夢枕獏のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
久しぶりの陰陽師。
文庫の新刊が出たので、それを買うつもりで書店を訪れて、ふと前の巻を買ってたかが気になったので確認したら、買えてなかったので購入。
それにしても安心のコンビである。
何がって、月の夜に晴明の家の庭の縁側で、晴明と博雅の二人が座して酒を酌み交わしている。
その場面を見るだけで、ススススーッと物語の世界に入りこめる。
あとは一気に読み終えるだけ。
今回はおなじみの二人に加え、蝉丸法師の出番も多かった。
また、これまでのように人を助けるばかりでなく、晴明や博雅自身に降りかかる怪異について語られる話がいくつか含まれていたことが新鮮だった。
さて、というわけで最新刊の醍醐の巻を読みまし -
Posted by ブクログ
ネタバレその老人はみごとな銀髪をしていた。その瞳は異様な光を帯び、ノラ犬を思わせた。加倉文吉、人はその男のことを「真剣師」と呼ぶ。賭け将棋のみで生活をしているもののことである。旅から旅へ、俗世間のしがらみをすべて断ち切って、ただただ強い相手を求めて文吉は生きる。夢を諦めて師匠の妻と駆け落ちした男、父の敵を追い求める女、プロ棋士になり損ねた天才…。将棋に取り憑かれた男と女。その凄絶かつ濃密なる闘いを描ききった連作集。
賭け将棋を生業とする「真剣師」。一人の老人真剣師を中心にいろいろな人物が賭け将棋をやりにやってくる。
『銀狐』
真剣師・加倉文吉の紹介的な会。その老人はみごとな銀髪をしており、 -
Posted by ブクログ
夢枕獏 著「天海の秘宝(下)」を読みました。
江戸を揺るがす怪しい集団と戦う覚悟を決めた、からくり師吉右衛門と親友の剣豪、病葉十三は苦闘の末に天海の秘宝を見つけ出す。しかし、そこには驚愕の真実が隠されていた。
下巻は正直やられたという感じでした。
上巻は、謎が謎を呼び、時代劇ミステリーのような形で進み、下巻はその謎が明らかになっていく展開と思って読み進めていたのですが、謎が明らかになるにつれ、上巻とは思い切り展開が変わり、いい意味で裏切られました。
まさか、思い切りSF小説だったとは。
タイムパラドックスを織り交ぜ、展開の秘宝の謎に迫る展開は、頭の中でなかなか整理すること -
Posted by ブクログ
今までの夢枕獏作品とは傾向が違うので昔からのファンはちょっと戸惑うかもしれない。
時は江戸、徳川綱吉公が将軍であった頃のお話。生類憐みの令が人々に目を光らせているというのに、因果なことに釣りが好きでたまらないという人の群像劇。
傍から見れば救いようの無い愚かな行為をする人には、その人自身ではもうどうすることも出来ずただひたすらに自分を突き動かす業のようなものがある。その哀しみを静かに描き出す本作から、人間への静かな愛を感じる。
『「将軍様だの、お大名だのと言ったって、その着ているものを引きはがしてみりゃあ、おんなじ屎袋だろうがーーー」
「兄さん、けれど兄さんは、その屎袋が愛しくてなんね -
Posted by ブクログ
前作の瀧夜叉姫が、私の感覚的には
残忍でついていけなかったため、
次作品に当たるこちらを読むまで
随分時間がかかった。
本作はどの作品も読後感が良く、好き。
晴明の季節感溢れる庭の描写が美しく、
二人がその庭を眺めつつ、
酒を飲む描写は相変わらずで、
何かほっとさせる。
しかし、博雅のとんでもなく高い
楽器演奏スキルが発揮される話が
増え、以前博雅は晴明の後ろに
くっついて見物していたイメージが
強かったが、今や晴明にとって
助手というよりも相棒というべきか、
本当にいなくてはならない片腕となった感じがする。
露子姫や蘆谷道満、蝉丸法師などの
レギュラーメンバーも健在で、
各自得意分野で -
購入済み
おもしろい
不思議な話。SFというよりファンタジー。天、進化、仏教、愛、生についてバイオレンスと冒険と哲学的問答で語っている。独語に余韻が心地よい。