あらすじ
伝奇、格闘技、幻想、冒険、恋愛など、今日の人気作家を構成するあらゆる要素が入った、著者自身が「生涯小説」と呼ぶ力作。実質のデビュー作ではあるが、現在も執筆継続中の現役の小説である。第1巻目は、己のうちに幻獣・キマイラを秘めた二人の少年、大鳳吼と学園を支配する上級生、久鬼麗一の運命の出会いから始まる。それは、恐ろしい目覚めの序章であった。
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Posted by ブクログ
今なお夢枕獏がこの物語を紡いでいるように、わたしも読み続けている。今からこの物語を読む人は幸せだと思う。新鮮な気持ちで読めるのだから。そして、今発売されたばかりの結末まで読めるのだから。
でも、初めから読み続けてきたからこそこんなに幸せだと自慢したいわたしもいる。どれだけ語り尽くしても語り尽くせないので、まずは朝日ソノラマのソノラマ文庫から始まったんだよということ。ソノラマ文庫というのはジュブナイルで、イラストは天野喜孝だった。あとがきを読めば、分かるとは思うけど。
大学を卒業して就職した頃のわたしがこんなおもしろい小説を見つけて60歳を越えても読み続けているのは、キマイラと栗本薫のグイン・サーガだけ。あ、平井和正の幻魔大戦もありました。この中の2つは作者が亡くなり、作者による結末が読めなくなってしまった。だからこそ、作者の『結末を書いておこう』という気持ちが分かりますよと。
今から読もうかなという人のために言っておきます。「この本は絶対おもしろい」
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夢枕獏著「キマイラ1 幻獣少年 朧変」を読みました。
高校生の大鳳吼(おおとり こう)は自分の体内に恐ろしい能力を秘めていた。それが目覚め始め、自分を鍛えることで、その力と闘おうとする。さまざまな人物が登場し、過去の歴史にまでさかのぼり、その秘めた能力のなぞに迫っていく。20年以上にわたり作者が書き続けているライフワークである。
自分はこの作品に高校生の頃出会い、それ以来「キマイラ」シリーズの世界観に惹かれ、ずっと読み続けています。
今回は、オリジナルに加筆・修正され、改めてノベルズ版になって登場した作品を実に20年ぶりに読み直してみました。
夢中になって興奮した思いがよみがえるように、この作品の衰えることを知らないパワーを感じました。
この作品の魅力は、アクションの醍醐味と多彩な登場人物が織り成す世界観、そして悪役も含め、ひきつけられる強烈なキャラクターの個性でしょうか。
とにかく、マンガよりも面白い小説の決定版。
これからも自分の読書のライフワークとなる作品です。
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キマイラシリーズ開始。自分が産まれる前から20年以上続く作品というのは凄い。もっと漫画化、映画化されても良いのではないかと思うほどの世界観。一気に読みたい。
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ある高校に転校してきた大鳳吼。
その高校には、九鬼や由魅、九十九、深雪がいた。
次の巻を読もうか悩む。
あまり好みではないけど、この後壮大な展開があるのか。
Posted by ブクログ
ラノベの原点とも、厨二のバイブルとも、前評判は様々に聞いておりました、30年以上を経ていまだ完結していない大長編ファンタジー小説についに手を出してしまいました。まずはその構想力に敬意です。
さて中身ですが。文章は平易というか、一歩間違えば安易とも取られかねない文体で、ありていに言えば読みやすいのですが、それでありながら読み応えがあるという不思議な感覚を味わいました。短い文章でテンポ良く読ませていくことで、表現のレイヤーを次々と重ねていきます。一文一文は薄いかもしれませんが、それが重なった厚みがその正体かな、と感じます。
そして、大長編の一巻目だからか、とかく伏線が張られまくりで先の展開にワクワクします。逆に、この作品はレビューするには適していないんじゃ無いか、と今更ながらに思いますが、とかく期待感を煽られているのは確か。
残念だったのは、特に「朧変」の方で多かったですが、ちょっと展開が唐突過ぎたり、「そこ、登場人物疑問抱かないの?」ってのが散見され、そこで少し醒めてしまうという点。
ともあれ、張られまくった伏線と人物模様がどう転がっていくか、先が楽しみです。