歌野晶午のレビュー一覧
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おどろおどろしい題名にも拘らず、冒頭は可愛らしい「ジュブナイル風の物語」が始まります。途中で「日本人留学生と切り裂き魔の物語」が始まり、更にその途中で、メインの「安達ヶ原の鬼密室」の物語が始まります。
これらの物語に共通点があるのですが、それが「安達ヶ原の鬼密室」の謎を解く鍵になっています。途中挿入されている「密室の行水者」がバレバレのヒントになっているのは残念ですが、非常に斬新な構成だと思いました。
メイン以外の物語は完全に独立した物語なので、一緒に収録する必然性がないのが難点ですが、一風変わった作品として一読の価値があると思います。 -
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ネタバレぶっちゃけ、だから何。と言いたくなるような。
汚らしいものが汚らしく描かれたものをどうして楽しく読むことができるのだろうか。葉桜でもあったが、あれの原型的な叙述トリック――つーか、xxオチ。
ありえんだろ。って言いたくなる全体的な構成。
新しい様式に挑戦しているとか、ネットを取り入れた前衛的な作風は感心するが、今となっては古びている問題もある。
十年前に読んでいれば評価は違うのかもしれないが、ギャル語的なものを今更読んでみても、という気しかしない。
ただ、歌野らしい文章の上手さとか美味さはあるし、女王様の正体はそうくるか。と驚きはあるけれど、やっぱり、「アレ」は微妙だよな。としか言いようが -
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ネタバレ3-
【完全ネタバレ感想】
本編のほとんどは信濃譲二?の一人称で語られるのだが、『長い〜』や『白い〜』の既読者からしてみれば(先に『放浪探偵〜』も読んでいればなおのこと)、こいつは違うなという印象を早々に抱くのではないだろうか。書かれて然るべきことが書かれていないと読み手に気付かれると、作者の作為は簡単に見抜かれてしまう。途中、容易に考えつきそうな自作自演説に一切触れず、物理トリック推理合戦に突入するのも腑に落ちない。そもそも残り頁数からこれが茶番だと察せられて空しいし、何しろ事件の真相は、その真っ先に想像のつく最もありそうな結末に落ち着くのだから、拍子抜けもいいところだ。
ミステリの創 -
Posted by ブクログ
(2013.1.24再読)
う~ん、一度読んだことのある本なのに、内容をすっかり
忘れているという私の頭は、一体どうなっているのでしょうか……。
作者の名前にもあまり馴染みがないし、タイトルだけみても
「恋愛ものか……? でも私、そんなもの読んだっけ…?」
と思っていました。
タイトルだけでは、ミステリーだとは思いもしませんでした!!
読んでいくとだんだん、「ああ、こういう趣向か…」とわかってくるのですが、
どの結末も芳しいものではなくて、子育てがちょっと怖くなりました。
我が子は、雄介みたいに頭がよかったりするわけではないので、
大丈夫だとは思うけど……。
この作者の、「葉桜の季節に