渡辺淳一のレビュー一覧
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主人公の克彦はフランスのパリで、妻の月子を誘拐されてしまいます。驚いた月子の両親は彼のもとを訪れ、月子を取り返してほしいと訴えますが、じつは彼女の誘拐は克彦が仕組んだことでした。
克彦は、妻でありながら彼との肉体関係を忌避しつづけてきた月子を懲らしめるため、フランスで知り合った「Z」という男に彼女を誘拐して調教を施すことを依頼します。彼の依頼を受けたZは、月子を「シャトウルージュ」と呼ばれる洋館に幽閉し、数か月間にわたって何人もの男女の手で月子の身体に性の悦びを教え込みます。克彦は、Zたちが妻に淫らな行為をおこなっている様子をのぞき見ながら、激しい嫉妬と興奮に苛まれます。
そして月子への調 -
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40代半ばで、建築事務所を運営している伊織祥一郎は、妻と二人の娘とは別居しており、現在事務所で働く27歳の相原笙子と交際してます。そんな彼が、35歳で人妻の高村霞という女性に惹かれ、彼女とも不倫関係を結ぶことになったところから、物語がはじまります。
笙子との関係は四年に及んでおり、伊織は新たな胸のときめきを求めたのか、しだいに霞との関係に深入りするようになります。そして霞も、そんな伊織に求められるままにすこしずつ女として開花していき、そのことがいよいよ伊織を彼女にのめり込ませることになります。
一方笙子は、伊織が他の女性と関係をもっていることに気づいており、すこしずつ彼から距離をとろうとし -
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『失楽園』につづく著者の新聞連載小説です。
55歳の村尾菊治(むらお・きくじ)は、18年前に「村尾章一郎」の名前で小説を書き、一世を風靡したものの、その後わすれられた作家となっていました。そんな彼が、京都に住む36歳で人妻の入江冬香(いりえ・ふゆか)に出会い、彼女との逢瀬をかさねます。菊治は彼女との愛にのめり込んでいき、冬香は彼とのセックスを通じてこれまであじわったことのない性の悦びに目覚めていきます。
『失楽園』以上に官能描写満載の作品でした。わたくし自身はそれを目当てに読んでいるのでじゅうぶんにたのしめました。最近では神崎京介をはじめ、いわゆる官能小説家のなかでも文章力に秀でた作家が、