あらすじ
己の内に「獣」を秘めた二人の青年を描く、大河伝奇小説。もはや、作家・夢枕獏の「生涯小説」となった、第9巻目は待望の書き下ろし! 前半は、雲南で幻獣に出会い、狂仏となった求法僧の数奇な体験を、後半は舞台を日本に移し、西域探検隊が持ち込んだ「キマイラの腕」を巡る、格闘家たちの熾烈な争奪戦を描き、幻獣化の謎に迫る。
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Posted by ブクログ
橘瑞超の『辺境覚書』、吉川小一郎と能海寛の『西域日記』、この2冊を読んでいるのが九鬼玄造と梶井知次郎で、そのことを九十九三蔵や宇名月典善、菊地良二に語っているのが九鬼玄造であるという複雑な状況の現在。語っている最中にも、忍び込んできた金髪の青年と、キマイラの腕を典善が取り合いになり、半分を持ち去られる事が起こる。しかし、過去の話はまだ続く。能海寛と真蓮との出会いがきっかけで能海は狂仏になり、下法曼荼羅図をこの世から抹殺して不老不死の秘密を守り、真蓮と共に王母の谷に帰らなければいけない務めがあったことを能海の手記から知る玄造と梶井。玄造は、馬垣勘九郎の葬儀の後に起こった息子の勘十郎とアレクサンドルの対決や、梶井の死からキマイラを捜す旅に出る決心をする。やっと、ここから玄造はチベットに渡り陳岳陵として吐月と一緒に下法曼荼羅図を見ることにつながるのかと、長い長い話だなとつくづく感じてしまった。実際にこのキマイラという物語を読んでいる時間も10年、それ以上続いていることに驚きです。でも、やめられない。そして、現代では、キマイラ化した九鬼が、龍王院弘や狂仏ツォギェル、そして九十九や玄造、菊地、典善達の前から去ろうとしている。まだ九鬼と大鳳の運命は見えない。
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九鬼玄三の過去の物語がようやく終わって、話の本筋が見えてくるようになりました。面白いのはいつものことなんですが、ペースを上げてください。漠さん。
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本当に久しぶりのキマイラ。書いている作者も楽しいのだろうか、筆が走っているのがよくわかり、あっという間に読み終わる。もう何年前に初めて読んだのか覚えていないぐらい昔から続いているが、話の中で経過している時間は圧倒的に短い。実際の時間は長く過ぎたせいで、背景などが陳腐化することもあるが、古臭さは感じない。もともと、古い話から繋がる話であるということと、戦いとか生存とか人間の本能に根ざした話だからだろう。読んでいる読者も楽しいが、書いている作者も楽しいということが伝わる。願わくは、作者が元気で執筆活動ができる間に終わることを望む。未完の大作でもよいのだけどね。
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8年ぶりの続編。待ちかねていただけに、あっという間に読み終えてしまった。
物語の熱量みたいなものが当時と同じなのかどうか心配だったが、無問題。明治時代から昭和40年代?を経て、再び現代に戻ってきました。
まだ終わりが見えません。あんまり間をおかずに続編に期待。
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やっと、最新作に追いついた。
そもそも、この巻が出たと気づいたから、前の2巻から復習の意味もこめて読み直してみた次第。
そもそも、この作品が8年ぶりらしいから、トンデモないですな。
長かった、回想シーンがやっと終了。
これで、物語のキーのそもそもの言われが語られつくしたわけになりますが、それにしても長すぎ。私も作者も年取って、文体も変わってきたような・・・
ようやく、本巻の最後で、もとの時代(現代)に話が戻ってきました。
さすがに、盛り上がってきました。続きが楽しみ。
でも、次の最新刊はいつになるのだろう?
奥日付を見ると、初版はすでに2年前。2020年までにリリースされれば、
まだましといったところでしょうか。
すみません、全然、作品のレビューになってません。
でも、読んでいる人には、この気持ち、分かるでしょう?
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昔、ソノラマ文庫の時代によく読んでいたシリーズだ。鳳凰変あたりまではソノラマ文庫で読んだんじゃなかったんだろうか。その後、続刊が出ず、気がつくと数冊出ていた。いや、買ってはいて、買ったことすら忘れていたんだけど。中身もけっこう忘れていると思うんだけど、意外と忘れていても楽しめるのがこの人の作品なんだよね。そうそう九鬼弦蔵の思い出話で昔の中国とかに行ってたんだよね、と。その思い出話もようやく終了。また物語が動き始めたのかな。手元に11巻まであり、実は12巻まで出ているそうな。また読み進めたいね。
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2010.11.14 (107) 朝日ソノラマ文庫で「幻獣少年 キマイラ」が出たときに読んでからの付き合いで今までソノラマ文庫で買っていたが、いつ出るか分からずまた追跡不可能なほど間が空いていた。朝日ソノラマの置いてある本屋さんも少ないし、今回も新刊かどうか半信半疑で読んだが実に8年ぶりの続編とのこと。何ぼほど待たすんや、まったく。相変わらず話しは今回も全然前に進まず枝葉ばっかし。しかし8年前の本と違和感なく続けて読める作風の変わらなさもある意味凄い。終わるんかな。グインサーガの例もあるしな。