夢枕獏のレビュー一覧
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土方歳三は、強さを究めるため机竜之助との決死の勝負に挑む。未完の大作「大菩薩峠」が甦る。
数多くの格闘小説を描いてきた作者が剣の勝負を描くことで、剣豪小説の新たな魅力を感じました。
それぞれの流派の特徴や剣の技術の造詣などが奥深く表現され、物語の魅力をさらに引き出すことができていると思いました。
また、あくなき強さを求める土方歳三を中心に描くことで机竜之助の冷たく暗い強さが引き立っていました。
机竜之助の化け物じみた強さの秘密もこの物語の重要なポイントになっており、人の強さと弱さを読み取ることができました。
名作「大菩薩峠」を新たな魅力ある作品として読むことができてとても -
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ネタバレ陰陽師シリーズの短編集。
良い意味で、いかにも安定の陰陽師シリーズ、と言った感。
二百六十二匹の黄金虫で露子姫が黒丸を伴って登場し、「とても不思議なぶんぶんがいるのです、清明様」嬉しくなります✨
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・二百六十二匹の黄金虫
秋、露子姫、黒丸、遍照寺の明徳、寛朝僧正
般若経から逃げ出した文字たち
・鬼小槌
冬、平実盛、藤原中将、蘆屋道満、鬼
猿叫の病
・棗坊主
春の終わり、祥寿院の恵雲、北斗星と南斗星
・東国より上る人、鬼にあうこと
春の終わり梅雨の前、平重清、鞍櫃に住む大鼠
・覚
蛍の季節、源信好、藤原恒親、紀道孝、橘秀時
さとり
・針魔童子
秋、播磨の -
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『安倍晴明 天の川に行きて雨を祈ること』雨が降らず、地も人の心も乾ききった平安の都に雨を降らせるため、晴明と博雅が7つの瓜を奉納しつ水に縁のある神を祀った聖地巡礼の旅に出る。最後に単純に雨が降ってめでたしめでたし…ではなく、この過程が生きながらにしてもう一度生まれ直すという魂再生の劇的展開で閉められるところが見事。文字通りの感動の雨嵐でした。晴明と博雅の訪れた地を実際に歩いてみたくなりますね(無理だけど)。夏は避暑旅行にいいかも。
雨乞いの旅は結果として、雨だけでなく兄弟子との確執にこだわっていた自らの心を解き放つというおまけがついていたと言うけど、晴明にとってはこちらがメインだったのかも。真 -
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ネタバレ『菅公 女房歌合わせを賭けて囲碁に敵らむ』960年村上天皇の時代の天徳内裏歌合わせの熱戦と、歌合わせ会場の清涼殿を狙う菅公を阻止するため真葛が囲碁で勝負を仕掛ける話が交差していく熱く濃い内容の7巻。怨霊菅原道真に物怖じするどころか、「大宰府に送られてめそめそ詩を書いていたオヤジ」と言い放つ真葛は只者ではない。この娘、ほんとに何者なんだろう?無邪気な子供っぽさとは反対の色っぽさが今回は感じられてドキドキした。
そして囲碁で結界を作った上に楽の音で結界を完成させるとは…!!晴明の風雅にして強かな闘いにひたすら感嘆符を並べてしまった。「完成させたものが終わらせる」の意味も後で知って、更に感嘆した。
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『博雅朝臣 宣耀殿の御遊にて 背より玄象の離れなくなること』てっきり博雅は玄象に嫌われていると思っていたのだけれど、こんなにべったり愛されていたとは…!(笑)玄象ってツンデレ?いや、かまってちゃんだったの?そんな玄象も晴明の手にかかって文字通りイチコロ。息抜きテイストで爆笑した。
『露と答へて』藤原兼家の痴情がらみの揉め事に、仲の悪い兄の兼通がつけ込んで騒動をおこし、博雅と晴明が巻き込まれる。ややこしい問題も晴明の冷静な判断で解決。晴明の凄いのは鬼神悪霊に勝つためには無闇に力や気持ちを込めるのではなくニュートラルに己を保つことを知っていること。道理をわきまえることで型にハマってしまうのではなく -
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夢枕獏『ヤマンタカ 下 大菩薩峠血風録』角川文庫。
中里介山の『大菩薩峠』を下敷きにした夢枕獏の剣豪格闘小説の下巻。
土方歳三と巽十三郎の文字通りの真剣勝負の結末は……魔剣を操る机竜之助の秘密とは……全てが明かされる下巻。
なかなか読み応えがあった。何十年と掛かっても完結しない『餓狼伝』よりはずっとスッキリする。完全決着の真剣勝負というのがストーリーにメリハリを効かしているようだ。
4年に1度の奉納試合で机竜之助、宇津木文之丞、土方歳三らの剣豪たちが剣を交え、命を賭けた真剣勝負を繰り広げる。生き残るのは誰なのか……
本体価格880円
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夢枕獏『ヤマンタカ 上 大菩薩峠血風録』角川文庫。
中里介山の『大菩薩峠』を下敷きにした夢枕獏の剣豪格闘小説の上巻。
多くの打撃系、グラップリング系格闘技の場合はそうそう死に直結する闘いは無いのだが、剣豪による闘いの場合は敗北が死に直結する。そのためか本作で夢枕獏は登場人物たちの闘いにかなり気を遣っているようにも感ずるが、闘いに挑む登場人物たちの緊張感も伝わってくる。
幕末時代、府中から日野の甲州街道で辻斬りが3人の剣豪を斬殺し、大菩薩峠でも深編笠の武士が老人を斬殺する。いずれも4年に1度開催される奉納試合に出場する狂った剣豪の試し斬りではないかと考えた土方歳三は自らも奉納試合に出場し、