歌野晶午のレビュー一覧

  • そして名探偵は生まれた

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    どれも平均以上で、とても面白かった。

    「そして名探偵は生まれた」
    "名探偵"という存在そのものに焦点を当て、そして密室トリックも混ぜ込んだ作品。
    この探偵シリーズ化してほしいな...

    「生存者、一名」
    教団に裏切られ、無人島に閉じ込められてしまう5人を描いた作品。色々な意味で予想できない結末はとても良かった。

    「館という名の楽園で」
    見事なトリック。まんまと騙された。
    個人的にはこの作品が一番良かった。

    「夏の雪、冬のサンバ」
    叙述トリックには気づいたが、お金の隠し場所は面白かった。後から考えると、生卵が伏線だったのか...

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    2021年04月06日
  • 春から夏、やがて冬

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    初めての歌野晶午作品

    「春から夏、やがて冬」
    題名も意味深で、読む順番としては合ってたのか?

    登場人物ー平田誠は自分の名前平田の「平」は平凡の「平」だと自負していた、
    スーパーの保安担当、ある日万引きした末永ますみを二度としないというところで許してしまった、
    彼女は同居人から酷いDVを受けている、そこから始まっていく〜

    末永ますみの語り口がいやだった。いかにも今時かもしれないが
    「サーセンシタ」ーすみませんでした
    「アリアタッシタ」ーありがとうございました。
    主人公平田は高校2年生の娘を交通事故でなくしている、犯人は不明のまま。
    そして妻も自死 

    とかく世の中は皮肉にできている
    平田と

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    2021年03月17日
  • Dの殺人事件、まことに恐ろしきは

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    どの作品もどんでん返しがあって面白かった。「陰獣幻想」が一番インパクトあった。流石歌野晶午。短編集は読みやすい。

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    2021年02月28日
  • 7人の名探偵

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    どの作者名を見ても、ミステリ好きなら知らない者はいないと言ってよい作家ばかりで、その人たちの個性が感じられるアンソロジーなのである。
    7人の名探偵とは、とりもなおさず作者達自身のことであり、この名探偵達の生み出す世界にゆったりとひたるのがよい。
    とはいえ、一つ一つは決して長くないので、どんどん読み進めることができる。

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    2021年02月28日
  • 新装版 長い家の殺人

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    ネタバレ

    歌野晶午のデビュー作。巻末に島田荘司の解説付き。
    行動力すごいな!とびっくりした。すごい……。

    大学生のロック・バンドが晩秋の湯沢で合宿し、そこで殺人事件が起きる。
    解決しないまま、メンバーが欠けた状態で解散ライブを行うと、
    そこでまた殺人事件が起こり、バンドを数年前に抜けて渡独していた元メンバーが帰国し、謎解きをする……

    出だしの意味ありげなコードと歌詞が気になりつつも、
    「コードが読めなくてもまあいいわ」と読み進めていったら、暗号!
    しかも、犯人も誰もわかっていなかった暗号!
    関係ないわけなかった!あんなに意味ありげだったのに!
    CDEFGをハニホヘトに読み替えるだけで、セブンスは単純

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    2021年02月25日
  • 明日なき暴走

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    久々に歌野晶午先生。
    相変わらず、最後にアッと言わせてくれる。
    読んでて、今の世の中ってこんなんだなぁとしみじみ思い、嫌な部分を浮き彫りにしたこの小説が痛い…

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    2021年01月28日
  • ずっとあなたが好きでした

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    ネタバレ

    短編で同じ名前があるとまた前に戻り、そして読み返す。
    解説を読んでやっと納得。
    とやっぱり伏線に次ぐ伏線。
    最後に種明かしがあるけど、でもなるほどって思うのは解説があったからなんだろうなぁ。

    短編でもおもしろいのに、短編から 全て繋がるのはやっぱりこの作者のすごいところかも。

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    2021年01月17日
  • 誘拐リフレイン 舞田ひとみの推理ノート

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    舞田ひとみと言えば、たしか...と思いつつ読み始めるも、
    最初にひとみ嬢が登場する際に度肝を抜かれる(^ ^;
    一体何があった!?(^ ^;

    実際にいろいろあったり、ところにより叙述トリック、
    出だしから作者のサービス精神が遺憾なく発揮され(^ ^

    本作は、二つの誘拐事件と一件の失踪事件とを
    力業で合体させたような構成となっている(^ ^
    幼児誘拐が二軒続けて起こり、どうやら同一犯で、
    相互に重要な役割で絡んできて...というメインの話は
    とても新鮮で興味深く読めた(^o^

    が、いかんせん長い(^ ^;
    正直「欲張りすぎ」な感じは否めなかった(^ ^;
    謎解きの説明も、ものすごく「説明く

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    2021年01月08日
  • 誘拐リフレイン 舞田ひとみの推理ノート

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    ネタバレ

    誘拐事件についてはかなり面白い内容だったと思います。最初の事件で違和感を覚えたところが二つ目の事件真相の布石みたいになってて、上手く考えたものだと感嘆します。真相が分かったときは、かなり驚きました。ただ、これを頭があまりよくなさそうな大久保夫妻が考えた、というのには疑問が……(実は地頭が良かったりするのかな)

    あと、馬場由宇の兄が良い奴だったらその疑いを晴らすことに共感できたのですが、過去に不幸があったとはいえ、途中まではただの嫌な奴だったので、由宇が兄を助けようとする動機がちょっと理解しづらかったです。

    それもあって、由宇の家庭の事情関連のお話は蛇足気味に感じてしまいました。真珠&陸斗の

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    2020年12月12日
  • 明日なき暴走

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    ネタバレ

    承認欲求過多なTVディレクターと無神経で身勝手なその仲間たち、Twitterで毒を吐きまくる美容師など、登場人物がとにかくクズ過ぎて共感しにくく(川島輪生の家庭環境には多少同情)なかなか入り込めませんでした。特に前者の集団がやってることは迷惑系YouTuberみたいでムカついちゃいます。

    けど終盤の偽装放火あたりから、長谷見の仲間やかつての同僚たちがそれぞれの目論見で動き始めて、先の結末が予測できなくなりました。どうなるかが気になって、深夜なのに最後まで一気読みすることに。結局、皆が皆最後までクズのまま終わるので後味は悪いのですが、化かしあい合戦みたいな様相はスリルもあって結構楽しめました。

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    2020年11月16日
  • 魔王城殺人事件

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    歌野晶午の長編ミステリ
    町外れに建つ洋館へ忍び込んだ小学生が、庭の小屋の中で女性が消失したり、死体が消えたりする謎に挑むミステリです。
    子供の頃に読んだポプラ社「少年探偵団」シリーズや、最近だと「青い鳥文庫」を彷彿させる文体で、一人称で進んで行くのですが・・なかなかの「本格」で、一気読みでした。
    歌野晶午、恐るべし!(^_^;)

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    2020年11月15日
  • 女王様と私

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    引きこもりのオタクと小学生の女の子のお話
    本編のほとんどの妄想編でそんなのありなの?
    いいのそれで?なんていうことがいろいろありましたが
    あ、妄想だからいいのかなと
    最初と最後にちょっとだけ現実編がありますが
    まぁ妄想で楽しませてもらいました

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    2020年11月04日
  • 家守

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    ネタバレ

    10年以上前に同著者の『葉桜の季節に君を想うということ』を読んだとき、これが叙述トリックというものかと感嘆し、あまりに見事に騙された自分が可笑しかった。その印象が強いけれど、これは叙述トリックではありません。

    短編5つ。どれも自分あるいは誰かの居場所を歪な形で守る人たちの話。表題作よりもむしろ惹かれたのは『鄙』。良くも悪くも結束した僻地の村の様子は、実際にあるかもしれないと思わされます。「警察は社会秩序の維持に努める組織であって、真実を追究する組織ではない。ある人物を逮捕することで事態が収束し、失われた秩序が回復するようなら、その人物が真に犯人である必要はない」という一文は、残念なことだけれ

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    2020年10月25日
  • ハッピーエンドにさよならを

    ネタバレ 購入済み

    なぜ読んじゃったんだっけ

    大体は、ここのレビュー)SNSで評判が良い作品を読んでいるんですが、この作品は何で読んじゃったんだろう。タイトル通り、「アンハッピーな結末を集めた短編集」ってだけじゃない。中には読み進めるのもはばかられるイヤミスあり?全く、なぜ読んじゃったんだっけ、一気に読んじゃった。

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    2020年10月18日
  • 明日なき暴走

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    単行本「ディレクターズ・カット」を文庫化した作品。
    「報道する」って何だろう?と思ってしまいました。
    視聴率のためや他局よりもスクープを取るためにあらゆることも辞さないやり方に終始、イラッとした気持ちで読んでいました。
    最初の部分での若者の行動が、まぁムカつくばかりで絶対誰か殺されるのでは?と思ってましたが・・・。登場人物には共感できない部分も多く、最後まで苦虫を噛み潰したような気持ちでした。そう考えると、歌野さんの文章に惹きつけられました。

    その反面、都合の良いように編集したり、SNSのトレンドになったりなど現代でも通じる課題が、小説で良いアクセントになっていて、面白かったです。ネットの怖

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    2020年10月12日
  • 葉桜の季節に君を想うということ

    購入済み

    初読は絶対にネタバレなしで

    1度読み終えた後で、すぐにもう1度読み返したくなった。そして、そうした。1冊で2度美味しいとはこの本のことだ。どこで自分がミスリードされたかを見つけるのも楽しいし、何しろ物語の風景そのものが別のものになる。マジックを好むように、人間は正々堂々と騙されることに快感を感じるのかもしれない。この本も、一流のマジシャンのように上手く私を騙してくれた。もちろん内容も面白く、一気に読めた。思えば、内容と似つかわしくない題名の雰囲気も伏線だったのだろう。

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    2020年08月17日
  • 魔王城殺人事件

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    ネタバレ

    講談社ミステリーランド・シリーズの一作。と言っても子供向けと侮るなかれ。

    日常の謎的な細かい謎や密室からの人間消失、そしてアリバイトリックありと本格ミステリのテイストが満載で、最終的に伏線が回収されるので結構楽しめた。

    主人公である小学5年生たちが、RPGに出てくる魔王の居城「デオドロス城」に見立てた東京郊外に建つ洋館を探検した際に、そこで死体を発見してしまうことで事件に巻き込まれる。いや、自分たちで謎を解明しようと首を突っ込むのだが、やがて捜査に行き詰まり、最終的に知り合いの刑事に助けを求めたのはご愛敬か。

    巻末の「わたしが子どもだったころ」と題したあとがきにつづられた著者によるちょっ

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    2020年07月24日
  • 魔王城殺人事件

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    歌野晶午さんの描く本格ミステリ。だが主人公たちは小学生。まぁそんな軽く感じてしまう設定なのだが、ミステリ、トリックはさすが歌野さん。どこかで聞いたことのあるような古典的で大胆なトリック。まぁあるあるとして、明かされてしまえば「えぇ、そんなのあり?」みたいに思ってしまう部分もあるがそんなことは言いっこなし。


    51分署捜査一課(5年1組)の面々、あ、そうだ、少し名探偵コナンを思い出した。見た目は子供、頭脳は大人なコナン君はいないけど。みんな小学生らしい発想で、それがまた巧く物語に機能している。


    うん、軽めだけど。

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    2020年07月15日
  • ジェシカが駆け抜けた七年間について

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    なかなか珍しいスポーツミステリーです。
    あとがきにも記されていますが、作品全体に大きな
    仕掛けが施されています。

    読者はまさにその仕掛けにミスリードされます。
    その仕掛けは最後に当然明かされてますが、
    「それはないよなあ」と思うか「やられた」と
    思うかで読後感が違ってきます。

    個人的には前者でしたが、よくこんなことを考え
    つくものだ、と感心しました。

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    2020年06月14日
  • Dの殺人事件、まことに恐ろしきは

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    短編だからなにより読みやすかった。乱歩の作品を読んだことはないのだが、それでも十分に面白かった。乱歩作品を読んでから再度読むとより楽しめそうな気がする。

    最後のオチは毎話驚かされるし発想が斜め上で面白い。作者の別作も買ってみたので読むのが今から楽しみ!

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    2020年05月17日