夢枕獏のレビュー一覧
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夢枕獏『獅子の門 鬼神編』光文社文庫。
夢枕獏の傑作格闘大河小説、全八巻の最終巻。初文庫化。ノベルズ版では全巻既読なのだが、七ヶ月連続で文庫版が刊行されると聞き、全巻購入して再読。再読しても、なお面白い。
30年あまりの時を経て大傑作格闘大河小説が完結した。まずは夢枕獏に『ご苦労様』と声を掛けたい。30年とひと口に言うが、これだけの年月に他の連載をこなしながら、これ程のレベルの作品を書き上げる努力は想像を絶するものだったに違いない。
文庫版の後書きに『久我重明のこと』を収録。
前巻で開幕した武林館の総合格闘技トーナメントも佳境へ!日本の格闘技界に殴り込んできた黒船・ブラジリアン柔術と日 -
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夢枕獏『獅子の門 人狼編』光文社文庫。
夢枕獏の傑作格闘大河小説の全八巻の第七巻。初文庫化。残りは本巻を含めて二巻となった。ノベルズ版で全巻既読なのだが、七ヶ月連続で文庫版が刊行されると聞き、再読。再読しても、なお面白い。
ついに武林館の総合格闘技トーナメント開幕!リザーバーの鹿久間源と鳴海俊男は初戦を勝ち上がれるのか……
前巻から登場した、煮ても焼いても喰えそうもない曲者の鹿久間源が面白い。恐らく、オリンピックに出場し、突然引退したあの元柔道選手がモデルだと思うが。結局のところ主人公は羽柴彦六と久我重明なのか。二人の存在感の前では室戸武志、芥菊千代、加倉文平、志村礼二、竹智完ら新世代の -
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夢枕獏『獅子の門 雲竜編』光文社文庫。
夢枕獏の傑作格闘大河小説の全八巻の第六巻。初文庫化。ノベルズ版で全巻既読なのだが、七ヶ月連続で文庫版が刊行されると聞き、再読。再読しても、なお面白い。
フルコンタクト空手・武林館トーナメント準決勝。芥菊千代と志村礼二の壮絶な闘いの行方は……
前巻から引き続き、武林館オープントーナメントが描かれる。準決勝で芥菊千代と志村礼二の因縁の二人が激突。夢枕獏が描く、二人の精神と肉体とが渾然一体となった迫力のある闘いの描写に驚く。結末は…そして、新たな格闘家・鹿久間源の登場…嵐の予感。
ストーリー的には、板垣恵介の漫画版『餓狼伝』の後半に酷似している。原作が -
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夢枕獏『獅子の門 白虎編』光文社文庫。
夢枕獏の傑作格闘大河小説の第五巻。初文庫化。ノベルズ版で全巻既読なのだが、七ヶ月連続で文庫版が刊行されると聞き、再読。再読しても、なお面白い。
第五巻はフルコンタクト空手・武林館のトーナメントが描かれる。『獅子の門』の主人公ともいうべき、室戸武志、芥菊千代、加倉文平、志村礼二、竹智完の五人の若き獅子が遙か彼方の頂点を目指し、死闘を繰り広げる。死闘の中でもなお成長し続ける五人の若者たち……彼方にある頂点を極めるのは誰なのか……
プロレスラー・室戸武志と空手家・加倉文平の壮絶な闘いのシーンは板垣恵介による漫画版『餓狼伝』に描かれた長田弘と堤城平の闘いの -
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夢枕獏『獅子の門 朱雀編』光文社文庫。
夢枕獏の傑作格闘大河小説の第四巻。ノベルズ版で全巻既読なのだが、七ヶ月連続で文庫版が刊行されると聞き、再読。特にこの第四巻からは初文庫化、全八巻の折り返しとなる。
再読しても、なお面白い。あの『神々の山嶺』が山岳小説の最高峰ならば、『獅子の門』は『餓狼伝』と並ぶ格闘技小説の最高峰と言っても良いだろう。
第四巻で鍵を握るの久我重明は、板垣恵介の漫画『餓狼伝』の中でも良い味を出していた異端の格闘家である。この巻では全身黒づくめの久我重明とその弟子の志村礼二のえげつない闘いの全容が詳しく描かれており、なかなか面白い。
バーリトゥード。ブラジリアン柔術 -
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夢枕獏『獅子の門 青竜編』光文社文庫。
夢枕獏の傑作格闘技小説の第三巻。ノベルズ版で全巻既読なのだが、七ヶ月連続で文庫版が刊行されると聞き、再読。何しろ30年弱に亘っての断続的刊行だったため、もはや初巻の内容など殆ど覚えていない状況で最終巻を読んでいるのだ。
こうして間を置かずに三巻までを読んでみると、なかなかスピーディーで迫力のあるストーリーが面白い。
格闘技界をさ迷う五人の若者。芥菊千代、志村礼二、加倉文平、竹智完、室戸武志。室戸武志は当然の如くプロレスの世界に身を投じ、久我重明の弟子となった志村礼二はフルコンタクト空手大会で芥菊千代と対峙する…… -
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夢枕獏『ハイエナの夜〈新装版〉』徳間文庫。
アクション系連作短編集。新装版が出たので再読。かなり前に読んでいたが、内容は殆ど覚えていなかった。読んでみると面白い。所々ストーリーを覚えていたが、それでもなお面白い。
主人公は六本木に事務所を構えるカメラマン・滝村薫平。若い頃、空手をかじり、一度だけキックボクシングのプロのリングに上がった経歴を持つ体力自慢の滝村に依頼される仕事はいつも危険なものばかり……
夢枕獏があとがきに書いているが、関川夏央と谷口ジローの『新・事件屋稼業』をイメージして書いた作品のようだ。確かに設定や雰囲気は非常に似ている。主人公の滝村薫平は『新・事件屋稼業』の深町丈太 -
購入済み
大変人間味が奥深い作品だ
登場人物である主人公大凰吼、久鬼麗一、脇を固める善・悪の仲間である九十九三蔵、真壁雲齋、宇奈月典善、菊地良二、龍王院弘、また巫炎、吐月など魅力的な人物が多すぎて次なる展開でこれらの人物がどう関わって戦い自分の意志をどう貫くのか、そして人は何処まで変われるのであろうかとわくわくした気持ちで作品を読んでいる。
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面白かった
山岳小説+ミステリー
二人の漢の熱い物語
いよいよ下巻です。
下巻では羽生が人生をかけて目指していたものが明らかになります。
「エベレスト南西壁冬季無酸素単独登頂」
その羽生に対して、深町が同伴できるところまで上って写真をとろうとします。
そして、いよいよ出発。
二人の運命は?
といった展開。
下巻では冬山の厳しさが伝えられてきます。
二人の登山の描写がメインの展開です。
登山を知らないので登山道具の名称や使用技術が理解できませんが、その過酷さがひしひしと臨場感もって伝わってきます。
さらに、その描写に圧倒されます。
彼らの人生そのものが、山に登ること、自問自答していくことに -
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面白かった!!
山岳小説+ミステリー
二人の漢の熱い物語
上巻では、主人公のカメラマンの深町がイギリス登山家マロリーのカメラを手に入れたところから始まります。
そのカメラとフィルムがあればマロニーがエベレスト初登頂に成功したことを証明する貴重な証拠。
マロニーはエベレストの頂上に立つことができたのか?
そして、このカメラをめぐっての展開で出てきた羽生との出会い。
深町はこの羽生に引かれて、そして羽生の生き様を調べていくことになります。
その過程で、孤高のクライマー羽生の生き様が紹介されていきます。
すべてを山にかける羽生。
羽生が死なせてしまったパートナーの岸。
羽生がザイルを切ったのか? -
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「出てくる奴ら、皆、外道!」と夢枕獏さん本人が仰ってる通り
登場人物は、主人公の宮本弁之助くん・・・ちゃんを除いてみんな外道。
師匠の秋山虎之助嬢ですらかなりの外道。
外道だけど、生きる事・剣の道に対しては一つの芯を持っているから
儚くも、そしておぞましさを感じるもどこか綺麗。
一番最初に描かれる、恐らく最初の弁之助の果し合いでもう心が捕まれるね。
剣ではなく、身の丈程の棒で相手の顔面を削り取りながら撲殺。
なんて痺れる時代物があるんだろうと感嘆しましたよ。
師匠と旅を共にしてからの目的は廻国修行。
殺したり殺されたり、生きるか死ぬかはまさに紙一重。
剣で斬るだけが生きる道では無し。
時に -
購入済み
本編が進まない・・・
餓狼伝のマンガが26巻でず〜〜〜っと止まってて、新刊が出ないので早く本編を読みたいです。仕方ないので餓狼伝BOYを読んでガマンしています。内容はものすごい面白い餓狼伝を板垣恵介が描くんだから間違いなしです!!
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陰陽師シリーズの最新刊です!我慢できなくて、他に本でいる本があったのですが中断して購入しました。
今回は山月記をモチーフにした作品が収録されていました。
「銅酒を飲む女」。助けたのに、恩返しではなく命を狙われるとは・・・。
「桜闇、女の首」。自分が死んだ後、夫にずっと1人でいてもらいたいかぁ。気持ちはわかる気がしました。私は見たくないので、成仏して待っていたいですね。
「首大臣」。朝起きたら首だけに・・・これはかなり困りますね。助けを呼ぼうとしても、電話もかけれないし、動けないし。朱雀門の鬼さんが登場します。
「道満、酒を馳走されて死人と添い寝する語」。すごいタイトル。内容