歌野晶午のレビュー一覧
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ある夏の終わり、〈私〉は軍艦島の世界遺産登録を記念して行われることになったプロジェクションマッピングイベントに参加するため、長崎港に到着したものの、台風の影響で船は出なかった。落ち込む〈私〉に一人の男が話しかけてきた。目的がなくなり、市内を一緒に回ることになった、その途中、彼と彼から紹介されたスマホの画面の向こうにいる『彼女』の身の上について聞かされる。美しい『彼女』はアイドルユニット『マイヨジェンヌ』のメンバー、ヴィーナスだ、と彼は言う。だけど〈私〉は彼の話に違和感を覚えて――「スマホと旅する男」
職を失い、定年一歩手前で主夫になった太郎。テレビ局のプロデューサーとして順調なキャリアを -
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ネタバレこの子、怖い。
神様はいない、という悲痛な叫びのような日記に同情
しながら、時には共感しながら最初は読んでいた。
日記の部分があまりに多くて、その多くは斜め読みし
てしまったけど、後半、母親に直接語りかけるような
書き方に違和感を覚えた。他にも母親に関することは
”こうして欲しい”と言ってるように聞こえて、最後で
腑に落ちた。
母親の”創作”という疑念は、息子がいじめられている
という事実を受け入れたくない気持ちからきたものだ
ったのかもしれないけど、多少は直感もあったのでは
ないかとも思う。
口から発せられる言葉と文字で書かれた言葉とでは、
人はどちらの方をより信じるか…というのは、確かに
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Posted by ブクログ
ネタバレ歌野晶午さんのホラーミステリーということで読んでみた。
間宵己代子は20歳以上年下の夫夢之丞に駆け落ち不倫をされて以来、年中おかしな行動を取り始める…
•己代子の娘紗江子に近づく同級生、紗江子の娘和香子の友達たちが、間宵家と関わる中で混沌に巻き込まれていく。
•家中のものに間宵夢之丞と書いてあったり、駆け落ちした不倫相手の女である西崎早苗の顔写真に”WANTED”の文字をつけたビラをあちこちに貼り付けていたり、己代子の狂っぷり(常にお経を読み上げていたり…お隣さんに毎日怒鳴り込んだり、己代子異常性が脳内でリアルに想像できて恐ろしかった。
•夢之丞はかつて娘の同級生に目をつけ、娘を使って家におび