夢枕獏のレビュー一覧

  • 陰陽師 1巻

    ネタバレ 購入済み

    独特の世界観に引き込まれていく

    安倍晴明そして親友の源博雅の2人の最強コンビが、平安時代に巻き起こる妖や怨霊たちの事件や出来事を次々に解決していく物語。妖や怨霊たちは、けっこう恐ろしく、エグい事件を起こしていくんですが、それを難なく解決していく安倍晴明。さすが‥ですけど、それ以上に妖なんかよりも晴明さんの方が怖いよ!?っと思わずツッコミを入れたくなるような読み始めたら、独特の世界に引き込まれてしまう‥そんな作品です。

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    2020年11月27日
  • 神々の山嶺 下

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    山のシーンがとにかく圧倒された。こっちまで空気が薄くなってハアハアしてしまう。山に取り憑かれた男達の物語。良かった。

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    2020年11月19日
  • 瀧夜叉姫 陰陽師絵草子 第一巻

    購入済み

    独特の博雅像

     この原作では二回目のノベライズです。「陰陽師」そのものでは三作目?
     清明像、道満像はおそらく誰が描いてもこのようになるのでしょうが、博雅像が原作の生真面目な印象が少しとぼけた感じになって「偉大な芸術家とは常人とずれているものだ」という伊藤さんの意向が反映されているようです。

     ストーリーはまだ序盤で、謎をちりばめている段階。というか、どうも「陰陽師」シリーズの他のストーリーを交えたり、最期の方は俵藤太のサイドストーリーが盛り上がったところで次巻、となったので元のお話は意外と進まないのかもしれません。まあそのほうが伊藤さんの美麗かつ迫力満点の画力、それに独特のギャグを交えた緩急(好み

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    2020年11月16日
  • 小説 ゆうえんち -バキ外伝- 1

    購入済み

    バキで面白い事をやってやろう

    敗北を知りたい。かくて5人の死刑囚は東京に集った。
    しかし、少なくとも一度は刑務所に入ったのだ。ならば、彼等を捕まえた者がいるはず。
    それは、果たして何者なのか?

    チャンピオンの看板バキシリーズ。著者板垣恵介と親交深い夢枕獏によるノベライズ。
    ただし、普通の、並のノベライズではない。
    獅子の門から久我重明、餓狼伝から磯村露風が登場、物語に深く関わる。
    更に名前だけなら魔獣狩りから文成仙吉、キマイラから宇奈月典善、謝男から拝一穴、等など。
    縦横無尽の板垣アンド獏ワールド。こいつは凄いのが始まりましたよ!

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    2020年11月14日
  • 上弦の月を喰べる獅子(下)

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    凄い。縁と業、兄と妹、問と答、空間と時間の話。構想から章の分け方まで凝りに凝っている。
    この手のは、ラストをあいまいにぼかしちゃうんだけど、ちゃんと向き合っているのが好感度高い。
    アシュヴィンの中の人は、何となく、神曲におけるダンテとヴィルジリオを思い起こさせる。
    設定が特殊だし仏教的考えが難しく万人にはお勧めできないけれど、良作。

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    2020年10月28日
  • キマイラ21 堕天使変

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    さらわれた織部深雪を助けるため、遂に関係者が伊豆に集結しだすだろう展開がクライマックスを感じさせます。
    キマイラやルシフェル教団の歴史も次々と紐解かれ、断片的に語られてきたエピソードが繋がってゆくのが面白かったです!

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    2020年10月24日
  • 小説 ゆうえんち -バキ外伝- 1

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    原案・板垣恵介、小説・夢枕獏、挿絵・藤田勇利亜『小説 ゆうえんち バキ外伝 1』秋田書店。

    待ちに待った小説版のバキ外伝の第1巻。1年くらいの連載であっさり終わるかと思ったら、まさかの本気モードで長期連載に。しかも、単行本も連載当時と同じ二段組みでイラストも掲載。

    イラストが多数あるので、いつもの『バキ外伝』と錯覚するが、久我重明の登場に夢枕獏の小説であることに気付くという不思議な感覚。板垣恵介の『バキ』と夢枕獏の『獅子の門』『餓狼伝』『キマイラ』『魔獣狩り』の世界を足したような格闘技小説だ。板垣恵介と夢枕獏が描いて来た格闘家を始めとする数々のキャラクターが大挙して登場し、夢のファン大感謝

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    2020年10月09日
  • 陰陽師

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    長編シリーズになるだけの理由もよく~分かりました。
    ひとえに、時代背景と怨霊と陰陽師との闘いや心情を描く巧みな
    面白みに引っ張られますね!
    当然、二作へ手は伸びます。

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    2020年09月26日
  • 神々の山嶺 上

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    作者の得意なあやかしのモノや拳法の達人などは、出てきません。
    山を愛する人間たちのモノガタリです。必ずもう一度読みたくなります。

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    2020年08月16日
  • 新・餓狼伝 巻ノ一 秘伝菊式編

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    待望の

    ようやく配信された新餓狼伝。
    新とは言っても純然たる続き。
    面白いよ。面白いんだよ。格闘技を絵でなくて文で表す。その難しいことが、面白いんだよ。さすが獏さんだよね。
    1巻はなんと言っても伊達、斑牛の伊達である。
    グレート巽に負けて以来「銭の取れる選手になろう」と、もがき足掻いだ男の真骨頂だよ。
    格闘技なら負ける、バーリトゥードなら負ける。でもプロレスなら?
    プロレスは凄いんだよ、と言う獏さんのプロレス愛が伝わってくる。
    伊達の大一番に涙しろ!

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    2020年07月17日
  • 陰陽師 螢火ノ巻

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    帝と都が繋がっているという話「双子針」
    空を見上げるのが好きな星を飲んでしまった中納言の話「仰ぎ中納言」
    道満が山の主(青物主)に引き裂かれてしまった夫婦を救う話「山神の贄」 他。
    蘆屋道満の登場が多かった。道満の回は切ない話が多く、なかなか良い。

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    2020年05月28日
  • ヤマンタカ 下 大菩薩峠血風録

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     土方歳三は、強さを究めるため机竜之助との決死の勝負に挑む。未完の大作「大菩薩峠」が甦る。

     数多くの格闘小説を描いてきた作者が剣の勝負を描くことで、剣豪小説の新たな魅力を感じました。

     それぞれの流派の特徴や剣の技術の造詣などが奥深く表現され、物語の魅力をさらに引き出すことができていると思いました。

     また、あくなき強さを求める土方歳三を中心に描くことで机竜之助の冷たく暗い強さが引き立っていました。

     机竜之助の化け物じみた強さの秘密もこの物語の重要なポイントになっており、人の強さと弱さを読み取ることができました。

     名作「大菩薩峠」を新たな魅力ある作品として読むことができてとても

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    2020年04月22日
  • 陰陽師 醍醐ノ巻

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    妖物の元は人の心であるよに思う。

    陰陽師を読むとその想いを新たにする。

    その心の在り様で、妖物は神にも獣にも鬼にもなり得よう。

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    2020年04月16日
  • 陰陽師 太極ノ巻

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    ネタバレ

    陰陽師シリーズの短編集。
    良い意味で、いかにも安定の陰陽師シリーズ、と言った感。

    二百六十二匹の黄金虫で露子姫が黒丸を伴って登場し、「とても不思議なぶんぶんがいるのです、清明様」嬉しくなります✨

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    ・二百六十二匹の黄金虫
    秋、露子姫、黒丸、遍照寺の明徳、寛朝僧正
    般若経から逃げ出した文字たち

    ・鬼小槌
    冬、平実盛、藤原中将、蘆屋道満、鬼
    猿叫の病

    ・棗坊主
    春の終わり、祥寿院の恵雲、北斗星と南斗星

    ・東国より上る人、鬼にあうこと
    春の終わり梅雨の前、平重清、鞍櫃に住む大鼠

    ・覚
    蛍の季節、源信好、藤原恒親、紀道孝、橘秀時
    さとり
    ・針魔童子
    秋、播磨の

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    2020年04月11日
  • ヤマンタカ 上 大菩薩峠血風録

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     あの「大菩薩峠」を夢枕が描く、熱き剣豪小説。

     大長編「大菩薩峠」は、タイトルくらいしか知識がなかったので、自分の中では今作を「大菩薩峠」ととらえて読みました。

     机竜之助を軸に近藤勇や土方歳三、沖田総司がからみ、命の勝負が描かれる展開は、剣豪小説として面白くないわけがなく、夢中でページをめくりました。

     また、舞台が自分のなじみのある所ばかりなので、とても身近に感じました。

     それぞれの流派の知識もとても興味深く、闘いの背景がよくわかりました。

     否が応にも下巻も盛り上がりそうで楽しみです。

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    2020年04月05日
  • 陰陽師 8巻

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    『安倍晴明 天の川に行きて雨を祈ること』雨が降らず、地も人の心も乾ききった平安の都に雨を降らせるため、晴明と博雅が7つの瓜を奉納しつ水に縁のある神を祀った聖地巡礼の旅に出る。最後に単純に雨が降ってめでたしめでたし…ではなく、この過程が生きながらにしてもう一度生まれ直すという魂再生の劇的展開で閉められるところが見事。文字通りの感動の雨嵐でした。晴明と博雅の訪れた地を実際に歩いてみたくなりますね(無理だけど)。夏は避暑旅行にいいかも。
    雨乞いの旅は結果として、雨だけでなく兄弟子との確執にこだわっていた自らの心を解き放つというおまけがついていたと言うけど、晴明にとってはこちらがメインだったのかも。真

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    2020年03月06日
  • 大江戸恐龍伝 下

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    奇想天外

    奇想天外だけど、さすが夢枕貘。

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    2020年03月03日
  • 陰陽師 7巻

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    ネタバレ

    『菅公 女房歌合わせを賭けて囲碁に敵らむ』960年村上天皇の時代の天徳内裏歌合わせの熱戦と、歌合わせ会場の清涼殿を狙う菅公を阻止するため真葛が囲碁で勝負を仕掛ける話が交差していく熱く濃い内容の7巻。怨霊菅原道真に物怖じするどころか、「大宰府に送られてめそめそ詩を書いていたオヤジ」と言い放つ真葛は只者ではない。この娘、ほんとに何者なんだろう?無邪気な子供っぽさとは反対の色っぽさが今回は感じられてドキドキした。
    そして囲碁で結界を作った上に楽の音で結界を完成させるとは…!!晴明の風雅にして強かな闘いにひたすら感嘆符を並べてしまった。「完成させたものが終わらせる」の意味も後で知って、更に感嘆した。

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    2020年03月01日
  • 陰陽師 5巻

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    『博雅朝臣 宣耀殿の御遊にて 背より玄象の離れなくなること』てっきり博雅は玄象に嫌われていると思っていたのだけれど、こんなにべったり愛されていたとは…!(笑)玄象ってツンデレ?いや、かまってちゃんだったの?そんな玄象も晴明の手にかかって文字通りイチコロ。息抜きテイストで爆笑した。
    『露と答へて』藤原兼家の痴情がらみの揉め事に、仲の悪い兄の兼通がつけ込んで騒動をおこし、博雅と晴明が巻き込まれる。ややこしい問題も晴明の冷静な判断で解決。晴明の凄いのは鬼神悪霊に勝つためには無闇に力や気持ちを込めるのではなくニュートラルに己を保つことを知っていること。道理をわきまえることで型にハマってしまうのではなく

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    2020年02月13日
  • 獅子の門8 鬼神編

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     闘いを究めようとする男たちの熱い闘いを描いた格闘エンタテイメントシリーズの完結編。

     読み終わった時についに終わってしまったという感じがしました。

     次から次へと強い男たちが登場し、その度に強烈な闘いが展開され、誰がその頂点に立つのか、最後まで目が離せませんでした。

     結末は、自分の中で受け入れるのに、しばらくは時が必要になるかもしれません。

     いずれにせよ、高校生の時に読み始め、30年を経て結末を見られたことで自分の人生を振り返るきっかけともなりました。

     物語はこの後も別の展開を見せるようなので、楽しみにしています。

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    2020年02月09日