夢枕獏のレビュー一覧
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夢枕獏『宿神 第三巻』徳間文庫。
全四巻から成る大河歴史伝奇小説の第三巻。
第三巻は、第二巻までの西行の色恋沙汰など平時としか見えぬ程に状況が一変する。大昔に読んだ平家物語の粗筋を思い出すような展開が続く。夢枕獏は残り一巻で何を見せてくれるのか。
密かに西行を思い続けていた鰍の命が尽き、それを切っ掛けにしたかのように世の中は混迷を極める。朝廷、源氏と平家が相い乱れての大乱。
権力や地位を巡り、争いや策略は何時の時代も変わらぬようだ。権力と地位を手にいれようと修羅と化した平清盛。そういう俗世からいち早く離脱した西行は最後に何を見るのか。
本体価格780円
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夢枕獏『宿神 第二巻』徳間文庫。
全四巻から成る大河歴史伝奇小説の第二巻。四巻全て刊行されてからイッキ読みするつもりで読み始めた。
面白くなって来た。タイトルの『宿神』とは冒頭の描写からそういうことかと少し理解する。呪師の申と妹の鰍こと玉藻が物語の鍵を握るようだ。宿の神、翁、魔多羅神……
万物に宿るとされる神々。人間の人生は様々な物と事、自然や人に影響され、思わぬ方向に向かう。それをまた機微と受け入れるのか、諦めるのか、あがらうのかでその先の人生の価値が決まるのだと思う。
女院・璋子に心を奪われた義清は叶わぬ恋と知りながら、感情の全てを女院に支配される。しかし、女院にこの恋を諦めること -
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夢枕獏『小説 ゆうえんち バキ外伝 5』秋田書店。
ついに完結。夢枕獏が様々な制約を物ともせず本気で描く、板垣恵介の『バキ』と夢枕獏の『獅子の門』『餓狼伝』『キマイラ』『魔獣狩り』の渾然一体となった夢の格闘技世界の第5巻。
非常に面白い。冒頭から葛城無門と柳龍光とのアドレナリン全開の『死合』が描かれる。夢枕獏の格闘技小説の集大成のように次々と過去の作品に登場した技が描かれる。そして、師匠・松本大山を殺した柳龍光との激闘の後、葛城無門の前に立ち塞がる『ゆうえんち』の主催者・蘭陵王。太古から続いて来た、終わらことのない格闘の輪廻。
タケミカヅチ……
凄いのは夢枕獏が足掛け4年に亘り、リンパ -
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ネタバレこれまでどれだけの作品に登場したか、日本歴史上の人物最多登場でも驚かない。織田信長である。もちろん変換候補一発変換である。そして、ここまできて夢枕獏が織田信長を書いたのである。ところで、「であるか」っていう信長語は、いったいいつから定着したんだろう。とりあえず、本書内でも言ってる。「であるか」
主人公は言わずと知れた超リアリスト信長。
登場する信長は特に目新しい人物設定はない。他、武将たちも従来のイメージだ。
しかし、夢枕獏の描く歴史物にある雅な雰囲気があり、苛烈でありながらも美しくある。
対するもう1人の主人公飛び加藤。こちらは想像上の人物で講談などに登場する不思議超人。忍者だったり、果心居 -
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夢枕獏『小説 ゆうえんち バキ外伝 4』秋田書店。
夢枕獏が様々な制約を物ともせず本気で描く、板垣恵介の『バキ』と夢枕獏の『獅子の門』『餓狼伝』『キマイラ』『魔獣狩り』の渾然一体となった夢の格闘技世界の第4巻。いよいよ物語は佳境に入り、既に連載の方は完結を迎えたようで、残すは1巻のみ。
なかなか面白い。漫画雑誌の連載と同様、2段組みで、イラストも掲載されている。何より、板垣恵介の『バキ』に登場した柳龍光や愚地独歩、夢枕獏の『餓狼伝』に登場した久我重明などの癖のあるキャラクターを巧く絡め、全く新しい『ゆうえんち』ワールドを創造している点が素晴らしい。
柳龍光に師匠・松本大山の復讐を果たすた -
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ネタバレ以前DVDで見た空海美しき王妃の謎の原作本。ずっと読んでみたかったのだが、先日BSで陰陽師の映画が放送されてたのをきっかけにここに来てやっと手出し。結論すごく楽しかった。
当時の長安の空気感や風物、宗教まで、色々楽しめた。ホントに当時の長安は国際都市だったんだなー。ゾロアスター教豆知識、仏教豆知識とか、教養的な部分も面白かった。ストーリーは陰陽師で慣れた伝奇物。ホラーテイストもありちょっぴり怖いが、空海が染谷将太さんの顔で余裕をかましまくるので安心して読める。
分厚めだが行間スカスカでテンポよく読めるので、あっという間に読み終わる。2巻にも期待。