あらすじ
葛城無門は、師・松本太山の仇である柳龍光を追い、伝説の場所、“ゆうえんち”に入園した。柳を狙う無門だが、格闘猛者が集うこの場所では、次々と難敵が現れて…!?
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Posted by ブクログ
夢枕獏『小説 ゆうえんち バキ外伝 4』秋田書店。
夢枕獏が様々な制約を物ともせず本気で描く、板垣恵介の『バキ』と夢枕獏の『獅子の門』『餓狼伝』『キマイラ』『魔獣狩り』の渾然一体となった夢の格闘技世界の第4巻。いよいよ物語は佳境に入り、既に連載の方は完結を迎えたようで、残すは1巻のみ。
なかなか面白い。漫画雑誌の連載と同様、2段組みで、イラストも掲載されている。何より、板垣恵介の『バキ』に登場した柳龍光や愚地独歩、夢枕獏の『餓狼伝』に登場した久我重明などの癖のあるキャラクターを巧く絡め、全く新しい『ゆうえんち』ワールドを創造している点が素晴らしい。
柳龍光に師匠・松本大山の復讐を果たすために『ゆうえんち』に参加した葛城無門は次々と強敵を倒す。忍者の羽鳥薫を倒し、次なる相手は神奈村狂太。明らかになる神奈村狂太と無門との過去の因縁。着実に最終目的の柳龍光との対決へと近付く無門。
あとがきに夢枕獏が大病のため、多くの連載を休んでいると書いてあり、非常に気掛かり。ネットで確認すると、悪性リンパ腫だったらしく、無事寛解とのこと。
本体価格800円
★★★★★
Posted by ブクログ
ついに無門と柳の決戦が始まった「ゆうえんち」4巻。
これがラストバトルとなるか、それとももう一盛り上がりあるのか。ありそう。
決戦の前に明かされた無門と愚地克巳の父親死亡の真相。サーカスにいた頃の生みの親と、育ての親の結末。育ての親というと語弊があるか。克巳はおそらく、ことの真相は知らないのではないのかな?事件当時はまず知らないし、現在でもどうなのか。それについての描写あったかなぁ。
育ての親というのは、無門も克巳も神奈村正介でなく、松本太山であり愚地独歩であるのは、その後の彼らの成長を見れば自明。語弊という言葉では足りないな。
過去を語り終えて、さあ決戦という前にまさかの愚地独歩参戦。相手は相撲の龍金剛。この二人の戦いは夢枕獏みが深くてたまらない。格闘技はSEX、SEXは最高のコミュニケーションといった人がいたけども、この二人の戦いはそれだと思います。その最中に、堤城平のことを語りだす愚地独歩。浮気してるじゃないの。ただただ気持ちよくて夢中になって、いけるところまで二人でいこうぜ、の最中に他の相手を思うとかだめ。堤城平かあ。バキワールドで戦う彼も見てみたいなぁ。
「バキ道」で力士と戦った時、だいぶ我慢できずがっついてしまってますが、この龍金剛との戦いがあったのになぁ、と思います。それほど、力士という存在は憧れに近い好物なのでしょう。
そしてそして、ついに始まった無門と柳の決戦です。
ビルの外壁を登って接近する柳。それを迎え撃つ無門は屋上からの落下中の先制攻撃という勇敢なのか無謀なのか。
「ゆうえんち」の柳は裡に秘めた魔性が体臭となって溢れ出てきている妖怪っぷりがよいです。さて、この戦いはいったいどうなる、どんな結末で柳は負けるのか。