夢枕獏のレビュー一覧
-
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
本作はキマイラシリーズの外伝にあたる作品で、シリーズ本編では敵として登場していた龍王院弘と宇名月典善を主軸としており、彼らの出会いから龍王院弘の裡に眠る『龍』が吼えるまでの一連の出来事を描いている。
『キマイラ』と銘打ってはいるが、この作品には『異形』の一切が現れない。キマイラのその部分が好きでこのシリーズを読んでいる方にはそういった意味では物足りなく感じるかも知れない。
ただ、読者をいつの間にか引き込む纏わり付くような雰囲気は健在であるので、作品に関係なく夢枕獏という作家の紡ぐ文章が好きだという方ならば間違いなく楽しめるだろう。
人の裡に潜む荒々しい獣性。血腥く泥臭く、しかし美しい闘争。 -
Posted by ブクログ
陰陽師シリーズ4作目にして初の長編となった『生成り姫』
シリーズを読んでいなくても、あらためて陰陽師(おんみょうじ)というものや安倍晴明(あべのせいめい)、源博雅(みなもとのひろまさ)について、章を割いて解説してあるので、この巻のみ読んでもイケる。(※ただ、やはり要約なので一巻から読むことをおすすめする)
やはり夢枕獏の陰陽師の、なんともいえない雅(みやび)な世界、そして鬼と人とが共存する平安の怪しい闇の世界が美しい。
今回キーとなっているのが、本性(本然:ほんねん)。
再三に、こう語られている『雨も水、池も水。雨が続けば梅雨と言われ、地に溜まれば池と呼ばれ、その在り方で名づけられ方はその -
Posted by ブクログ
久々の『陰陽師』
陰陽師 安倍晴明と相方 源博雅のふたりによる9つの怪奇譚。
今回は呪による掛け合いや菅原道真の怨霊話ようなものはなく、どれもアッサリとしているのだけども、その実、儚くしんみりと、女性に焦点があてられていたような気がする。
安定した2人(清明&博雅)の、酒を酌み交わし四季折々の庭を愛でつつ静かに語りあうシーンは素敵だな。
花鳥風月、雅だのう。
9つの話のうち、どれが一番いいか・・・と、目次を眺めていたのだけども、どれもそれぞれ良いわ。
思い出すだけでジーンとくる。
そうそう
あとがきで、作者が『キマイラ』シリーズを勧めていた。
清明と博雅が好きな人には読んでもらいたいと -
Posted by ブクログ
今までの人生のうち釣竿というものに触った記憶は1回。
運よくその時1匹かかってくれたので釣りに対する印象は悪くはないのですが、釣りの好きな方が夢中になって話してくれるのはどうもピンときませんでした。
この本を読んで釣りの不思議な魅力を体験してみたいものだと一層思うようになりました。
思うようにならないことの多い人生。その中で何かに狂い、突き動かされるように生きるのは哀しくもあるけれど、そう生きてこそしあわせなのかもしれない。
そんな風に生きる人同士が本当の意味で触れ合うことができ、愛しく思うことができるのかもしれない。
自分の好きなこと、隣の人の好きなことを大切にしたいと思える -
Posted by ブクログ
久しぶりの陰陽師。
文庫の新刊が出たので、それを買うつもりで書店を訪れて、ふと前の巻を買ってたかが気になったので確認したら、買えてなかったので購入。
それにしても安心のコンビである。
何がって、月の夜に晴明の家の庭の縁側で、晴明と博雅の二人が座して酒を酌み交わしている。
その場面を見るだけで、ススススーッと物語の世界に入りこめる。
あとは一気に読み終えるだけ。
今回はおなじみの二人に加え、蝉丸法師の出番も多かった。
また、これまでのように人を助けるばかりでなく、晴明や博雅自身に降りかかる怪異について語られる話がいくつか含まれていたことが新鮮だった。
さて、というわけで最新刊の醍醐の巻を読みまし