夢枕獏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本当に久しぶりのキマイラ。書いている作者も楽しいのだろうか、筆が走っているのがよくわかり、あっという間に読み終わる。もう何年前に初めて読んだのか覚えていないぐらい昔から続いているが、話の中で経過している時間は圧倒的に短い。実際の時間は長く過ぎたせいで、背景などが陳腐化することもあるが、古臭さは感じない。もともと、古い話から繋がる話であるということと、戦いとか生存とか人間の本能に根ざした話だからだろう。読んでいる読者も楽しいが、書いている作者も楽しいということが伝わる。願わくは、作者が元気で執筆活動ができる間に終わることを望む。未完の大作でもよいのだけどね。
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Posted by ブクログ
本作を読む前に、夢枕獏の陰陽師シリーズは、一般の人が「陰陽師」という言葉に持っているイメージとはちょっと違うのではないか、と考えていた。
激しく声高に呪文を唱え、光がビカビカッ!となって怨霊を退治する、そんなイメージがあるんじゃないかな。
本シリーズの晴明は「静」のイメージ。本作を読むまでは、肉体派でもないし、淡々と京に起こる謎を解決するぐらいがちょうどいいんだろうな、と思っていた。
本作でも、そのイメージが変わる物ではないが、その分肉体派を用意してストーリーに厚みを出している。なかなか。
短編と違って残念なのが、めぐる季節を前にして、二人で庭を見ながら飲み、交わす会話が少ないこと -
Posted by ブクログ
空海というのがどんな人か…なんとなくすごい人でしょ。
そんなイメージしかなかったのが、この本を読んで、空海に対する興味をそそられた。
もともと陰陽師シリーズが好きなのが、なかなか新刊が出ないので、雰囲気が似てるからと代替的に読み始めた、のが始まり。一度に四冊読んでしまった。
陰陽師シリーズもそうだけど、夢枕獏氏の書くこの手の話を読むと、自分の世界が広がる感じがする。
仏教に縁も興味もないけれど、「色即是空」とか、「宇宙」の意味とか、そういうことにいちいち感銘を受ける。
ただ妖と陰陽師、法師との戦い(?)とは思わず、晴明や空海の目を通して見る世界を楽しんでいただきたい。
夢枕獏氏の描写は丁寧で、