夢枕獏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
全五巻をを読んだ。
こんなにも圧倒された気持ちになるのはいつぶりだろう。
素晴らしい、凄まじい。
エベレスト人類初登頂にまつわるミステリーと、エベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂を目指す登山家を軸に進んで行くストーリーが絶妙で、のめり込むように読んだ。山の雄大さや厳しさを表す画力は他に類を見ない。
ここに出てくる人物達への気持ちは複雑で、あえて表現するなら、挑戦者への羨望であり、強烈なエゴへの嫌悪になると思う。
なぜ、彼らはそこまでして山に登るのだろう....
そこに山があるから?それとも、そこに自分がいるから?
答えのでない、禅問答。
ただただ、圧倒された。 -
Posted by ブクログ
通勤時に電車内で読んでたのだけど、これはすごくぶっ飛ぶ。夢枕世界に引き込まれすぎて危うく何度か電車乗り過ごしそうになった。
タイトルに書いてある「鳥葬」はやはり衝撃的。死体を解体したりしなかったり、宗教によって違うそうだ。途中、親族が葬儀に来ないのはどうなのだろうと思ったけど、その解釈を見た瞬間すごく納得。ま、それでも「解体屋やれ」と言われたら100%「だが断る」だけどね。
そして「頭の中の湿った土」は、これまた最近読んだ『腐りゆく天使』にまったく同じ文章があったからコピペかと驚いたw ただ途中からそれぞれ別の物語に繋がっていくのだけど、違う本に2回も出てくるくらいだから、すごく思い -
Posted by ブクログ
無限に続く自問自答。
「そこに山があるからだ」という回答はあまりにも有名であるが、質問が実は「人はなぜ山に登るのか」ではないことはそれほど有名ではないし、答えた人はもっと覚えられてはいないだろう。
質問は正確には「あなたはなぜエヴェレストに登るのか」であり、答えたのはイギリス人登山家のジョージ・マロリーだ。
しかし本当にマロリーがそんなことを言ったかどうかは実は怪しい。
という最近ネットで得た知識を書いたわけだが、このマロリー、実は山岳界に大きな謎を残している。それは、
彼はエヴェレストに登ったか否か
というものである。
そんな話を枕にこのマンガは始まる。
その同名の原作は、夢枕獏本人