歌野晶午のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
この一冊の満足感がすごい。
過去と現在の話が交互に登場し、いまいち時代感覚を捉えきれず話が進んでいく。また、話のジャンルもさまざまであり、短編集を読んでいるような感覚なのだが、少しずつ話がつながっていることで、疑問を残したままそれぞれの話が幕を閉じる。最後に全てが回収されるが、全く警戒していなかった形でのどんでん返しがあった。少しは、勘づいてしまいそうなのだが、話の書き方と展開のみで、最終盤まで楽しみを残しながら読み進めることができた。
ミステリ、アクション、サスペンスでありながら恋愛でもある収まりきらないようなジャンルの押収に加えて、おそらく作者が伝えたいことの着地の裏切られた感覚が本当に面白かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ探偵である成瀬と麻宮さくらの出会いは、彼女の自殺を止めるところから始まった。
怪しげな詐欺会社、蓬莱倶楽部の陰謀を暴くことは出来るのか?麻宮さくらとの関係はどうなるのか!?
結局、ジジイとババアの話だったんかーい!!やられたーーー!!
これの一言に過ぎる。
登場人物が全員、ジジイとババアだったのだ!
舎弟のような後輩、美しいお嬢様のマドンナ、気の強い妹、全員高齢者だったのだ!
だとしても話に辻褄が合うし、むしろそうでないと繋がらない部分もあって、腑に落ちた。
時代背景の説明など読み飛ばしたところもあるが、そこにヒントが仕込まれてたのかもしれない。名作に不要な部分はないのだなー。
特にヤクザに潜入捜査するところは面白く読めたし、同じ不正をしていても、正義のためか悪のためか、見え方が違うし、最後の何歳からでもやり直せる話は刺さるものがあったな。
王道ミステリーではないものの、物語として退屈な部分はほとんどなく、トータルとして面白い作品であった。