歌野晶午のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこの子、怖い。
神様はいない、という悲痛な叫びのような日記に同情
しながら、時には共感しながら最初は読んでいた。
日記の部分があまりに多くて、その多くは斜め読みし
てしまったけど、後半、母親に直接語りかけるような
書き方に違和感を覚えた。他にも母親に関することは
”こうして欲しい”と言ってるように聞こえて、最後で
腑に落ちた。
母親の”創作”という疑念は、息子がいじめられている
という事実を受け入れたくない気持ちからきたものだ
ったのかもしれないけど、多少は直感もあったのでは
ないかとも思う。
口から発せられる言葉と文字で書かれた言葉とでは、
人はどちらの方をより信じるか…というのは、確かに
とても興味深い点だと思う。
直接声にして表現する時には表情や行動も影響を受け
るから、嘘を吐くには文字の方が遥に簡単なのに、文
字にして残されたものの方が信憑性が高いという印象
を与えるのはどういうことだろうと思う。
何にせよ、人が4人も亡くなっているのに、罪悪感を
抱くわけでもなければ、止めるつもりもないという神
経が本当に恐ろしい。
神を創造して、どれだけ思われてるかを試して…最後
に本当の神様に助けを求めるなんて皮肉ね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ歌野晶午さんのホラーミステリーということで読んでみた。
間宵己代子は20歳以上年下の夫夢之丞に駆け落ち不倫をされて以来、年中おかしな行動を取り始める…
•己代子の娘紗江子に近づく同級生、紗江子の娘和香子の友達たちが、間宵家と関わる中で混沌に巻き込まれていく。
•家中のものに間宵夢之丞と書いてあったり、駆け落ちした不倫相手の女である西崎早苗の顔写真に”WANTED”の文字をつけたビラをあちこちに貼り付けていたり、己代子の狂っぷり(常にお経を読み上げていたり…お隣さんに毎日怒鳴り込んだり、己代子異常性が脳内でリアルに想像できて恐ろしかった。
•夢之丞はかつて娘の同級生に目をつけ、娘を使って家におびき寄せ、ドラッグを使い性的行為を犯す鬼畜野郎。
•娘の紗江子も同様の行為をされていたが、友達を連れてくることで自分はその間逃げられるので、と絶望的な流れでの出来事。
•夢之丞の鬼畜を知った己代子は夫を許すことができず、夢之丞を殺してしまう。
•紗江子の同級生西崎詩穂も性被害者の1人で、母の西崎早苗は娘がおかしいことに気づき、間宵家へ乗り込むも、己代子によって殺されてしまう(西崎早苗と夢之丞は駆け落ちなど実際はしていなく、2人とも己代子により葬られていたのだ。
•己代子の数多の凶行は、夫に駆け落ちされ精神を病んでしまった妻を演じることで、夫の鬼畜が世間に知れ渡り、娘の紗江子に災難が降りかかるのを防ごうとしたのだ。
その結果途中で演じて行っていたはずの凶行を家でも行ってしまうほどに本当に狂ってしまい、そのまま亡くなり、己代子の魂は呪いとなってしまった…
ラストシーン(己代子の魂が自分の体に乗り移ったことを知った詩穂の息子が、呪いの連鎖を終わらせるためにボールペンで耳を刺し自殺を試みようとするシーンで終わる)が結構好きです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前から気になっている歌野さんの作品を読んでみた。
どの作品も、ふぇ?!となる最後が用意されていて、歌野さん独特の趣向に満ちた作品ばかりでした。
!!!!以下とてもネタバレ含みます!!!!
•移住してきた老夫婦に隠された衝撃の事実(旦那でなく)がある「サクラチル」
•全てを捨てて育てた息子の晴れ姿を臨時ニュースで見逃す「消された15番」
•娘の小学生試験の無理矢理受験のイヤイヤな「防疫」
•ストーカー化した男からどうやって逃れられるかの物語「殺人休暇」
•パチンコ中毒母親が目を離して子供がパチンコ玉飲んじゃうブラックユーモア悲劇「In the lap of the mother」
•ホームレスが色んなものから今のままでいることを阻害される(実は女!)「尊厳、死」
この辺りの作品は、今後もきっと覚えていることになりそうなくらい印象が強いです。