム』に繋がったんだろうなと感じる。

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    2021年07月13日
  • 新装版 正月十一日、鏡殺し

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    若い時に書いたんだな、と思わせる粗さはあるが、面白い。文章が特別上手いというわけではないのだが、(下手と言われているのをよく見かける)歌野晶午の文章の雰囲気が好き。

    個人的にはベストは「逃亡者 大河内清秀」
    かなり悪く言うなら夢オチと言えてしまう部分もあるが、
    偽物大河内→本物大河内、と思わせて偽物の推測→本物の大河内の夢だった
    という転がされる感じは面白い。謎の女、香絵の不思議な行動がキッチリと説明されるところも良い。

    「美神崩壊」も印象的。グサっとくる。

    『長い家の殺人』などの物理トリックを使った王道本格から、徐々に『密室殺人ゲーム』や『葉桜の季節に君を想うということ』のような王道から外れた一風変わった本格を書くようになっていく歌野晶午の転換点ともいえるだろう。

    「あえて探偵を廃し あえてトリックを抑え あえて論理合戦を殺ぎ落とし 絢爛豪華な謎もなく  物語はあくまで日常で しかし精神は本格
    ようこそ、裏本格の世界へ」

    カッコよすぎる。

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    2021年07月09日
  • 春から夏、やがて冬

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    哀しかった。この作者は初めてでしたが色んな
    評にどんでん返し的なお話が特徴とあったので
    読み始めましたが直木賞候補になるだけあり
    1人娘を持つ者としては考えさせられるような
    お話でした。ラストのますみの告白(?)は
    真偽がどうであれ誰も救われないという所があり
    切ないものでした。ただ事の真相を調べる医師が
    ますみは殺される事を覚悟であのメールを書いた
    と有りましたが、首を絞められていた時のますみの
    目には「どうして」という驚きがあったと文中に
    有り、真相は結局何も分からないまま終わります。
    もしメールが虚偽ならばますみに死を覚悟させて
    まで告白文を作らせた動機は一体何だったのでしょうか?考えれば考えるほど哀しいお話でした。

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    2021年06月25日
  • 新装版 白い家の殺人

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    ネタバレ

    振り子にロープウェイ。
    今となっては、あまり驚かないが、当時はなかなか突飛なアイデアだっただろう。

    「意図せずに偶然起こった」というのの使い方も面白い。
    ラストで明かされる真実も驚き。

    王道ともいえる、悪くない作品だった。

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    2021年06月05日
  • 世界の終わり、あるいは始まり

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    ネタバレ

    葉桜の季節で気になった歌野晶午さんの作品。

    構成がものすごく独特で、前半1/4くらいは事件の事実とそれに関わる人達の感情を描くことで、その人達の個性と特徴を示唆してる。

    後半は父親の妄想編。前半で示された事実から、パラレルワールドのように真相が明かされては妄想でした、が繰り返される。
    妄想の結末は全て悲劇で、ある一家にとっての世界が終わるという結末になる。しかしその度に妄想を打ち消し、始まりに戻る。
    結局事件の真相はわからない、というミステリー小説としては変態な部類の終わり方。

    賛否両論あるかもだけど、読みやすいし没入して一気に読めた

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    2021年05月25日
  • 葉桜の季節に君を想うということ

    購入済み

    作品紹介も何も読まず予備知識なしで読み始めたので、冒頭は推理小説とさえ気付かず、作品の雰囲気や話がよく飛ぶなという印象。
    終盤、こういう読者のミスリードの仕方は好きじゃないなと少し嫌な気分になりましたが、最後の主人公の語りは力強く引き込まれました。

    #アガる

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    2021年05月02日
  • 新装版 長い家の殺人

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    評価は低い人が多いみたいだが、そんなに悪くない作品だと思う。
    自分は、信濃が「二つともどん詰まりの部屋」と言うまで気づかなかったが、気づいても、ペンキ、鍵、人魂などの伏線は見事だと思った。歌に込められた暗号も面白い。
    冒頭の"マリ"にもまんまと引っかかった。
    デビュー作から持ち味を出してるな、という感じ。

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    2021年04月28日
  • 葉桜の季節に君を想うということ

    購入済み

    後半、えっ?えっ~って感じでした。最初に人物のイメージを頭の中で設定してしまったので最後ものすごい違和感でした。なので、内容をわかったうえで人物イメージを設定しなおして2回目よみました。
    題名からして、もっと穏やかな内容かなと思ったのですが…
    けっこうハラハラドキドキな内容で とても読みごたえあり、騙されました。

    #ドキドキハラハラ

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    2021年04月26日
  • そして名探偵は生まれた

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    どれも平均以上で、とても面白かった。

    「そして名探偵は生まれた」
    "名探偵"という存在そのものに焦点を当て、そして密室トリックも混ぜ込んだ作品。
    この探偵シリーズ化してほしいな...

    「生存者、一名」
    教団に裏切られ、無人島に閉じ込められてしまう5人を描いた作品。色々な意味で予想できない結末はとても良かった。

    「館という名の楽園で」
    見事なトリック。まんまと騙された。
    個人的にはこの作品が一番良かった。

    「夏の雪、冬のサンバ」
    叙述トリックには気づいたが、お金の隠し場所は面白かった。後から考えると、生卵が伏線だったのか...

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    2021年04月06日
  • 春から夏、やがて冬

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    初めての歌野晶午作品

    「春から夏、やがて冬」
    題名も意味深で、読む順番としては合ってたのか?

    登場人物ー平田誠は自分の名前平田の「平」は平凡の「平」だと自負していた、
    スーパーの保安担当、ある日万引きした末永ますみを二度としないというところで許してしまった、
    彼女は同居人から酷いDVを受けている、そこから始まっていく〜

    末永ますみの語り口がいやだった。いかにも今時かもしれないが
    「サーセンシタ」ーすみませんでした
    「アリアタッシタ」ーありがとうございました。
    主人公平田は高校2年生の娘を交通事故でなくしている、犯人は不明のまま。
    そして妻も自死 

    とかく世の中は皮肉にできている
    平田と末永ますみが合うところがまさに因縁?会うべくして?皮肉?
    物語は進んでいくー
    自分は作者の意図を汲み取っているのか?
    この結論をわかっているのか

    たぶん読者が答えを出さないといけないのだと思った。

    本文よりーフランスの聖職者

      一瞬だけ幸福になりたいのなら、復讐しなさい。永遠に幸福になりたいのなら、赦しなさい。

    イングランドの文学者

      賢者はすぐに罪を赦す、時の価値を知っているから、無駄な苦しみで時が流れていくのに耐えられないのである。

    アメリカの法律家はいった。

       赦すことで過去を変えることはできない、しかし間違いなく、未来を変えることはできる

    他にも
       赦すはよし、忘れるはなおよし

       弱いものほど相手を赦すことができない。
    赦すということは、強さの証だ。

    主人公が安穏となるためには赦すことが必要だしまた、理解する相手が必要だが
    彼には何もない、失うものもない

    他人のことは何とでも言える、当事者が「自分が」
    その立場になった時、その時しかわからない。
    春を期待しながら読んでも冬?

    ここまでの苦しみを味わったものしか〜

    読書中、ずっと苦しかった
    このところ苦しい作品ばかりにあたる。

    人は人を捌けるか?
    自分はNoだ。

    願わくば許せる人間になりたいー所詮きれいごとかもしれないが。

    一つ一つ小さなわからないことを誰かに聞きたかった。〜義妹「姪」とのからみ
      〜ダウンの羽根はどこから来る。など

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    2021年03月17日
  • Dの殺人事件、まことに恐ろしきは

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    どの作品もどんでん返しがあって面白かった。「陰獣幻想」が一番インパクトあった。流石歌野晶午。短編集は読みやすい。

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    2021年02月28日
  • 7人の名探偵

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    どの作者名を見ても、ミステリ好きなら知らない者はいないと言ってよい作家ばかりで、その人たちの個性が感じられるアンソロジーなのである。
    7人の名探偵とは、とりもなおさず作者達自身のことであり、この名探偵達の生み出す世界にゆったりとひたるのがよい。
    とはいえ、一つ一つは決して長くないので、どんどん読み進めることができる。

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    2021年02月28日
  • 新装版 長い家の殺人

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    ネタバレ

    歌野晶午のデビュー作。巻末に島田荘司の解説付き。
    行動力すごいな!とびっくりした。すごい……。

    大学生のロック・バンドが晩秋の湯沢で合宿し、そこで殺人事件が起きる。
    解決しないまま、メンバーが欠けた状態で解散ライブを行うと、
    そこでまた殺人事件が起こり、バンドを数年前に抜けて渡独していた元メンバーが帰国し、謎解きをする……

    出だしの意味ありげなコードと歌詞が気になりつつも、
    「コードが読めなくてもまあいいわ」と読み進めていったら、暗号!
    しかも、犯人も誰もわかっていなかった暗号!
    関係ないわけなかった!あんなに意味ありげだったのに!
    CDEFGをハニホヘトに読み替えるだけで、セブンスは単純に7つ飛ばしで読む、
    という意味なんだから、単純な暗号だと思うんだけど、
    「コード苦手、まあいいや」で飛ばしてたらそりゃ解けないわけよ。
    ちゃんと調べてみればよかったー。

    トリックとしては、なんというか、島田好みの物理トリックで、
    こういうのやっぱり好きだわ!って思わせるんだけど、
    2番目の殺人、さすがに部屋数少なすぎなのでは……。
    ちょっと無理ありすぎなのでは……。

    学生運動の続きのような気分で爆弾作って捕まった過去のある人が四六時中
    警察当局に目をつけられているような描写とか、ベルリンの壁がまだあるらしい描写とか、
    とにかく警察って嫌われものだったのかなという感じとか、
    1988年発表の時代の雰囲気がリアルで面白かったな。

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    2021年02月25日
  • 明日なき暴走

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    久々に歌野晶午先生。
    相変わらず、最後にアッと言わせてくれる。
    読んでて、今の世の中ってこんなんだなぁとしみじみ思い、嫌な部分を浮き彫りにしたこの小説が痛い…

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    2021年01月28日
  • ずっとあなたが好きでした

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    ネタバレ

    短編で同じ名前があるとまた前に戻り、そして読み返す。
    解説を読んでやっと納得。
    とやっぱり伏線に次ぐ伏線。
    最後に種明かしがあるけど、でもなるほどって思うのは解説があったからなんだろうなぁ。

    短編でもおもしろいのに、短編から 全て繋がるのはやっぱりこの作者のすごいところかも。

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    2021年01月17日
  • 世界の終わり、あるいは始まり

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    いかにも歌野晶午の作品らしく、設定そのものに影響するタイプの小説。
    多少長いな、と思うかもしれない。
    結局未来がどうなるかなんて分からないんだなと思った。

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    2021年01月14日
  • 誘拐リフレイン 舞田ひとみの推理ノート

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    舞田ひとみと言えば、たしか...と思いつつ読み始めるも、
    最初にひとみ嬢が登場する際に度肝を抜かれる(^ ^;
    一体何があった!?(^ ^;

    実際にいろいろあったり、ところにより叙述トリック、
    出だしから作者のサービス精神が遺憾なく発揮され(^ ^

    本作は、二つの誘拐事件と一件の失踪事件とを
    力業で合体させたような構成となっている(^ ^
    幼児誘拐が二軒続けて起こり、どうやら同一犯で、
    相互に重要な役割で絡んできて...というメインの話は
    とても新鮮で興味深く読めた(^o^

    が、いかんせん長い(^ ^;
    正直「欲張りすぎ」な感じは否めなかった(^ ^;
    謎解きの説明も、ものすごく「説明くさい」(^ ^;
    その辺が気になって★一つ減(^ ^;

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    2021年01月08日
  • 誘拐リフレイン 舞田ひとみの推理ノート

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    ネタバレ

    誘拐事件についてはかなり面白い内容だったと思います。最初の事件で違和感を覚えたところが二つ目の事件真相の布石みたいになってて、上手く考えたものだと感嘆します。真相が分かったときは、かなり驚きました。ただ、これを頭があまりよくなさそうな大久保夫妻が考えた、というのには疑問が……(実は地頭が良かったりするのかな)

    あと、馬場由宇の兄が良い奴だったらその疑いを晴らすことに共感できたのですが、過去に不幸があったとはいえ、途中まではただの嫌な奴だったので、由宇が兄を助けようとする動機がちょっと理解しづらかったです。

    それもあって、由宇の家庭の事情関連のお話は蛇足気味に感じてしまいました。真珠&陸斗のW誘拐事件が面白かっただけに、そちらにフォーカスを当てて兄との絡みは少し端折ってくれたほうが、全体的なボリュームも丁度よくなって読みやすくなるんじゃないか、なんて思っちゃいました(素人考えですが……)。

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    2020年12月12日