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著者の企みに舌を巻く! 哀しみと可笑しみの令和ミステリー 小学生のときは女男と指をさされ、母親からはあなたの代わりは誰にもつとまらない、胸を張れと言われる。 平穏を求めて入学資格に性別条項のない私立の中高一貫校に入るが、いじめはさらにエスカレートし、みじめな姿がSNSで世界中にさらされていく。 それは僕の名前が太郎だから――(「彼の名は」)
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Posted by ブクログ
歌野晶午さんによる短編集、令和の時代に蔓延る人々の陰湿さや権利主張、対話や協調よりも相手を如何に打ちのめすかの叩きや拒絶などアフアーコロナで浮き彫りになった人々の温かさの欠如、手を取り合わなくなった個の世界が広がっている。どの短編も現状の問題に対する作者なりのアンサーが描かれており、短編を8つではな...続きを読むく幾つもの長編を読んだような心への訴えが感じられた。 「彼の名は」では親の主義主張に翻弄された子どもの生きづらさや苦心が描かれて、それは最後の一行でより明らかになった。 「有情無情」では事実の切り取りにより権利や迫害を主張し相手を捩じ伏せようとする最近のネット社会にある人の惨さが、地域社会という閉じた場でどのように人を苦しめるかを痛々しく描いている。 「わたしが告発する!」では引きこもりの姉をもつ家族の苦しみ、それによる生きづらさや引きこもりの姉に隠された真実が生々しく描かれている。 「君は認知障害で」ではゲーム中毒で大学に行けなくなった青年のリアルの世界での、リアルだからこその仮想にはない肉感の伴った羨望や欲望、衝動性などが描かれていた。 「死にゆく母にできること」では、母に支配され母の言いなりに育った娘が家庭に対してどのような再生産をしているか、死が近づく母とどのように最期を分かち合うか、心の叫びが行動に現れていた。 「無実が二人を分かつまで」では炊き出しに並ぶ人に興味を持った男が自分もまた興味から仕事を辞め、炊き出しに並んだり、日雇いの仕事をし始めたりする。そこで出会った人の真実は今の世相を反映しているような解決編ならそこにはあった。 「彼女の煙が晴れるとき」は再婚により血の繋がりのない家族ができた主人公が、コロナ後の後遺症に苦しむ家族との日々の関わり、そこのストレスから依存してしまう煙草どの関わりが描かれている。これもまた読み終えたときに現代社会への見方が大きく変わり、題名の意味合いがより心に響く。 ラストに一つ短い作品があり、それはヤングジャンプ系に掲載されたとのことだった。 作品全体を通して令和を生きていく我々世代の葛藤や悩み、課題などを丁寧に表現されていておすすめできる。一日に一短編を読むとかでも良いと思う。
様々な家族の話。 すごく胸抉られる話も、自分と重ねてしまう話もあった。 「君は認知障害で」は、事態の深刻さを微塵もわかっていない本当にアホとしか言いようがない大学生と独自のやり方で息子を守る父親の話。父親の愛に感動してしまった。 歌野さんの話は、葉桜の季節に…以来の2冊目。 読みやすい!そして読み...続きを読むやすいだけじゃない!ファンになりました。
短編なのに最後にしっかりやられました すごく良かったです 「彼女の煙が晴れるとき」が1番騙された タイトルありきの作品か 後付けのタイトルなのか どちらにしてもとにかくセンスいいな〜と思った 昭和生まれだけど 令和の時代についていけるよう頑張ります!
*一行を読み逃せば、謎の迷宮から出られない。奇想の歌野ワールド、珠玉の作品集。新しい価値観のゆらぎが生み出す7つの悲劇* 確かに、この作品は令和ならではのストーリーです。 巧い!と唸りながらもやるせなく、背中がぞわぞわする展開も相まって、参りました感でいっぱいです。 いつからこういう時代になってし...続きを読むまったのか… やや誇張されていると思いますが、今まさにどこかで起きているようなお話ばかり。 イヤミスよりもっとおぞましい読後感、さすがです。
昭和、平成とは違った令和の考え方。 令和だからこそ起こる話を描いた短編小説。 おもしろかった。 しっかり読んでおかないとオチがわからなくなる。 オチが強いものもあれば弱いものもあったけど、面白い話ばかりだった。 「有情無情」が好きだった。 昔は近所の子を助けるのが当たり前だったのに、同じようにする...続きを読むと令和の時代では・・・ 「彼の名は」のオチは流石にわからんかったな。 伏線は散りばめられてるけど、さらっと流してしまうようにつくられてる。 「無実が2人を」までもオチ読めず、最後あっとやられてしまった。 さすがやね。 歌野さんの文体がすごい好き。 スーッと頭の中に入ってくる。 どの話もいい味が出てて、良作だった。 また忘れた頃に再読したい。
タイトルが気になって読んでみましたけれども、割合面白かったですね! 社畜死ね!! ヽ(・ω・)/ズコー 叙述トリックというんでしょうか、自分はよく分からなかったけれども、物語の最後まで読んでああそうだったのか、みたいな落ち着きが得られるかと思いきや、そうではなく(!)前述したように僕はそのトリ...続きを読むック的な文章に気が付かなかったので最後まで読んでみてちんぷんかんぷんでした…(!) 社畜死ね!! ヽ(・ω・)/ズコー でもまあ、トリック以外の部分、登場人物たちの心情などに関するところでは共感もしましたし、特に女性の内面部分に関するところなんて大分あれですね、リアルですよ! 著者は女性なんじゃ?? と思うほどでした…社畜死ね!! ヽ(・ω・)/ズコー この著者の有名な作品、葉桜が~を読んだことがあり、これもまたこれで面白かったのですが、本作もなかなかの秀逸ぶり…他の著作も読んでみたくなったのでした…。 さようなら…。 ヽ(・ω・)/ズコー
いくつかの短編からなるのだけれど、それぞれのテーマというか設定が、なかなか読んだことのない設定ばかりで新鮮だった。話はそれぞれ、しっかりと小説で、変に奇を衒うものではなく、意外な結末もあり、ホロリとさせる話ありという感じで、面白かった。
短編なのに読みごたえあり! 長く楽しみたいから長編の方が好きなんだけど、 選んでよかった。 「わたしが告発する!」のわたしって??
紙の本ならではの面白さあり! すっかり騙されました。笑 短編集で、最後の一文に毎回痺れる作品集でした。 気に入ったので、歌野さんの作品を何冊か購入しました。
違和感を抱きながら読み進めた先の結末はいつも驚かされる。 想像した世界が一気に反転する歌野マジック。 さすがでした。 「葉桜の季節に〜」を読んだときのような反転具合に騙された感とお見事!という気持ちと。 現代の社会問題に関連した作品が続き、生きづらい世の中だなあってため息が溢れます。 令和ってこんな...続きを読む時代なのか。
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それは令和のことでした、
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歌野晶午
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葉桜の季節に君を想うということ
●●にいたる病
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