あらすじ
久鬼麗一と大鳳吼がキマイラとなる前の物語。まだ中学生だった久鬼と九十九三蔵は、円空山で運命的な出会いを果たす。そして、ともに進学した西城学園で、学園を支配する組織「もののかい」の手が、ふたりに伸びてくる……。
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Posted by ブクログ
この巻は、特に面白かった。一気に読んでしまった。それが、もったいないと思えるほど面白かった。夢枕獏さんがうまいのは、話が大きく広がるかと思うと、小さな事柄の理由を丁寧に描く所。ハリウッドの映画のようにただ広げてどこへ行くかわからない? というようにしない所。
Posted by ブクログ
前巻からの続きで、数千年にわたる、キマイラの血筋と雪蓮の一族の話。長くなるかなと思っていたら、序章で終わってしまった。大鳳や九鬼はキマイラの血筋で、それをあがめてきたのが雪蓮の一族の亜室健之達。しかし、どうやらキマイラは遺伝的ではないらしい。修行によってキマイラになったのが赤須子で、老子(耼)は一族の者だった。そして、故郷の天山が中国政府に見つかったり、ルシフェル教団(グルジェフ、ボック達)が動き出したり、日本には九鬼玄造がいることで、現在の状況に至っている。現在に戻るかと思いきや、今度は九鬼麗一が中学生、九十九三蔵との出会いから始まり、幼児期、母親とのエピソード、円空山、そして高校生。過去の全てを描くつもりなのか。空手部が「もののかい」という組織に支配されいて、阿久津元(下の名前が初めて出てきた)、九十九、九鬼が関わる事件が起こる。どこまで一人ひとりを掘り下げていく気なのか。次巻は、やっと現在に戻ってくる。完結するのが難しいのがわかる。『曼陀羅変』というタイトルは、最終巻に使われるはずだったのに。