歌野晶午のレビュー一覧
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葉桜の季節に君を想うということ
元私立探偵の成瀬将虎が
同じフィットネスクラブに通う高校の後輩キヨシの頼みで、彼が密かに惚れている久高愛子の祖父の不審死と悪質な霊感商法の調査を依頼された。
そんな折、線路への飛び込み自殺を図ろうとしている間宮さくらと出会う。
前々から気になっていた歌野晶午先生の作品
桜前線も近づいてきたので読んでみようかなと…(葉桜とは
序盤から少し違和感を感じながらも
読み進めていくと あ…やられた。って感じの典型的な叙述トリック
物語のあらゆるところに鏤めてある伏線の数々を見事に回収していく様に
終盤は一気に読み進めてしまいました。
是非、再読したいと思った作品 -
Posted by ブクログ
ネタバレ犯罪にフォーカスを当てるのではなく、主人公を取り巻く環境、心情が色濃く描かれていてどのページも面白いと思えた。飽きが来なかった。出来事だったり第三者の発言に対して放った言葉ではなく心の中で思ったことがツッコミのような瞬発性のある面白い言葉で描かれていたので新しい面白さを発見した気持ち。にしても歌野さんは言葉で騙すのが上手い、騙されない人なんていないと思う。読み手と本の中の人物の視点のギャップを生かした叙述トリック最高です。殺人云々ではなくて、目に見えない愛の確かめ方、寂しさ、が心に響く作品だった。主人公に対する自分の気持ちがコロコロ変わる展開、すごく不思議な感覚だった。怒りから切なさに変わって
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Posted by ブクログ
これは面白い
天性のホームランバッター歌野晶午
三振もするがこれはホームラン
スーパーの万引犯の処遇を決める責任者と万引したダメ女の話しなんだけどなんか読みやすいなと思ってた所からの後半怒涛の展開
完全にこっちが緩い球投げてたとこに打ち込まれたわ
表紙が「葉桜の〜」に似てたから、あああれ系かな?みたいなノリで読んで、途中ああ違うのかなからの後半ウホっと興奮したよ
自分の死生観や家族の有り難さも考えさせられる筆力、奥深い作品でした
歌野晶午ファンは是非手に取ってもらいたい作品
°今回のタメになった言葉°
「桜餅に使われる葉は伊豆に多くあるオオシマザクラのものです、ソメイヨシノの葉は硬く -
Posted by ブクログ
歌野晶午の短篇ミステリ作品集『増補版 放浪探偵と七つの殺人』を読みました。
歌野晶午の作品は昨年4月に読んだ『さらわれたい女』以来なので、ちょうど1年振りですね。
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『葉桜の季節に君を想うということ』『密室殺人ゲーム2.0』で本格ミステリ大賞史上初、二度受賞作家による短編集
破格のミステリ趣向の凝集が、異様な、熱く冷たい高揚の中で多面的にきらめく傑作群です。
――柄刀一氏<「解説」より>
なぜ死体は動いたのか? 殺人者が犯した、たった一つの過ちとは? 「家シリーズ」の名探偵・信濃譲二が奇想天外な難事件の謎を見事な推理で解決する七つの短編に、幻の -
Posted by ブクログ
ネタバレ全部アンチハッピーエンディングと聞いて、そんな本があるの!?と気になって読みました。
今のところまだハッピーエンドになりうる、、と思って読むと見事にアンチハッピーエンディング。
不思議と後味の悪さとかはなかった。
叙述トリックが大好きな私は「サクラチル」と「尊厳、死」がどんぴしゃでした。この2作品は読み終わったあとに、あの文もあれもそれも、そういうことだったのか、ああーってなって読み返しました。
「防疫」「In the lap of the mother」の2つは特に、現代でも起こりうる、むしろ現代だからこそ起こりうることだなと他人事ではないような気がしました。何気なく見逃しているニュース -
Posted by ブクログ
歌野晶午さんの本を読むのは今作が初めてです。
いじめられている少年、太刀川照音(たちかわしょーん)。ジョン・レノンかぶれの父親と瑤子(よーこ)の間に生まれた彼の日記からこの物語は始まります。
母親、父親……と移り変わっていく語り口から、彼が神に祈り続けた結果、自分をいじめていた男子生徒が呪い殺されてしまったように見えますが、真相は果たして……?
という物語。
文庫本には珍しくずっしりと重い647ページの大作ですが、次はどうなるんだろうと期待が膨らんですぐに読み終えてしまいました。
いじめ描写がかなりリアルで、過度な脚色をされていなさそうなのが怖い。実際、照音のようにいじめに苦しん -
Posted by ブクログ
歌野晶午『間宵の母』双葉文庫。
『間宵の父』『間宵の母』『間宵の娘』『間宵の宿り』と4つの話で構成された連作形式のイヤミス風ホラー小説。
綿密に組み立てられた恐ろしい罠による恐怖の連続……
歌野晶午の作品を読むのは『葉桜の季節に君を想うということ』に次いで2作目。
間宵己代子と娘の紗江子、紗江子の娘の和香菜の三代に亘り、繰り広げられる忌まわしいき物語。最後の『間宵の宿り』で全ての謎が明らかにされるが、余りのことに愕然とする。
『間宵の父』。小学三年生の間宵紗江子には母親の己代子よりかなり若くてイケメンの夢之丞という名の義父が居た。ある時、紗江子と親友同士だった西崎詩穂の母親が夢之丞と