歌野晶午のレビュー一覧
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初めての歌野晶午作品
「春から夏、やがて冬」
題名も意味深で、読む順番としては合ってたのか?
登場人物ー平田誠は自分の名前平田の「平」は平凡の「平」だと自負していた、
スーパーの保安担当、ある日万引きした末永ますみを二度としないというところで許してしまった、
彼女は同居人から酷いDVを受けている、そこから始まっていく〜
末永ますみの語り口がいやだった。いかにも今時かもしれないが
「サーセンシタ」ーすみませんでした
「アリアタッシタ」ーありがとうございました。
主人公平田は高校2年生の娘を交通事故でなくしている、犯人は不明のまま。
そして妻も自死
とかく世の中は皮肉にできている
平田と -
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ネタバレ歌野晶午のデビュー作。巻末に島田荘司の解説付き。
行動力すごいな!とびっくりした。すごい……。
大学生のロック・バンドが晩秋の湯沢で合宿し、そこで殺人事件が起きる。
解決しないまま、メンバーが欠けた状態で解散ライブを行うと、
そこでまた殺人事件が起こり、バンドを数年前に抜けて渡独していた元メンバーが帰国し、謎解きをする……
出だしの意味ありげなコードと歌詞が気になりつつも、
「コードが読めなくてもまあいいわ」と読み進めていったら、暗号!
しかも、犯人も誰もわかっていなかった暗号!
関係ないわけなかった!あんなに意味ありげだったのに!
CDEFGをハニホヘトに読み替えるだけで、セブンスは単純 -
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舞田ひとみと言えば、たしか...と思いつつ読み始めるも、
最初にひとみ嬢が登場する際に度肝を抜かれる(^ ^;
一体何があった!?(^ ^;
実際にいろいろあったり、ところにより叙述トリック、
出だしから作者のサービス精神が遺憾なく発揮され(^ ^
本作は、二つの誘拐事件と一件の失踪事件とを
力業で合体させたような構成となっている(^ ^
幼児誘拐が二軒続けて起こり、どうやら同一犯で、
相互に重要な役割で絡んできて...というメインの話は
とても新鮮で興味深く読めた(^o^
が、いかんせん長い(^ ^;
正直「欲張りすぎ」な感じは否めなかった(^ ^;
謎解きの説明も、ものすごく「説明く -
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ネタバレ誘拐事件についてはかなり面白い内容だったと思います。最初の事件で違和感を覚えたところが二つ目の事件真相の布石みたいになってて、上手く考えたものだと感嘆します。真相が分かったときは、かなり驚きました。ただ、これを頭があまりよくなさそうな大久保夫妻が考えた、というのには疑問が……(実は地頭が良かったりするのかな)
あと、馬場由宇の兄が良い奴だったらその疑いを晴らすことに共感できたのですが、過去に不幸があったとはいえ、途中まではただの嫌な奴だったので、由宇が兄を助けようとする動機がちょっと理解しづらかったです。
それもあって、由宇の家庭の事情関連のお話は蛇足気味に感じてしまいました。真珠&陸斗の -
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ネタバレ承認欲求過多なTVディレクターと無神経で身勝手なその仲間たち、Twitterで毒を吐きまくる美容師など、登場人物がとにかくクズ過ぎて共感しにくく(川島輪生の家庭環境には多少同情)なかなか入り込めませんでした。特に前者の集団がやってることは迷惑系YouTuberみたいでムカついちゃいます。
けど終盤の偽装放火あたりから、長谷見の仲間やかつての同僚たちがそれぞれの目論見で動き始めて、先の結末が予測できなくなりました。どうなるかが気になって、深夜なのに最後まで一気読みすることに。結局、皆が皆最後までクズのまま終わるので後味は悪いのですが、化かしあい合戦みたいな様相はスリルもあって結構楽しめました。 -
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ネタバレ10年以上前に同著者の『葉桜の季節に君を想うということ』を読んだとき、これが叙述トリックというものかと感嘆し、あまりに見事に騙された自分が可笑しかった。その印象が強いけれど、これは叙述トリックではありません。
短編5つ。どれも自分あるいは誰かの居場所を歪な形で守る人たちの話。表題作よりもむしろ惹かれたのは『鄙』。良くも悪くも結束した僻地の村の様子は、実際にあるかもしれないと思わされます。「警察は社会秩序の維持に努める組織であって、真実を追究する組織ではない。ある人物を逮捕することで事態が収束し、失われた秩序が回復するようなら、その人物が真に犯人である必要はない」という一文は、残念なことだけれ -
ネタバレ 購入済み
なぜ読んじゃったんだっけ
大体は、ここのレビュー)SNSで評判が良い作品を読んでいるんですが、この作品は何で読んじゃったんだろう。タイトル通り、「アンハッピーな結末を集めた短編集」ってだけじゃない。中には読み進めるのもはばかられるイヤミスあり?全く、なぜ読んじゃったんだっけ、一気に読んじゃった。
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単行本「ディレクターズ・カット」を文庫化した作品。
「報道する」って何だろう?と思ってしまいました。
視聴率のためや他局よりもスクープを取るためにあらゆることも辞さないやり方に終始、イラッとした気持ちで読んでいました。
最初の部分での若者の行動が、まぁムカつくばかりで絶対誰か殺されるのでは?と思ってましたが・・・。登場人物には共感できない部分も多く、最後まで苦虫を噛み潰したような気持ちでした。そう考えると、歌野さんの文章に惹きつけられました。
その反面、都合の良いように編集したり、SNSのトレンドになったりなど現代でも通じる課題が、小説で良いアクセントになっていて、面白かったです。ネットの怖 -
購入済み
初読は絶対にネタバレなしで
1度読み終えた後で、すぐにもう1度読み返したくなった。そして、そうした。1冊で2度美味しいとはこの本のことだ。どこで自分がミスリードされたかを見つけるのも楽しいし、何しろ物語の風景そのものが別のものになる。マジックを好むように、人間は正々堂々と騙されることに快感を感じるのかもしれない。この本も、一流のマジシャンのように上手く私を騙してくれた。もちろん内容も面白く、一気に読めた。思えば、内容と似つかわしくない題名の雰囲気も伏線だったのだろう。
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Posted by ブクログ
ネタバレ講談社ミステリーランド・シリーズの一作。と言っても子供向けと侮るなかれ。
日常の謎的な細かい謎や密室からの人間消失、そしてアリバイトリックありと本格ミステリのテイストが満載で、最終的に伏線が回収されるので結構楽しめた。
主人公である小学5年生たちが、RPGに出てくる魔王の居城「デオドロス城」に見立てた東京郊外に建つ洋館を探検した際に、そこで死体を発見してしまうことで事件に巻き込まれる。いや、自分たちで謎を解明しようと首を突っ込むのだが、やがて捜査に行き詰まり、最終的に知り合いの刑事に助けを求めたのはご愛敬か。
巻末の「わたしが子どもだったころ」と題したあとがきにつづられた著者によるちょっ