歌野晶午のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
歌野晶午さんによる短編集、令和の時代に蔓延る人々の陰湿さや権利主張、対話や協調よりも相手を如何に打ちのめすかの叩きや拒絶などアフアーコロナで浮き彫りになった人々の温かさの欠如、手を取り合わなくなった個の世界が広がっている。どの短編も現状の問題に対する作者なりのアンサーが描かれており、短編を8つではなく幾つもの長編を読んだような心への訴えが感じられた。
「彼の名は」では親の主義主張に翻弄された子どもの生きづらさや苦心が描かれて、それは最後の一行でより明らかになった。
「有情無情」では事実の切り取りにより権利や迫害を主張し相手を捩じ伏せようとする最近のネット社会にある人の惨さが、地域社会という -
Posted by ブクログ
ネタバレ2025.08.21 (木)
ポイントカードみたいな本だった
時には、自分にハマらない話もあったけど、コツコツ読み進めてその度にシールを集めて貯めて、最後にカード1枚全部埋まったような
最初から順を追って最後まで読んだ人にしか味わえないご馳走……
これが走馬灯……??女 !の最後から、落とした木の実をポツポツ拾っていくような感覚で読んでたたのしい〜〜〜〜歌野晶午だいすき〜〜〜
記憶消してもっかい読みたいな〜〜〜解説にも載ってた雑誌掲載時の順番で初見で読みたい〜〜
この本は大和であり、五十嵐であり、弓木であり、板橋継世であり、永嶌であり、DJマイケルであり、大輔であり、馬渡であり、ロレッ -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。
ハッピーエンドじゃないお話の短編集。
ハッピーエンドじゃないとわかってて読むから、それ
以上それ以外のものを期待してしまうけど、裏切られ
ない。
『おねえちゃん』
年齢を考えると、勘違いも許せてしまうんだけど、あれ
はないわ。怖い。
『サクラチル』
最後まで読んだ後すぐに最初から読み返してしまった。
『天国の兄に一筆啓上』
手紙。亡くなった兄への心温まる手紙と思いきや…
『消された15番』
この母親の悔しい気持ちはよくわかる。何でもないよう
に見える日常の一コマが誰かの大切な一瞬を奪っている
こともあるんでしょうね。皮肉な結末です。
『死面』
まあ、そうなるよね。
『