夢枕獏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
16世紀、その百年の生涯で、477もの建造物を手がけた石の巨人・シナンの軌跡を辿る。
ゼミのために再読。
実は、これが私の夢枕氏の初読本で、とっても思い出深い本である。
今では文庫になっているが、単行本のほうが作りが凝っていて素敵な装丁で、その装丁に引かれて、いわばジャケ借りで手に取ったのだった。
読み返してみて驚いたのは、シナンの生涯と同じぐらいの比率で、オスマン帝国の歴史が詳しく書かれていたこと。
トルコの歴史を熟知している人なんてほとんどいないだろうから、基礎知識としてそれを頭に入れるために説明は必要なのだが、それにしてもこんなにページが割かれていたとは驚きだった。
この本を読めば、 -
Posted by ブクログ
このシリーズの「間」がとても好き。そしてこの「間」が作り出す雰囲気がとても好き。
あいかわらず、安倍晴明は端然とし、源博雅はオタオタとしている。ここに、今回は賀茂保憲が登場するのだが、今後もちょくちょく出てきそうである。しかし、ここに登場する陰陽師は、みんなシニカルな性格だ。たしかに、熱血な陰陽師は頼りなさそうだけど。
「むしめづる姫」も登場したが、まさにナウシカだな、この姫は。今回は、「むし」が登場することが多く―足のないヤツらがとくに―、読みながら心臓がぞわぞわしてしまいました。
さまざまに発生する妖しい事件は、どれも「もののあはれ」でいっぱい。もしかしたらこのシリーズ、現代の仏 -
Posted by ブクログ
本当に久しぶりのキマイラ。書いている作者も楽しいのだろうか、筆が走っているのがよくわかり、あっという間に読み終わる。もう何年前に初めて読んだのか覚えていないぐらい昔から続いているが、話の中で経過している時間は圧倒的に短い。実際の時間は長く過ぎたせいで、背景などが陳腐化することもあるが、古臭さは感じない。もともと、古い話から繋がる話であるということと、戦いとか生存とか人間の本能に根ざした話だからだろう。読んでいる読者も楽しいが、書いている作者も楽しいということが伝わる。願わくは、作者が元気で執筆活動ができる間に終わることを望む。未完の大作でもよいのだけどね。