あらすじ
20年の軌跡を味わうオリジナル短編集
空手家の男、空飛ぶ円盤譚、傀儡師と陰態のもの……
一冊で夢枕獏のエッセンスをすべて網羅し、
その超越的な創造力を堪能することができる、
短編集・全九編。
「踊るお人形」
シャーロック・ホームズが夏目漱石を訊ねて東京に。「人形が投げ込まれると、人が死ぬ」連続殺人事件を鮮やかに解決?
「伊右衛門地獄噺」
砂村の隠亡堀の掘立小屋に暮らす伊右衛門のもとに現れた若い男。伊右衛門は暇つぶしに、かつての女房・お岩との一幕を語り始める。
「仰向けに這う老人」
小田原の山に取材にいったあとから、身長15cmほどの小さな老人をあちこちで見るようになった。彼はいつも仰向けに転んでいる……。
「空手屋稼業」
おれは空手家じゃない。空手を売る、空手屋だ。ライブハウスで空手の芸を売っている。ある日、同僚のシンガーの顔にあざが出来たことに気づいたおれは、解決に乗り出すことにした。
「陰態の家」
傀儡屋の多々良陣内は、「怖いもの」が出るという屋敷に招かれた。「それ」は大小さまざま、首がないもの、足がないもの、身体が二つに割けているものもいるという。怪異の正体とは――。
他、「空飛円盤夢始末」「便利になったものじゃなあ」「法華悟空」「贄」を収録。
ここでしか読めない、夢枕獏短編の傑作選!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ブラックユーモア?
シャーロックホームズの所は笑えた
最後の解説をよんで成る程、
と思ったり
理解出来る所は考えさせたり
分からない所もあった
もう少し、時が経過してからまた読みたい
Posted by ブクログ
傑作揃い。ちょっとヨン・フォッセを思い出したりした。
新聞で読んで紹介されていたので、この本を見つけた。「陰態」が「いんたい」と読めるところをみると、本当に引退作なのかもしれず、ただ新聞ではそうは語らず、紙面からはまだまだ現役といった感じがした。どの作品も読ませる。
Posted by ブクログ
『陰態の家』好きなので買った。人形使ひの人、家に猫さまがをる、で続編読みたいなと思ったら、本書参照であった。
『おどるお人形』ホームズの設定がー。御大のリーダビリティは健在でさくさく読めるけども、えー。
『空手屋稼業』をっさんの苦いアレがよいんだ。
Posted by ブクログ
9編の話の中で第一話と第九話が
面白かった
漱石の家にイギリスからホームズが
訪ねて来て人形が投げ込まれて人が
死ぬ事件を解決する
それはいいけど
最後に家の女中に話しているのだろう
と思っていたら
何と相手は猫だった
やられた という感じ
第九話は怖いものが出る屋敷に
招かれた霊媒師?
土偶に関する霊を解いていく
それがなかなか面白い
読みながら創造力を働かせ
怖いというより
異世界を見せられた感じ
不思議
Posted by ブクログ
法華悟空と陰態の家以外は面白く読めた。
夏目漱石とホームズの話や小さい老人が仰向けになっていたとかお岩さんと伊右衛門の息子の話など読みやすく鼻で笑うような話が多かった。
でもこの短編は記憶には残らないと思うので残念な気もする。
理解力があり記憶に刻まれる脳だったらいいのに
Posted by ブクログ
やっぱり好きだ―!
夢枕獏さん
「踊るお人形」
少し残念なホームズが可愛い
「仰向けに這う老人」
なんだかありそうな話し
「贄」
全ての芸術は、この世界のいずれかにいる神に捧げられた供物―贄ではないのか。
「陰態の家」
美しいものは、怖い。
美の中には、どれほどわずかにしろ、鬼が潜んでいるからだ。
「あとがき」
に七十四歳になっちゃった夢枕さんの元気な近況が知られて2027年デビュー50年に向けて頑張ってるご様子、2年後に楽しみができて嬉しい。