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Posted by ブクログ
得体の知れない感動のようなものが最後にはふつふつ込み上げてきた。ここまで一人の他人(誰からしてみても他人なのだ)を解剖して、書き上げることができるのだという驚愕。
野口英世が特殊な人間だったことですら、もう後半、忘れてしまっていたような気がする。
とくに往年は、野口にとっても苦悩と不安の波だったからかもしれないが、とても人間的に写るのだ。
そこで浮き彫りになるのは、どんなに野口が努力してきたかという事実。
天才、とか、偉人、とか、なんでもない人間、野口。
やはり人間は人間だと思った。
それでも成し遂げたことがあったからこそ、こうして語り継がれる理由がある。世の中の偉人伝の人たちも、そういうことなんだと思った。
中盤、著者は野口のことを否定的なのだろうか?と思えるような描写が続いたように思えて、斜め読みしていたけれども、やはり、心底、ひとりの人間として野口にほれ込んでしまった男のひとりなのだと痛感。
そういうのって、すごい。
ほんとうに、すごい。
そして私も野口が愛おしい。ものすごく愛おしい。
不器用で、変くつで、でも純粋で無邪気な野口博士。
あなたの人間性が、こうして渡辺淳一に一冊の本を書かせた。
そうして、あなたは、完全に記述され、歴史に残った。
そんな人なかなかいないと思う。
すべてはあなたがどれだけ一生懸命生きてきたかの、不思議な因果関係だとおもいました。
Posted by ブクログ
野口英世の善悪両面に迫った評伝。
お子さま向けマンガ伝記でか軽く流される「金遣いが荒い」エピソードや、渡米後の様子が詳しく描かれる。
英世の研究振りについて。
(引用)
・(英世は)実験をして疲れたら、靴を履いたままベッドに横になる。横になった途端もう眠っている。そして2,3時間で目が覚めると、そのまま顔も洗わず研究室の机に向かう。下着など何日も替えない。あまり長く着ていて臭いので、「替えたらいかがですか」というと、不機嫌そうに文句をいいながら替える。それも一度替えだすと、上から下まで、さらにワイシャツからズボンまで全部替える。すべて研究優先の生活であったが…
・心配するな、俺は本当は少しも眠くなんかないんだ。何日徹夜しても平気だ。でも明日の仕事のためには、いま寝たほうが得だ、そう思ったときだけ寝ている。これでもちゃんと考えているんだ。
・少しでも他人から抜け出そうと思ったら、他の人の倍以上の努力をしなければダメだ。二歩も三歩も出ようとしたら、その何倍も努力をしなければならない。いまこうして君と話している間も、世界のどこかで誰かが顕微鏡を覗いて狙っている。ほら、きこえるだろう。彼らの追ってくる足音が。
・人間は体のことを考えるようになったら終わりだ。自分をいたわるようになったら、もうエネルギーはなくなったということだ。
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