あらすじ
熊野道最大の難所である妙法山で、なぞの存在と再会した義清。待賢門院璋子への許されぬ恋慕の気持ちに苦悩しながら、自分の中に潜む闇を悟る。そして、鳥羽上皇の御前で一首の歌を詠んだことをきっかけに、ついにある決意をする…
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Posted by ブクログ
歌人が主人公なので当然ではあるが、和歌の引用が多い。著者は、折々に、詠み人の心情を熱っぽく語ってくる。歌の訳はない。獏さんの温度から、込められた思いの激しさを想像しつつ、その歌をにらんでみるが、さっぱり分からない。獏さの様に大昔の歌人と心を通わせてみたいものだ。
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待賢門院璋子への許されぬ恋慕の気持ちを苦悩を抱えながら、ついに義清こと西行は出家を決意する。
当時でさえ、家族も武士の身分も捨てて仏門の道の入ることは、かなりの決意の強さがないとできないことだと想像できますが、その心の内面の変化を人との出会いと心に棲む鬼によって描いているところがとても読みごたえがありました。
苦悩する義清を支える清盛の存在も重要で、この後、西行と歴史にどのように関わっていくのか、そこもこれからの楽しみです。
それにしても白河法皇の存在感はこの巻でも圧倒的で影響力の強さに驚きました。
次巻の西行の人生を楽しみに読み進めていきたいと思います。
Posted by ブクログ
☆2015年5月3日
西行が恋に破れて出家したらしいことは知らなくもなかったが、そんな人が相手だったか!?と思うと、壮大な話だ。
生臭い平安武士の代表と言えば平清盛だが、この小説ではけっこう魅力的な男に描かれている。
Posted by ブクログ
佐藤義清は、待賢門院璋子への恋慕の思いを断ち切れず苦悩し、出家する。
義清の側に、自分の心に正直に生きる平清盛を配して、義清が出家して西行となっても、自分の心の内を隠し、心を受け入られず苦しむ様が対比される。
次巻で、西行として新しく生きる道はみつかるか?
宿神との関わりはどうなっていくのだろうか?