あらすじ
拉致された織部深雪を救うため、伊豆の森へやってきた大鳳吼と九十九三蔵。そのころ、キマイラ化をコントロールせんと修行に励む久鬼麗一や、大鳳を攫おうと企む雪蓮の一族、教団から大鳳を守ろうとする雲斎などが死闘を繰り広げていた。様々な思惑が交錯する中で、大鳳は深雪を救い出すことができるのか? そして、永遠の命を手に入れたはずの“赤”の現在の姿とは――。キマイラの秘密が紐解かれる、夢枕獏の人生をかけた伝奇小説!
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Posted by ブクログ
幻獣キマイラを巡って男たちが熱い闘いを繰り広げるSFアクションシリーズ第23弾。
いよいよこの長編が完結に向かって最終コーナーを回り始めたという位置付けににあたるのが本巻なのかなあ(多分)と思いながら読みました。
深雪を救い出すため、身を犠牲にして敵に挑んでいく大鳳の姿は、これまでの苦しみを乗り越えた先にある一人の男の生き様のように感じました。
そこに向け、様々な人物たちが織り成す展開もキマイラシリーズらしく、それぞれの人物たちに感情移入しながら堪能することができました。
一方で、このタイミングで新たな展開やキャラクターの登場など、この物語の結末が一体どうなっていくのか、楽しみがさらに増えていく感じでした。
大鳳や深雪はもちろん、九十九三蔵にも納得のいく結末を期待してやまない今日この頃です。