渡辺淳一のレビュー一覧

  • 失楽園(下)

    Posted by ブクログ

    死を引き立て役にして雰囲気を弄んでいるうちに、気づくと死に絡まり陥っていく哀れな2人。どっぷり浸かっているようで最後まで冷めた視線も残っている久木と、死を幸福な夢と思い込む凛子、少し男女の違いがある。阿部定、有島武郎。太く短い恋。幸せの絶頂の死。仕事も家庭も社会も捨てるしかなく、現実離れした大人の純愛というのは、こういうものなのかもしれません。


    「「わたしたちが死ぬこと、まだ誰も知らないんだわ」久木はそれにうなずきながら、凛子とベッドのまわりに漂う死の快楽に馴染んでいく自分が愛しく、不思議である。」

    0
    2022年03月09日
  • 失楽園(上)

    Posted by ブクログ


    不倫もの。日経新聞連載だったらしく「おじさんの妄想する不倫」って感じで、ぎりぎり読める官能小説。「女体の神秘を思う」「女は「やめて」と叫びながらも諦めたように…◯◯は熱く燃え…」こういう小説があるから女性の身体と性をいいように誤解する人がいるのでは…勝手に久木がムラムラしてやってるだけじゃないか、それを愛と開き直ってるだけじゃないかと思う…
    それはそれとして、不倫がテーマのものは、錦繍など生理的に受け付けない上に後ろめたさやこっそりしている感じが嫌いで全然読めないんだけど、逆にこれはすがすがしく、華厳の滝、夜桜の下の野天風呂、薪能、緋の襦袢、鯛の兜焼きと蕗の和物など、小道具として出てくるものがしっとりしていて美しく、読めるか読めないか、で言うとついついさっくり読んでしまいます。

    0
    2022年03月06日
  • 鈍感力

    Posted by ブクログ

    昔流行語大賞を取った有名な本です。2010年の本なので10年以上前ですね。鈍感力の定義として、「嫌なことがあってもそこにとらわれることなく、前向きに前を向いて歩いていこうという力」というのは納得です。でもそれを説明する例え話が今だとセクハラ、モラハラ、パワハラになりそうな言葉ばかりで読んでてちょっとヒヤヒヤします。

    0
    2021年09月25日
  • 遠き落日 下

    Posted by ブクログ

    野口英世のイメージがガラリと変わった。
    そもそも、知ったフリをしていただけと分かったのだが。

    ここまで研究に明け暮れ、地位や名声を追い求め、生きて生き抜いて、一生を終えるとは。そのパワフルさに圧倒された。この世は野口英世が生きるに値する世界だったのではないか。

    0
    2021年07月11日
  • 別れぬ理由

    充

    購入済み

    夫婦とは?

    夫婦は、所詮他人です。だからこそ互いを気遣い時に、喧嘩をする。
    作品中で、夫婦が浮気してもやっぱり相手に取られたくない。怒るのは愛する証 愛していなければ怒らない。熟年離婚は、些か現実離れしている。生活力もそうだが、心の安心感がない。
    失って初めてわかるのかも知れない。

    0
    2020年06月14日
  • 鈍感力

    Posted by ブクログ

    医学的知見をさりげなく交えながら、鈍感であることが人生を豊かにすることを説いた本。
    読む前は、小説家的独善な内容かと思い込んでいたが、全然違った。
    意外と面白かった。

    0
    2019年11月21日
  • 鈍感力

    Posted by ブクログ


    一見、ネガティブワードの鈍感力。
    現代では、シャープ、クレバー、敏感といった人が持てはやされがちです。
    一方で他人の目や言動を気にしすぎて人間関係などで苦しんでいる人も多いのも事実。

    あまり周りを気にしすぎず、包容力をもって、ちょっと鈍感なくらいな包容力を持っていた方が、人生楽しく健康に生きられる。
    そんなほっこりした本です。
    アドラーっぽい感じがしました。

    0
    2019年10月03日
  • 孤舟

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    定年退職した威一郎の生活を描いた小説。定年後、家にずっといるので妻とうまくいかず、出て行かれてしまう。その間にデートクラブの女性と知り合い、少しは気が紛らわせ、自分のことを自分でできるようにもなった。妻が戻ってくるといなくなった間に自分が変わったことに気づかされ、今後の生活を見直すことになる。

    0
    2019年01月19日
  • 白き狩人

    Posted by ブクログ

    二番町先生はまさにサイコパス。この時代からサイコパスを主人公にした小説があったとは。衝撃的。
    医療制度の問題点や女のマウンティングへの指摘は本質ついてると思う。
    作者は男なのに、どうしてこんな作品が書けるのか。医師だから?患者を取材もしくは観察しているのか。少し不気味。
    ここまで書いて気づいたけど、この作者、失楽園書いた人だ。性の描写になんか納得。

    0
    2018年11月27日
  • エロスの記憶 文藝春秋「オール讀物」官能的コレクション2014

    購入済み

    粒揃いの作品集です。小池真理子さんの作品を目当てに買いましたが、各先生の作品それぞれ格調の高いエロスで楽しめました。このお値段でこの内容はお得です。

    1
    2020年05月05日
  • 遠き落日 上

    Posted by ブクログ

    野口英世の伝記
    幼き頃の火傷で左手が不具に。しかし、その不遇の境遇をバネに勉学に勤しみ単身私費で渡米し幾多の苦労を乗り越え大学助手までに至る。

    千円札の偉い人程度しか知らなかった。
    勉学、語学、忍耐力が人並み外れて優秀だった一方で、金遣いが荒くエゴイストであり、友人には是非ともなりたくないような人物だった。

    千円札にもなる人はさぞかし立派な御仁であろうと思っていたところのギャップがあり面白い。

    0
    2018年10月31日
  • 愛の流刑地(上)

    Posted by ブクログ

     以前に失楽園を読んだことがあるからある程度想像していたことではあるが、ポルノ小説を読んでいるかのような感じの描写が続く。かといって退屈するわけではなく、決して若いとは言えない主人公たちの不倫愛を一気に読ませてくれる。

    0
    2018年10月22日
  • 鈍感力

    Posted by ブクログ

    さらりと読めるエッセイ。視点がユニーク。鈍感であることの効能をいろんなシチュエーションで語っている。

    0
    2018年10月21日
  • 流氷への旅

    Posted by ブクログ

    古い小説ではあるけれど、真夏に流氷の話を読むのもなかなかおつなものだろうと思ったけれど、主人公の狂った恋に落ちた話はまさに熱かったw
    古臭い設定ではあるものの、古いからこそこうでないとって思いながら読める。今の若い人のはついてこれないだろうなぁと思いながら懐かしさ半分もあって面白く読んだ
    女こうありき、男こうありき
    古き良き時代の物語
    ただ、ラストの締めくくりはどうもまとまらず放棄した感が無きにしも非ずだったかなー

    0
    2018年08月25日
  • 女優

    購入済み

    なるほど

    この小説によって松井須磨子のことがよく分かりました。男女のことも渡辺淳一氏ならではの思いがよく表れていると思います。

    0
    2017年10月26日
  • 夫というもの

    Posted by ブクログ

    渡辺淳一版の『話を聞かない男 地図が読めない女』のような?内容も、かなり男性目線からの記述なので、女性からすると面白く思われない内容が多いかもしれない。
    男性目線からの正直な語り口がなかなか面白いエッセイ集。

    0
    2017年08月20日
  • 桐に赤い花が咲く

    Posted by ブクログ

    渡辺淳一が推理小説を書くなんて意外性があり。
    医者という視点がよく生きている。
    桑島という勘で事件を解決するという古典的な捜査手法。
    若手刑事の和泉がパートナー。
    この和泉は、あまり役割を果たしていると言えない。
    桑島が ゴルフの練習に行って、骨にひびが入る
    という導入部が おもしろい。

    局部をメッタ刺しにされた若い女性が発見される。
    それが、小室聖子といい、ゴルフの練習所の受付嬢だった。
    桑島は 殆ど思い出せなかった。
    小室聖子のパトロンが、梅原病院病院長だった。
    梅原夫人の冷ややかな対応。

    そこから、犯人像が浮かび上がってくる。
    うまれつきの不具な身体。ふたなり。
    それを小室聖子に笑われて、
    殺人の動機が 特殊で個人的なものだった。
    医者らしい編集による推理小説。

    梅原夫人の立ち位置が、うまく設定してある。
    桑島刑事の勘が あたっていたと言うことなんですね。
    桐の花は 藤色。
    遺伝子組み換えで 赤色にできるのかな。

    0
    2017年03月04日
  • エ・アロール それがどうしたの

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読み始めて半年以上(笑)やっと読み終えました

    実は作者の作品を何度かチャレンジしながらも挫折していたのですが、これは楽しめました

    高級高齢者施設で起こる様々な問題
    とりわけ高齢者の恋愛や性について

    まだ、その年齢に達していない私は
    やはり高齢になれば身体的にも精神的にも
    そういった事とは無縁だとアタリマエに思っていたが
    自分がもっと若いころ・・・今の自分の年齢で恋だの愛だの
    悩んだりするなんて思いもしなかった事も思い出した

    こんなステキでドキドキする数十年後を送れるよう
    私もまだまだ楽しくドキドキする事を楽しまなきゃ!

    0
    2017年01月20日
  • 仁術先生

    Posted by ブクログ

    時代背景が古いが面白い。大学病院のDrが小さな町の開業医となった。いろいろな病気で悩んでいる人に、病気を看るだけでなく、その人の人間的な部分を基本に診療やアドバイスしているので、温かみがあって読んでいても心が温まる話が多かったです。短編なので、サクサク読めました。

    0
    2016年03月24日
  • 仁術先生

    Posted by ブクログ

    大学病院を辞め東京下町に移ってきた円城寺先生と、下町の患者たちの人情味溢れる日々の往診の話。
    浅田次郎とか好きな人なら気にいるだろうな、な世界観を背景に、「エロ」と医学の知識を絶妙なバランスで絡めて話が展開するあたりがこの作者の技術力なんだろうなあ。男女の性がテーマの話ばかりなのに、変ないやらしさがなく読めるのが凄い。

    0
    2016年03月11日