夢枕獏のレビュー一覧

  • 宿神(2)

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    ☆2015年5月3日
    西行が恋に破れて出家したらしいことは知らなくもなかったが、そんな人が相手だったか!?と思うと、壮大な話だ。
    生臭い平安武士の代表と言えば平清盛だが、この小説ではけっこう魅力的な男に描かれている。

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    2015年05月24日
  • 宿神(1)

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    ☆2015年5月1日
    西行が主人公。
    時代背景が、卒業論文で書いた時代とぴったり合致、ワクワクしながら読んだ。
    しかも、天皇家の乱脈な秘密が公然と描かれており、これは創作と思われるかもしれないが、史実に則っていると知っていて読めるのは、大変興味深かった。

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    2015年05月24日
  • 宿神(1)

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     のちの西行こと佐藤義清と平清盛の二人は、北面の武士として友情を育むが、義清は、待賢門院璋子と出会い、心を奪われてしまう。

     私の好きな西行をこれまた好きな作家である夢枕獏がどのように描くのか、期待しながら読み進めましたが、その期待は裏切られることはありませんでした。

     佐藤義清(西行)が璋子との出会いによって心を惑わされることは知っていましたが、それだけではなく、そこに怪しの世界、まさに「陰陽師」の世界を取り入れることによって、西行の心の内を変化を見事に描いていると思います。

     清盛のとの関係も安倍晴明と源博雅との関係に似ているようでまとちょっと違う感じも楽しむことができました。

     

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    2015年05月18日
  • 陰陽師 夜光杯ノ巻

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    ネタバレ

    この本は全体的に好きは話ばかりだった。

    「月琴姫」
    沙羅と博雅に名付けられた琵琶の精の話。博雅…罪な男だな…。

    「花占の女」
    菊で花占をする女の話。書き方によってはおどろおどろしくなるだろうに、綺麗に切なく纏め上げている。さすがだなあと思う。

    「龍神祭」
    ここでもまた博雅が原因(笑)
    笛に魅入られた神々との交流を描く。この本の話はどれも好きだけど、この話が1、2を争うかな。

    「月突法師」
    枯れた松を切らないでくれと頼む法師の話。ツクツクボウシって7年地中に居るのか…知らなかった。

    「無呪」
    人の心を映す、古来の神の話。
    博雅の心の清らかさが浮き彫りになった話ともいえる。そんな博雅だか

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    2015年05月07日
  • キマイラ12 金剛変

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    うっかり新しい巻と間違えて買ってしまったよう。そして、読んでしまったよー。
    新装版はそうわかるようにしてほしいよね。

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    2015年05月03日
  • 神々の山嶺 下

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    音やにおい、空気の色までなんとなく想像できてしまうほどのリアルで洗練された情景描写にとても驚きました。
    羽生の生き方はとても苦しいのだけれど、うずうずしてしまうくらいかっこいい!
    結構分厚いのですが引き込まれるようにいつの間にか読み終わってました。また読みたい!

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    2015年04月26日
  • 東天の獅子 第四巻 天の巻・嘉納流柔術

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     二度目の「警視庁武術試合」で西郷四郎は、唐手の使い手と死闘を繰り広げる。死闘を経て、苦悩の末に四郎が下した決断とはー。

     4巻まで一気に読まされました。

     これほどまでに熱い格闘・時代小説いわゆる剣豪小説があったかと思うくらい、格闘場面が見事に表現されていました。

     まさに命を賭けた格闘をここまで表現できた小説はないのではないでしょうか。

     嘉納流柔術が現代に柔道という形で世界に展開していることを思うと、この明治という時代に闘った男たちの熱い思いが連綿と続いているのだと思うととても感慨深いものがありました。

     天の巻はこれで完結しましたが、あの心に残る結末から次の地の巻につながると

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    2015年04月26日
  • 陰陽師 酔月ノ巻

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    今回道満が多い。隠れファンなのでちょっと嬉しい。
    大体いつもの陰陽師。今回はブレが少なく安定感があり楽しく読めた。

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    2015年03月30日
  • 大江戸釣客伝(上)

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    吉綱の時代、生類憐みの令がエスカレートして釣りも禁止される。忠臣蔵の背景も織り込みながら、釣り好きの人々の粋な生活を描く。おもしろかった。

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    2015年03月07日
  • おにのさうし

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    2015/2/20。2015年5冊目。
    久々の獏さんの平安もの。鬼譚草子も持ってた筈なのだけど、ついつい手に取ってしまってしばらく積読した後読み始め。

    小野篁を初めて知ったのは多分中学生くらい?
    何で知ったんだったかしら…と遠い記憶を思い返しつつググってみたら、そう。藤川桂介氏の「篁変成秘抄」でした!
    藤川氏の文章自体が余り好みじゃないんだけど、これを読んで小野篁を知ったんだったけ。篁のこよを知るきっかけにはなったけど、それだけで、話とか全然覚えてない。
    そしてこのおにのそうし。
    平安ものは学生時代、今昔物語だとか宇治拾遺物語でもやってたので(一限目から鬼の研究とか履修してたわ)ストーリー的

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    2015年02月20日
  • 陰陽師 酔月ノ巻

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    暗い夜は暗く、明るい朝は明るく、寒い冬には雪が降り、春には桜が芽吹き、夏になれば草が茂る・・・。そんなことを肌に感じながら、この世のものではないモノ達と折り合いをつけながら、生きていく。
    体が首から離れたり、彦星さまが浮気をしたり、その中を晴明はするすると流れて行き、時々博雅の素直な言葉に助けられている。
    この話はずっとどこまでもどこまでも続いて欲しい・・・と、思っていたら、あとがきで作者が仕事の整理をしているような話が・・・。この話は続けてもらえるようですが・・・。
    いつまでも、晴明と博雅はこの館で酒を酌み交わして居てほしいです。

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    2015年01月20日
  • 陰陽師 醍醐ノ巻

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    最近では久しぶりに新刊を買った。
    やはり、この作品の世界観は素敵。
    ゆるゆると時間をかけて読んだ。
    『はるかなる……』には、大好きな露子姫登場。
    『夜光杯の女』は、以前読んだ小野小町の話に似ていて、男女の仲、特に恋愛感情のようなものはほんとにややこしいな、と。
    芦屋道満は今回あんまり濃くなかったなぁ。

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    2015年01月13日
  • 神々の山嶺 上

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    山が好きで手にとった本だったけれど、単なる山岳小説ではなく、主人公の生き方に引き込まれ一気に読んでしまった。

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    2015年01月10日
  • 陰陽師 酔月ノ巻

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    あとがきによると、作者の獏さんがこのシリーズを書いてから二十五年になるそうです(単行本の刊行当時と推察されます)。
    晴明の屋敷の縁側で、簀子の上に座して、晴明と博雅がゆっくりと酒を呑んでいる。ロマンチストの博雅が季節の移ろいや何かを語り、晴明が呪の話に結びつけようとするのを博雅が押しとどめる。
    やがて屋敷に人が訪ねてきて怪異を語り、二人が腰を上げてその謎解きに出かける。
    この黄金パターンに飽きることなく魅了され続けております。

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    2015年01月07日
  • 陰陽師 醍醐ノ巻

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    どんどん自由になっていくなぁ。
    今回は、特に「きがかり道人」でそう感じました。

    これ、見えていてそのまま描写すると、まぁそれはそれで楽しいけれどアホな絵になるのですが、それが、蝉丸という目が見えない人物を通すことで、音と声でその絵を伝えてくるという上手さ。
    素晴らしい。

    あと、「白蛇伝」の人間の欲望さえも包み込む着地の仕方が、とても好きです。

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    2014年10月31日
  • キマイラ青龍変〈キマイラ別巻〉

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    本作はキマイラシリーズの外伝にあたる作品で、シリーズ本編では敵として登場していた龍王院弘と宇名月典善を主軸としており、彼らの出会いから龍王院弘の裡に眠る『龍』が吼えるまでの一連の出来事を描いている。

    『キマイラ』と銘打ってはいるが、この作品には『異形』の一切が現れない。キマイラのその部分が好きでこのシリーズを読んでいる方にはそういった意味では物足りなく感じるかも知れない。
    ただ、読者をいつの間にか引き込む纏わり付くような雰囲気は健在であるので、作品に関係なく夢枕獏という作家の紡ぐ文章が好きだという方ならば間違いなく楽しめるだろう。

    人の裡に潜む荒々しい獣性。血腥く泥臭く、しかし美しい闘争。

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    2014年08月07日
  • 陰陽師 醍醐ノ巻

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    高校時代からずっと好きで、読み続けているシリーズ。何年振りかに手にしたのだが、やはり面白かった。いつもの「ゆくか」「う、うむ」、「ゆこう」「ゆこう」のくだりで様々な妖の場に立ち会う博雅と清明。ひとつの話もそんなに長くないので、すぐに読める。
    次のシリーズ、早く出ないかなあ。

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    2014年06月13日
  • 鳥葬の山

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    作者本人もあとがきで「どこかなんとも言えない不思議な味が残る話が何篇かある。」述べているように、その不思議な世界へ入っていってしまいそうな怖さを短編ながら感じる。解説で中島らも氏が大好きだといっている短編が私も同じように好きです。表紙の絵も気持ち悪いが優しいタッチで描かれていていい感じです。

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    2014年05月13日
  • 陰陽師 13巻

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    完結。後半はよく分からなくなったが、読みながらこの世界に吸い込まれるようだった。
    清明と博雅の2人の空間が心地よかった。

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    2014年04月23日
  • 陰陽師 生成り姫

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    陰陽師シリーズ4作目にして初の長編となった『生成り姫』
    シリーズを読んでいなくても、あらためて陰陽師(おんみょうじ)というものや安倍晴明(あべのせいめい)、源博雅(みなもとのひろまさ)について、章を割いて解説してあるので、この巻のみ読んでもイケる。(※ただ、やはり要約なので一巻から読むことをおすすめする)

    やはり夢枕獏の陰陽師の、なんともいえない雅(みやび)な世界、そして鬼と人とが共存する平安の怪しい闇の世界が美しい。

    今回キーとなっているのが、本性(本然:ほんねん)。
    再三に、こう語られている『雨も水、池も水。雨が続けば梅雨と言われ、地に溜まれば池と呼ばれ、その在り方で名づけられ方はその

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    2014年02月09日