歌野晶午のレビュー一覧
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ネタバレwhiteのときも思ったけど、最後の一行というタイトルでまとめるほどの驚きは別にない。
普通にミステリーのアンソロジーだったら最後に期待しない分もう少しおもしろく感じられそうだけど…
『プカプカ島』は初読みの作家さんだったし、オノマトペに気を取られすぎでいたから、最後の黒い卵の正体に「わー!そうだったか!そう言われればそうだよ」と楽しい驚きだった。
結果、一番おもしろい作品だった。
『雷鳴と稲妻』はこの夏メルカトル鮎シリーズに手を出そうかと考えていたので、様子見にちょうどいいと思ったけど…なにこれ?
ストーリーもおもしろい、ミステリーの世界観も好み、なのに最後ちょっとよくわからん。
本当にそんな動機で殺人するの?メルカトルってそういう人なの?それでシリーズ成り立つの?
???
とりあえずこの夏手を出すのは見送ろう。 -
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それは令和のことであった短編集、8篇
「彼の名は」小説NON2023年3月
2025年の戸籍法改正施行を見込んでの創作なんでしょうね
なかなかの令和のことでした
「有情無情」
幼児をターゲットにした犯罪は、昔から後を絶たない。ただ、令和を迎えて、幼児に対しても身体を触るなど本人に不快感を持たせる行動に犯罪として意識が高くなりなました
なるほど令和のことでした
「わたしが告白する」
いつの時代にも多少はあったと思われる
引きこもりが、長期化して80-50問題などと言われ始めたのは 令和になってからだろうか
長年潜伏していた問題が、令和で限界に達した
気づけば令和のことでした
「君は認知障害で」
それは苦手分野の令和のことでしたが、
この設定は嫌ですねえ。
直接くるより ダメージが大きそうです
「無実がふたりを分つまで」
なるほど
さすが令和のことでした。
ただ 私は作中に出てくる ジャマーがなんのことかわからないで読んでいましたので、なんの話だか?でも 最後のオチは
令和になってからたびたび目のする気がします
「彼女の煙が晴れる時」
なるほど令和のことばかり
藤井聡太さんの快進撃はいつからだったろうか?煙草が絶滅危惧種となり始めたのはいつだったろうか?
歌野さんらしい トリックもあり
解決策もあり よござんした
この作品は この単行本の書き下ろしのようです
近年の社会変化を扱った作品を発表されていて
後から「令和」というくくりで短編集としたのでしょうが 違和感なく収束されていると思いました -
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ネタバレ読み終えてから「間宵の母」とやらの続編と知る。
タイトルや表紙だけで選んでいる弊害が出てしまった結果だ。
しかし間宵巳代子と栢山蒼空とのやりとりの中でおおまかな過去がわかるのでこちらから読んでも特段不便は無いかも。
孫娘への角膜移植をきっかけにその人物の乗っ取りに成功した昭和18年生まれの巳代子。
火災によって孫娘が亡くなる時に18歳の少年、蒼空の身体に入りこむ。
本来なら早くて半年でその人物の完全な乗っ取りに成功しており、身体は器でしかなかった。
しかし蒼空の身体は一筋縄では行かない。
頭の中から聞こえてくる巳代子との共同生活の中出会った、毒親に虐げられている少女リアナ。
虐待の末施設育ちの蒼空は昔の自分とリアナを重ねる。
口が悪い頭の切れる巳代子と、毎日に希望を持てない蒼空が最終的に決めた未来とは。
歌野さんらしくラストで覆してくる感じ。
テンポの良い二人の掛け合いと、他人の身体に寄生できる法則を探るあれこれが興味深くすらすら読めた。
スーパーのビニールが開けない指先。
何もない所で躓く足。
熱い食べ物でむせる喉。
日に日に老いを実感する我が身体もこんなふうに寄生出来た上に思考まで乗っ取りできたらと、寝室からの階段の最後あと一段あると思い込み空中散歩して死を覚悟した自分がいた。
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虚構からの現実への侵食。そのゲームの真意とは
密室殺人ゲームシリーズの続編はここでは語れないネタバレの要素がたくさんあるためぜひ実際に手に取って読んでほしい。今作も五人のハンドルネームプレイヤーによ
るインターネット上での殺人ゲームの謎解きは「誰が殺したか」は明白、出題者ということで「どうやって殺したか?」といった古典的な謎解きに集中することができる。
と思ったらそれはまた違く、衝撃的な展開やトリックに驚き、そこには「なぜ殺したか」や人間関係といった背景や動機の要素も加わるといった何層もの構造が実物であった。
特に「意外性のある被害者」、「意外性のある加害者」、そして一つの殺人のために行われた凶行に含まれる狂気はもちろん読み手としてはフィクションとして捉えられる反面、この作品世界の人たちにとってはノンフィクションである。昨今現実と虚構、リアルとバーチャルが溶け合いつつある現状をまさに読み切った作者の想いがここにあると感じた。