夢枕獏のレビュー一覧
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夢枕獏版の大菩薩峠 上巻
獏ちゃんが好きなのと、新選組のメイン3名が出てたので
手を出してしまいました。
これは壬生浪士組になる前のお話だったのですね。
獏ちゃんの描く世界って、ちょっと水気を含んだような艶が
お気に入りだったんですが、これはゴリゴリの熱い剣豪たちの
世界で、土方さんがゴツイ!まさかのすね毛の描写まで!
中里介山氏の長編時代小説(未完)を基盤として、江戸に出る前の
土方、近藤、沖田が、大菩薩峠で4年に1度開かれる奉納試合に
出場するまでの男臭くて熱いお話です。
分厚いのにサクサク読めるところが獏ちゃんです。
下巻を読みます。 -
Posted by ブクログ
陰陽師安倍晴明と源博雅の活躍を描く陰陽師シリーズ第15弾。
久しぶりの「陰陽師」だったので、晴明、博雅の二人と酒を飲みながら、不思議な話を聞かせてもらったような、懐かしい感触を思い出しました。
未だに続いているのこのシリーズ、どのエピソードから読んでも楽しめるところはさすがだと毎回感じます。
今回も準レギュラーの道満や蝉丸も登場し、彼らの言動によって、愚かな人の業がより深まるように感じました。。
また、人を思う気持ちや憎む気持ちなどは、いつの時代も変わらないのでしょう。
ただ、平安の頃はその思いが鬼という闇に飲み込まれたのに対し、今の時代は、鬼とは違う恐ろしい闇に支配され -
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自分は釣りをやらない。しかしこの本は面白い。そこが良さであり,不思議なところ。結構な厚さのある上下巻の前半は江戸時代、5代将軍綱吉の時代に釣り好きが日々楽しんだり、釣果をあげたり、逃げた魚を悔しがったり、の繰り返しばかりである。
上巻の途中で綱吉が釣りのどこが面白いかと問うと、釣り好きには釣れる時も釣れない時も、釣った後も釣りに行く前もなんでも楽しくて何が面白いか答えられないという場面がある。釣りをしない自分にもその気持ちがなんとなく伝わる。
誰が主人公の小説かもよくわからない様だが、俳人の其角、絵師の朝湖、旗本の津軽采女という3人の役割が徐々に明らかになってゆく。綱吉といえば生類憐みの令、果 -
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夢枕獏『仰天・俳句噺』文春文庫。
ステージⅢのリンパ癌で闘病生活を送る夢枕獏の闘病と俳句にまつわるエッセイ。抗癌剤の影響らしく、文章は統一性が無く、滅茶苦茶、あっちに飛んだり、そっちに飛んだり。それでも内容は十二分に面白い。
幸いリンパ癌は寛解したとのことで、今後再開されるであろう数々の連載小説が楽しみである。
夢枕獏がデビュー直後の20代半ばで『神々の山嶺』を構想し、19年から20年近く掛けて執筆したとは知らなかった。
『仰天・プロレス和歌集』も面白かった。当時はプロレス大好き人間で、週刊ゴングとか週刊プロレスを読みつつ、プロレスの地方興業やUWFの興業などにも行っていた。全日本プ