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Posted by ブクログ
文句のつけようなど一つとしてございません。
漫画→アニメ映画→原作という順だが、
結局この原作小説が一番心に来た。
理由の一つに、とにかく夢枕獏氏の文章の巧みさ、読みやすさが上がる。
本当に賢い人は、誰にでも伝わりやすい言葉で簡単に表現できると言うが、
まさに氏のような方のことを指すはずだ。
とにかく氏の文章は、読み易いばかりでなく、人や時代が匂い立つように浮き上がる。
こと本作の表現の話題になると、
冬山の美しさや冷徹なまでの過酷さ、孤高の登山家の心の在りようなどに焦点が当たる。
しかし私はそれ以上に、
当時の日本の情景や日本人たちの描写が異様に巧みであるがために、
その勢いのまま、全く趣の異なるカトゥマンドゥの異国風景や、苛烈を極める冬山登山の場面にも、読者は異様な没入感を保ったまま読みふけることができると考える。
まあここまでの不朽の名作ともなれば、
上記のようなみみっちい考察なんて何の意味も持たない。
タイトルや題材の濃さ・骨太さで誤解されがちかもしれないが、
中学生や高校生くらいの年代にこそ強くお勧めすべき良作だと思う。
昨年だったか一昨年だったか公開されたアニメ映画。
本作の大ファンだというフランス人有志達の執念で膨大な時間の末に完成させたらしい。
映画という尺の制約の関係上、
どうしてもカットせざるを得ないシーンや展開もあるのだが、海を越えて創られた愛の詰まった作品。
よければ是非是非アニメ映画の方もご覧ください。
Posted by ブクログ
※上下巻共通のレビューです
実写とアニメの映画を鑑賞した後に読みました。上下巻通してかなり引き込まれました。物語の骨組みがしっかりしているし、細かい所もかなり考えられています。
上巻は下巻のために舞台設定をした感じですが、ミステリー小説のように楽しめました。これからどうなる?と言う期待感を持ちながら、また情景を感じつつ読みました。
万を期した下巻は、精神的哲学的な要素が強く、一言一言に考えさせられました。上巻は登録フレーズ0でしたが、下巻は11登録しました。「薄い時間」と「濃い時間」の考え方、そして「何故、山にゆくのか。何故、山に登るのか。それには答えがない。それは、何故、人は生きるのかという問いと同じであるからだ。」とか、「登れるのがはっきりわかっているルートなんか、地面を歩くのと同じじゃないか。それだったら、岩なんかやらずに、通常の登山道を歩いてればいい」とか身に沁みます。
ラストも最高の締めくくりでした。
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