あらすじ
ブックススタジオのバイヤーが選んだ〈一気読み大賞〉第1位の前作『間宵の母』の続編。前作で孫娘の思考を含め身体を乗っ取った間宵己代子が、今度は寄生先を、自分に復讐しようとしていた十八歳の青年・栢原蒼空に乗り換え「生きることこそわが宿業」と、なおも生き続けようとする。著者最恐のホラー・ミステリー。書き下ろし作品。
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すっごく面白かった。
ぐいぐい話に引き込まれて、早くラストが知りたくてたまらなかった。
己代子と蒼空の掛け合いが笑える始まりから、1人の女の子と知り合い、話はどんどんシリアスに…それでも己代子と蒼空のやりとりは最後まで楽しかったけど。
そして驚きのラスト。どうかねたばれなしで読んでほしい。
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瀕死の重症を負った栢木に寄生した間闇己代子は機代の殺人者だった。
死んでも他人の人格に寄生できる存在となった間闇と、栢木悪事を重ねる栢木という設定が面白い。
さながら二重人格のように間闇に振り回される栢木の不甲斐なさが、最後に寄生される条件を見つけたことで一気に物語は栢木が主導してゆき、そして物語は最後に痛快な結末を迎える。
面白かった。
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タイトル通り、体をこの世に執着する女性に乗っ取られるストーリー。
よくこんな展開思いつくなぁと思うが、ちゃんと主人公と主人公の中の別人のセリフがわかるように、行間も工夫されている。
想像よりもブラックユーモア色が強かった。
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前作の話をだいぶ忘れているのだけど、巳代子がだいぶマイルドになっている気がしないでもない。
前作の感想がイヤミス感満載ぽかったので、今回もそういうのを期待したけど、意外に最後はちょっとしてやったりな結末だったかな。
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想定外のオチだった。設定は非常に面白く、これは前作があるのかな、と思ったらやはりそうらしい。
もっと続きが読みたくなった。でもミヨコが出てこないと面白くないので復活させて欲しい。アオの頭脳では大したことはできないし。
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あおくんの人生、切なすぎやしないか。
そして、己代子はなんかずるくないか。
歌野さんの小説は数えるほどしか読んだ事無いから、こんな感想を書くのもどうかと思うけど、イメージと違う。
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葉桜の季節にきみを想うということのどんでん返しで衝撃を受けてから、全く読んでなくて久しぶりに読んだ歌野晶午作品。人が人に寄生するという設定で結末はハッピーでもなく、バッドでもなく。
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期待値が高すぎた?
面白かったんですけど、期待していた方向とは違ってたの。
以下、ネタバレ。
前作で憑依してきた巳代子を葬ろうと、蒼空がボールペンで耳をさすという迂遠な方法での自殺を試みるところで終わっていました。今作はこっからです。
あんな方法でうまく死ねるわけもなく、蒼空と巳代子は仲良く共存してます。
この両者の掛け合いがユーモラスで最高。でも、蒼空は、いづれ完全に巳代子に乗っ取られるであろう自分を守るため、いろいろとあがくのですよ。
今作で、巳代子の邪悪度がかなりマイルドになっているようで、「宿業」とかいいながら、蒼空との共存生活、かなりエンジョイしてるみたい。蒼空の悲壮さとは裏腹に。んで、最後は人助けにいたる。憑依を手段として。
巳代子、成仏しちゃったのかなぁ。
続編が出たら、きっと読んでしまうと思う。
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2019年に刊行された『間宵の母』の続編。
約6年ぶりの続編という事で前作の内容を全く覚えていなかったが特に問題なし。
暑い夏の夜は、やっぱりホラーだよねと手に取ったが、これが全く怖くない。
装幀とタイトルから受けたイメージとのギャップが半端なく、良い意味で騙され、笑いながら読み進めた。
他人の身体の中に入り込み、寄生虫のように宿主の体や心を思いのまま操る稀代の悪女、間宵己代子。
のはずが悪女感は全くなく宿主との絡みはテンポのいい漫才のよう。
帯には著者最恐のホラー・ミステリーとあるが、本作は最狂のホラー・コメディ。
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不幸と業の倍々ゲーム! 弱肉強食と歪んだ社会を皮肉るホラーミステリー #中にいるおまえの中にいる
■あらすじ
間宵己代子は深い業のなせる能力により、栢原蒼空の意識に入っていた。己代子は身体を乗っ取りたいが、蒼空は対抗し続けており、お互い不満ながらも共存していた。二人は己代子の新たな宿主を見つけるため、遠縁の少女を訪れるのだが…
■きっと読みたくなるレビュー
よくもまぁこの設定で続編を書こうと思ったな、という感じの作品。でも、面白いっ
いわゆる意識がひとりに同居するという、特殊設定ホラー&ミステリーといった趣ですね。前作のネタバレになちゃうので、あらすじは詳しく書かなかったのですが、こうなるには前作での色んな背景があってことなんです。本作のみで楽しめますが、できれば前作『間宵の母』を読んでからほうがベターです。
また前作と比較すると、読むほどに不快になるといったホラー描写は少なめになりました。蒼空と己代子の二人の会話と、ストーリーや展開で読ませてくれるので、かなり読みやすくなりました。
会話のやりとりも、抑揚があり、テンポもありで好きですね。ただ、誰にでもおすすめできるかは微妙、やっぱり精神的にはハードな作品です。
本作では弱肉強食、生産性重視、歪んだ福祉社会を皮肉っている描写がされています。なんだか全然笑えないんですよ、今の日本がまるごとホラーなんじゃないかと思えてくる。
そして物語の終盤になると、予想通りの不幸の倍々ゲームで行き詰った感も最高潮!先生らしくしっかりとオチもつけてくれて、まだまだシリーズ続きを期待しちゃいますね。
■ぜっさん推しポイント
本シリーズではどうやっても不幸な子どもたちが存在する、といった社会の現実を描いている気がしますね… そしてすべての原因は、だらしのない大人が根元になってるというのが悲しい。
物語でのネガティブな世界観は大好物なんですが、現実は明るく楽しい未来がいいですね。
Posted by ブクログ
真宵の母=真宵己代子は、宿主を変えて生き続けていた…
前作では、孫娘に取り憑いていたのだが、娘が全てを消し去ろうと火をつけた際に栢原蒼空の身体に乗り移ってしまった。
頭のなかで聞こえる己代子の声を終わらせるには死ぬしかないと尖ったペン先を耳の奥に突き刺したのだが…。
蒼空を思いのまま操り、支配し続ける己代子。
蒼空と己代子の会話は、普通に孫を諌める頑固な祖母といった感じなのだが、思いのまま動けない蒼空。
自分の家族が最悪であった為に同じ匂いのする者がわかるのか、訳ありのリアナのことを突き放すことができない蒼空が、父のミツルと対峙する。
彼が命をかけてとった行動は…
恐怖なのだが、ここまで支配するとは思わなかった。
続くのだろう、続いていくのだろう。