【感想・ネタバレ】愛の流刑地(下)のレビュー

あらすじ

「このまま、殺して…」。花火大会の夜、エクスタシーの頂点で冬香が発した言葉に誘われるまま、菊治は彼女の首を絞める。最愛の女を殺めた男。彼を待っていたのは、苛烈な取り調べと孤独な法廷闘争だった。故意か過失か、それとも愛の証しか。菊治が最後に受け入れた罪と罰とは?論理では測れぬエロスの深淵を問い詰めた文芸大作。感動の結末。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

 中年の男女の不倫愛はいよいよ深みにはまってゆく。そして最後の1/4で話は急展開して、そこから先もストーリーには引き込まれる。最後の最後、話がいよいよ終わろうかという頃になって主人公のもとに一通の手紙が届き、それを読んだ時に、ひたすらにポルノのような描写が続いていただけではなくて、長い長い物語はこの手紙に続くためだったんだと思わされる。過激な物語ではあるが、読み応えのあるお勧めの小説。

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2018年10月22日

Posted by ブクログ

新しい言葉を作ろうとしている印象が強く、作品そのものは面白いのに、なんとも堅苦しい感じのする作品です。
ある意味背伸びをしすぎている感じがして、馴染み辛いものがあります。
作品そのものを楽しむには作者が主張しすぎていて、あぁ、今私は小説を読んでいるんだなぁって。
ある意味サイレント映画のような印象の作品です。活動弁士が作者のね。
何処と無く重厚な雰囲気の行列に含まれたメールのやり取りはもうある意味滑稽で唇がへの字に曲がりそうになります。
題材に興味があるのなら自分なりの訳注をつけて読むのにオススメな一冊です。

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2015年09月23日

Posted by ブクログ

愛する者に殺して欲しいと願った冬香の気持ちが今でも印象に残っています。
これは殺人といえるのか、それとも・・・?
深く考えさせられる作品でした。

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2010年12月18日

Posted by ブクログ

上巻はこの下巻への布石だったのだ。

菊治の冬香を愛するあまりの行動。

殺人罪か。

幇助か。

法廷という得意な環境の中で裁かれる菊治の苦悩、そして行き場を失った冬香への思い。

愛とは、人とは、
渡辺ワールド全開のとてもいい本だと思った。

人をここまで愛せるのは罪か、
それとも愛せないのが罪なのか。

その答えは今の自分にはまだわからない。

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2009年12月22日

Posted by ブクログ

ほぼ一気読みをして感じたこと。 "愛を裁くことが出来るのか?"がこの小説のテーマだと思った。

上巻では泥臭いともいえる肉体を通した純粋な愛をこれでもかと言うほど書き綴り、下巻では上巻で積み上げられてきた愛を、愛とは対照的な位置にある裁判という尺度で測ることにより、より一層"愛"というテーマを浮き彫りにしている。
その結果が"愛を裁くことが出来るのか?"というテーマにたどり着いている。

ただ、裁判の展開が若干緻密さに欠けていると感じた。 同じように裁判が絡む「白い巨塔」は裁判シーンだけでも手に汗握る駆け引き・展開であり、それと比較すると若干肩透かしな感触は否めない。

本小説の最後の方で「愛の流刑地」の由来が出てくるが、まさしくこの一点に向かって小説が書き上げられたのだと思うと、エンディングには納得である。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

タイトルの「愛の流刑地」というのは、なじみのバーのママさんからの手紙に書いてあったことなんだー、と知る。

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2017年12月08日

Posted by ブクログ

裁判が始まってからは格別に面白くなった。

愛したが為の死と言うけれど、やはり家族はそうも言えないだろうなぁ、、とモヤモヤ。

まぁ、物語だから!と割り切りたいのだけど
形は違えど実際に周りにも、こんなになってしまうまでの愛のカタチが沢山転がっているのだろうな。

死ぬの反対。不倫反対。

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2013年07月01日

Posted by ブクログ

これ程までに愛せる人に巡り会えた二人が愛を貫く為に選ぶ道。
もちろんそれを選んだのは冬香。菊次は冬香の残した罪を探す旅に出る。
誰にも理解されない愛の裁きを受け
そしてそれこそが冬香の望んだ流刑地であったと言うことを菊次は知る。

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2009年10月04日

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