渡辺淳一のレビュー一覧
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渡辺淳一氏の作品は何と言うのか色っぽい作品が多いですが私が読んだことのあるこの方の作品は「花埋み」が最初だったので反対に「失楽園」などの作品にびっくりした記憶があります。
「花埋み」は日本で初めて女医さんになられた方のお話でした。
この本は野口英世の話です。
ちょっと前に星新一さんが自身のお父さんのことについて書かれたエッセイを読み、その中で野口英世に大金を貸したと言うエピソードが出てきました。ちょうど野口英世が千円札の人物になった頃彼は大変な浪費家で借金魔だったと言うような逸話がよく出てきて興味を持っていたので探して読んでみました。
一言で言うと壮絶な人生です。子供の頃私も偉人伝 -
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得体の知れない感動のようなものが最後にはふつふつ込み上げてきた。ここまで一人の他人(誰からしてみても他人なのだ)を解剖して、書き上げることができるのだという驚愕。
野口英世が特殊な人間だったことですら、もう後半、忘れてしまっていたような気がする。
とくに往年は、野口にとっても苦悩と不安の波だったからかもしれないが、とても人間的に写るのだ。
そこで浮き彫りになるのは、どんなに野口が努力してきたかという事実。
天才、とか、偉人、とか、なんでもない人間、野口。
やはり人間は人間だと思った。
それでも成し遂げたことがあったからこそ、こうして語り継がれる理由がある。世の中の偉人伝の人たちも、そういうこと -
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渡辺淳一氏の小説は本書が初めてである。 男と女の性愛を主軸にした物語が多い同氏の小説は以前から読みたいと思っていた。 実際のところはハードカバーは重くて手にとる気持ちが無く、文庫本になったのでやっと読もうという気になった、というのが正直なところだが・・・・
6〜7割方情事の描写で埋め尽くされているが、情事だけに流された書き方ではなく情景描写も心理描写もしっかりしており小説としてバランスが取れていると感じた。
上巻だけを取って見ると、ストーリー的な起伏は無く、逢瀬におぼれる男と女がエスカレートしていく様がつづられているだけである。 それだけに、下巻で物語としてどの様な展開を見せるのかが楽 -
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渡辺淳一文学忌、ひとひら忌
医師が銀座に第二の人生(あるいは第三くらいの)を気ままに生きるというコンセプトで
高級高齢者住宅を造る
高級だから入居者達もそれなりの人生を送ってきた方々だけど、やっぱり多少のトラブルはある
内容は、恋愛関係のエピソードが多め
なんとなく想像していた通り
2003年テレビドラマ化されているみたい
見てたのかしら?
その中で、入居者の男性の有志が映画の上映会を企画して、選んだ作品が日活ロマンポルノ(死語かしら)の「四畳半襖の裏張り」
タイトルくらいは知っていたけれど
原作が永井荷風「四畳半襖の下張」という事を知らなかったです
大正時代のロマンポルノしょうか
そして -
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「鋭いとかシャープであることだけが才能ではありません。それ以上に、些細なことで揺るがない鈍さこそ、生きていく上でもっとも大切で、基本になる才能です。そしてこの鈍感力があってこそ、鈍さやナイーヴさも、本当の才能となって輝きだすのです。」
会社のえらい人が読んだと言っていたので読んでみた
どうやって鈍感力を手に入れるのかというよりも、鈍感力を身につけることがいかに大事かっていう内容だった
結構自分は敏感な方だと思うので、身につけ方についてもっとフォーカスしてくれたら嬉しかった
難しい語彙もなく章も短く、スラスラ読める感じ
2023.02.25 -
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渡辺 淳一(1933年(昭和8年)10月24日 - 2014年(平成26年)4月30日)は、日本の作家。北海道空知郡上砂川町朝陽台出身。1958年札幌医科大学医学部卒業。同講師。医学博士。初め医療現場を舞台とした社会派小説や伝記小説、恋愛小説を数多く手がけて人気を博した。その後、『化身』『うたかた』『失楽園』『愛の流刑地』など濃密な性描写の恋愛小説で、1980年代から90年代にかけて耳目を集めた。エッセイも多く『鈍感力』が流行語になった。(ウィキペディア)
作家ならではの視点で人間の躰をパーツ毎にわかりやすく説明した平易版「解体新書」。
例えば、
唇の説明には接吻の話、舌の項では舌を噛んで自