【感想・ネタバレ】大江戸釣客伝 上のレビュー

あらすじ

どうせ叶わぬ夢なら、いっそ、
江戸時代の川や海で、
魚を釣ってみたい――「あとがき」より

文学賞3冠に輝く、圧倒的な物語。

時は元禄年間、五代将軍徳川綱吉の治世。江戸湾の沖合二町ほどのところに船を停め、釣りをする二人――
俳人の宝井其角と絵師の多賀朝湖――は、土左衛門を釣り上げてしまう。屍体は竿をしっかりと摑んで眼を見開き、唇からは歯を覗かせ、笑っていたのであった。
一方、旗本の津軽采女は閑職が故に釣り三昧の日々。義父・吉良上野介の世話で、将軍の側小姓にとりたてられることとなった。
目次
序の巻 幻談
巻の一 沙魚
巻の二 技師
巻の三 安宅丸
巻の四 鯛
巻の五 水怪
巻の六 釣心
巻の七 密漁者
巻の八 側小姓
巻の九 無竿
巻の十 釣り船禁止令

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Posted by ブクログ

日本史上比類なき悪法生類憐みの令のもと、釣りに狂う文人墨客の滑稽ではあるが、命をかけた飽くなき求道の姿に感動すら覚える怪作。

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2025年11月05日

Posted by ブクログ

自分は釣りをやらない。しかしこの本は面白い。そこが良さであり,不思議なところ。結構な厚さのある上下巻の前半は江戸時代、5代将軍綱吉の時代に釣り好きが日々楽しんだり、釣果をあげたり、逃げた魚を悔しがったり、の繰り返しばかりである。
上巻の途中で綱吉が釣りのどこが面白いかと問うと、釣り好きには釣れる時も釣れない時も、釣った後も釣りに行く前もなんでも楽しくて何が面白いか答えられないという場面がある。釣りをしない自分にもその気持ちがなんとなく伝わる。
誰が主人公の小説かもよくわからない様だが、俳人の其角、絵師の朝湖、旗本の津軽采女という3人の役割が徐々に明らかになってゆく。綱吉といえば生類憐みの令、果たして魚を釣って遊ぶというのはどうなんだ。という話の展開で前半から後半へ。
釣りをしている気分で先を急いでは行けないのだろう。後半もゆっくりと楽しもうと思う。

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2025年06月03日

Posted by ブクログ

夢枕さんとタイトルだけ見て購入した本で、釣りバトルの話でもあるかと想像していた。わずかにそういう場面はあったが、将軍綱吉の生類憐れみの令だとか、吉良上野介が出てくるなど、なんか想定外の展開。

おまけに序の巻の土左衛門の話はどうなったんじゃ?といつも大発散の夢枕さん小説。下巻を読め(買え)ということかな。

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2024年11月25日

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