あらすじ
安禄山の乱の折、玄宗皇帝は最愛の楊貴妃を処刑せざるを得ない状況に陥った。そこで道士・黄鶴は、驚くべき提案をする。しかし、尸解の法を用いて貴妃をいったん仮死状態にするというその奇策は、無惨な結末を迎えることになった。四十数年前。安倍仲麻呂が李白宛に遺した手紙に記された身の毛もよだつ顛末。空海はゆっくりと読み下していった。
◆日中共同製作で映画化! 豪華キャスト競演!
『空海 ―KU-KAI― 美しき王妃の謎』
監督:チェン・カイコー
公開:2018年2月24日
配給:東宝 KADOKAWA
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
誰かの人生が幸せだったか、幸せでなかったか。
そんなことを問うても、仕方が無いことなのに、
人はおせっかいにそんなことを思ってしまうんだと思う。
気になってしまう。
人生の中に一瞬でも満たされた時間があれば、
その人の人生は幸せだったと思うのだけれど。。
だから、丹翁と貴妃は幸せだと私は思う。
Posted by ブクログ
全体的に長い話なので進んでるようなそうでもないような?な感覚になりがちですが、色々新しい要素も出てきてこれが最後はどうまとまるのか楽しみです。
Posted by ブクログ
もう『陰陽師』のパラレル・ワールドもしくはこのお話の空海&橘逸勢ペアが後の夢枕版:安倍晴明&源博雅ペアの前世と考えて読むことにしました。そうしたら、どうして同じような話なんだろう…という邪念が消えて、素直に楽しめるようになりました(笑)
この巻はそれなりに話が動いたのでクライマックスへ向かってのワクワク感がありました。高力士さんから阿倍仲麻呂さんへの「手紙」がもったいぶっていた感はありましたが…。
密教の話は、晴明さんが博雅さんに話す「呪」の本質と同様わかったようなわからないような感じだったけれど、なんとなく普段感じない角度から「人生」を考える「種」がもらえたような気がしたかな。般若心経の「受想行識」とか自分なりに考えてみたり…。
いずれにしても玄宗皇帝がダメ男ってのがすべての騒動の「種」って気がしました。
Posted by ブクログ
まあ学術書じゃあないのでこの1巻を以て『般若心経』を理解するなど端から不可能事ではあるが、一瞬なれども読んでみたいと思わせる力があったのは確か。(結局は一生読まないと思うがσ^_^;)3巻は宦官である高力士が阿倍仲麻呂に託した手紙で終わる。大唐王朝の秘事が綿綿と綴られる巻物は1章(約130頁)を費やしてもまだその終りを見ず、第4巻の次章へと果てしなく流れていく。将にネバーエンディング手紙の章。巻中では憎しみ故、絶望の深さゆえ最後にはお互いの生きた時間を認め合うしかなかった老いさびた宿敵同士が描かれている。
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根気がなくて2巻で早くもダレてきた私には、正直言ってこの3巻もだんだんと読むのがじれったくなってきていた。内容が水増しなのではないかと疑いさえしてきていた。
しかし、第26章の呪法宮の章を読んで、感動してしまった。一気に目が覚めたような気持ちになった。
空海と逸勢の「想いが人ならば、それは尽きることがない」という言葉に始まる問答を読んで、びっくりしたのである。
そこには、なぜ仏法があるのか、なぜ人は仏法を必要とするのか、というひとつの答えがあった。
そして私はその答えにとても納得したのである。
どうしてこんなに哀しいのか。この哀しみを、いったいどうして乗り越えればいいのか。
それを作中で空海が語っていたのだ。
「この天地の法である仏法を知ったからとて、人が永遠に生きられるわけではない」
「人は老い、死んでゆく。何ものもこの地上にとどまることはできない。哀しみも、天地の法を知ったからといって、消えるものではない。それを、(仏法で)はっきりと知ることによって、人は哀しみの前に立つことができる」
「哀しみすらも、輩(ともがら)として、それを受け止めることができるのだ」
「安心するがいい。哀しみすらも、永遠には続かない。それを知ることによって、人は、悲しみと共に立つことができるのだ」
なるほどなー、と思ったのである。
そして、胸が震えたのである。
やっぱり夢枕さんの仏教的世界観は、フィジカルでわかりやすい。
Posted by ブクログ
玄宗皇帝と楊貴妃の物語にどんどん深入りしていく。
何んともスケールのでかい、小説だ。
基本は陰陽師と同じかもしれないが、舞台を変えると
これだけスケールの大きな話に発展していく。
ストーリーはと言うと、全く先行き予想がつかない。