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大手広告代理店の上席常務執行役員まで務めた大谷威一郎。関連会社の社長ポストを蹴って定年退職した。バラ色の第二の人生を思い描いていたが、待ち受けていたのは夫婦関係と親子関係の危機。そして大きな孤独だった。犬のコタロウが側にいるだけのさみしい日々がつづく。人生最大の転機を迎え、威一郎の孤軍奮闘が始まる。定年退職後、いかに生きるかという一大社会問題に肉迫した異色の傑作長編。
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Posted by ブクログ
引退したら暇になるのだろうか。 今はまだ想像出来ないけど、何か準備はしておいた方が良さそうな気がする。 男の言動や思考がリアルで面白かった。
定年を主題にした小説。定年後、自宅にいる時間が多くなる古老男性。自宅での妻の仕草やかまってくれないことへの不満と苛立ち。子供たちはすでに自立。かまってくれるのは、犬ばかり。定年を迎える前の男性に薦めたい1冊。
職場の上司に勧められたのがきっかけ。 広告代理店で役員まで務めたが社内政治に敗れ、関連会社の社長の座を捨て退職した主人公。 家に毎日いると妻とのすれ違いがどんどん広がっていく。 まもなく同じイベントがやってくるのだが、自分はここまでひどくないと確信する。 渡辺淳一にしてはエロ要素がないが、エ...続きを読むロ要素を期待させる一面はある。
2010年に出版された時点から2020年の今日から見ると、背景は大きく変わっている。しかも悪い方向である。でも読むべき価値は十分にある。そして、この本は働きはじめの人に読んでもらいたい。特に会社に社畜となった時点で読んでみるといいと思う。また個人事業主の両親をもつ(自分がそうだった)人にも学ぶべき点...続きを読むは多い。人は必ず年をとる訳で、それがどのような取り方になるかは、社会人のはじめに考えたかそうでないかでかなり違うのではないか。この本はそれを教えてくれる1つになると率直に考えた。
2015年19冊目 大手広告代理店で役員までなった男が定年になった。 働いている時は寝に帰るだけの日々。 定年になって自分がうちにいることになれば妻は喜ぶ事になるだろうと思ったが、妻は妻の世界を作っており、夫がいることでストレスが溜まっていく。 男にはそんな妻なことがわからない。 ついに妻は家を出て...続きを読むいくことに。 さあ、どうなるのか? 会社一筋、うちの事は妻まかせのお父さんは今のうち読んで方がいい物語です。
定年後の自分はどうなるんだろうか?と自分と重ねながら読み進めた。多分プライドとか過去の役職とか、そんなものを身にまといチュージィなじじいになってしまうのだろうか?車に乗っていて目にするのは結構な渋滞の時、年配の特におじさんの中には意地でも割り込みさせないという人が時々いる。あそこまで必死な態度は一体...続きを読む何だろうと思う。話がそれたかもしれないが、あんな人にはなりたくない。おおらかなじじいになりたい。
きっかけから、普段ない読み方でもあったので、このストーリーは、どこへ向かうのかと、ちょっとハラハラというのは言いすぎでも、先がわからず読み進む感じでしたが、文章自体は読みやすく、ただ連載小説なりの、章ごとの重複もあって、と、叙述がやっぱり間延びする感じというのを覚えつつ読みました。 最後、おおとりと...続きを読むなって、むしろ、スッキリした気がしました。渡辺淳一さん、お若い頃の名エッセイ『公園通りの午後』と、あの話題作『失楽園』を読んだ記憶はあるのですが、その他の作品は読んで来なかったので。 この威一郎の物語を、現代の象徴として書かれたのであれば、それは、当を得ているのだろうと、最後はそう思えました。
定年退職後、仕事に打ち込んでいた主人公は 思いもよらなかった事にことごとく直面していく。 妻と旅行したり買い物に行ったりのんびりしたり…。 そんな夢を思い描いていたにもかかわらず 現実はまったく違うもの。 それに理不尽に起こる主人公。 ものすごく亭主関白、といえばまだ大丈夫そうですが 単なる自己中...続きを読む心的夫。 核家族になった今、これは無理です。 最初から最後まで、女性相手には 駄目だしをくらうだろう生活態度。 男性にしてみれば、当然の生活態度。 どうしても上に立つと、その癖がぬけません。 それが生活の一部、ですし。 どうして、相手の立場にたって、ができなくなるのか。 プライドが高いのは面倒です。 とはいえ、そのまま放置して楽をしてきた妻にも 問題があるといえばあります。 しかしこの夫相手だと、少しずつ改善、よりは 崖から落とした方が早いのも確か。 驚くほど典型的な、定年退職後。 ある意味、世の中の男性に『退職後は気をつけろ』と 警告できる本です。
この著者の作品といえば男女のどろどろとした愛憎を描いた作品が思い浮かぶ。いくら制したくても制しきれない情念が生み出す悲劇が得意だ。しかし本作の主人公は哀れな退職者だ。会社という特殊な社会に特化したために、一般社会に適合できず、家族にも見放される哀れな老人なのである。それは孤独でもあり、滑稽でもある...続きを読む。私自身かならずしも客観的に読めない年齢になって、必ずしも笑い飛ばせない哀愁が感じられるのだ。
定年退職後、いかに生きるべきか?! というオビにそそられて、この歳になって初めて「渡辺淳一」本を購入しました。 こうはなりたくないという反面小説でしたね。 主人公のアホさ加減にムカムカさせながら、スラスラと読めてしまうところはさすが人気作家ということなんでしょうね。 自分の退職後の人生はもう少...続きを読むしはマシだなと思わせてくれるところも少なからずあったんですが、大手広告代理店の上席常務執行役員まで務めたという経歴まであるのなら、社内外でそれなりの教育なり様々な情報に接する機会が多くあったはずで、こんな見識の人間が役員になれるはずもないんだが・・・とか、デートクラブの話にしても、こういうリアル感のないお話と比べたところでどうしようもないか。 (2013/10/17)
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