歌野晶午のレビュー一覧
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虚構からの現実への侵食。そのゲームの真意とは
密室殺人ゲームシリーズの続編はここでは語れないネタバレの要素がたくさんあるためぜひ実際に手に取って読んでほしい。今作も五人のハンドルネームプレイヤーによ
るインターネット上での殺人ゲームの謎解きは「誰が殺したか」は明白、出題者ということで「どうやって殺したか?」といった古典的な謎解きに集中することができる。
と思ったらそれはまた違く、衝撃的な展開やトリックに驚き、そこには「なぜ殺したか」や人間関係といった背景や動機の要素も加わるといった何層もの構造が実物であった。
特に「意外性のある被害者」、「意外性のある加害者」、そして一つの殺人のために行われた凶行に含まれる狂気はもちろん読み手としてはフィクションとして捉えられる反面、この作品世界の人たちにとってはノンフィクションである。昨今現実と虚構、リアルとバーチャルが溶け合いつつある現状をまさに読み切った作者の想いがここにあると感じた。 -
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ミステリ短編集、全8編
七つの殺人というタイトルですが、増補版という事で8つの短編が収録されています
お得
以下抜粋して雑感
『烏勧請』
偶然の要素とか、それは犯人がそう考えたんでしょうでまとめられてしまうところとか、ちょっと気になるところはあるにはあります
が、納得してしまいます、説得力が凄い
収録作で2番目に好き
『有罪としての不在』
読者への挑戦付きの一作
探偵役の信濃譲二が語る「推理とはそういうものだ」という理論が印象的
そしてこの結末、いやー、やられました
収録作で1番好き、というか、これまでに読んできた短編ミステリの中でもかなり上位、とても記憶に残るお話でした
『マルムシ』
これが増補版で追加された一作
巻末で歌野先生が語るには、某パズル本に収録された一問と「トリックの原理だけでなく、それにより現出する事象も一緒で、見栄えが完全に一致していた」(P.438)との事
なるほどー
信濃譲二シリーズは『長い家の殺人』しか読んでいないので、残りの二作も読んでみたくなりました
これまた先生の巻末補足によると
「信濃譲二の探偵譚はもう書かないと決め」(P.440)ているようなので、なおさら読んでみたくなりました -
Posted by ブクログ
家にまつわる推理短編集。
とても面白く読みました。怖いような要素はあまりなく、それよりもふんわりと陰惨な雰囲気を漂わせながら、事件が起こり推理されていきます。
ミステリーとしてよくできていて、「家守」では、時を隔てた2つの事件が、全く絡まないように見えて最後の最後にリンクするというような驚きがあり、他の話も含めて作者がものすごく事件の仕掛けや組み立てを緻密に考えていることが伺えました。
叙述トリックというのでしょうか。意図的にセリフの発言者を誤読させてみたり、書かれてはいなかったが実はこのときはこうでしたみたいな後出しの設定とか、そういった不満を感じさせる要素もありませんでした。よくできたお話だなあと感心。 -
Posted by ブクログ
「間宵の母」の続編。
急にコメディ要素が強くになって、私は前作よりもこっちが好き。
主人公・柏原蒼空と前作の悪鬼・間宵己代子の会話劇がコミカルで、読んでいて楽しい。
それが、時々己代子が前に出てくるようになって、いざどうなる⁉︎というところから、ラストへの駆け抜けにはページを捲る手が止まりませんでした。
ラスト4行のどんでん返し。
湊かなえさんの[リバース]とも通ずるが、小説という文字でのみ表現される作品ならではのこういう仕掛けが本当に楽しい!
続編あるのかな?
あるよね?
ある意味ブレーンでもあった己代子と別れた蒼空がどうなっていくのか、続きが読みたい!