あらすじ
その老人はみごとな銀髪をしていた。その瞳は異様な光を帯び、ノラ犬を思わせた。加倉文吉、人はその男のことを「真剣師」を呼ぶ。賭け将棋のみで生活をしているもののことである。旅から旅へ、俗世間のしがらみをすべて断ち切って、ただただ強い相手を求めて文吉は生きる。夢を諦めて師匠の妻と駆け落ちした男、父の敵を追い求める女、プロ棋士になり損ねた天才……。将棋に取り憑かれた男と女。その凄絶かつ濃密な闘いを描ききった連作集。★
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真剣師
それは、日本将棋連盟に属さない、一方の将棋のプロ。
まぁ、日本将棋連盟に属してるプロが日向なら、真剣師は、日陰かな。
自分の腕だけで生きていくのは、同じやけど、街の将棋するとこで、お金かけて勝負する。何か、雀荘とかにいる麻雀のプロみたいなのと被さる気がする。
何にも囚われずに、自分の腕だけを頼りに生きていく…
誰でも一度は、憧れるけど、ホンマにやるの?っとなるとね^^;
勝てばリッチに、負ければ浮浪者やし…
野宿も厭わず、自分の自由だけ…
「勤めを捨て、妻を捨て、子を捨て、ただの風となって流れてゆく」
…ええなぁ〜
どうしよ〜?
って悩む前に、そんな腕がないんで、それ以前の問題なんで、悩む必要はないんやけどね(−_−;)
銀髪初老の主人公。夢枕さんにしては、珍しい。
肉体的な闘いはないけど、精神的な闘いは凄い〜
これも格闘小説なんやな…
勝負も生き方も…
真剣師はムリやけど、フリーランスになれんかな…って、まだ、しつこく悩む…(^^;;
Posted by ブクログ
その老人はみごとな銀髪をしていた。その瞳は異様な光を帯び、ノラ犬を思わせた。加倉文吉、人はその男のことを「真剣師」と呼ぶ。賭け将棋のみで生活をしているもののことである。旅から旅へ、俗世間のしがらみをすべて断ち切って、ただただ強い相手を求めて文吉は生きる。夢を諦めて師匠の妻と駆け落ちした男、父の敵を追い求める女、プロ棋士になり損ねた天才…。将棋に取り憑かれた男と女。その凄絶かつ濃密なる闘いを描ききった連作集。
賭け将棋を生業とする「真剣師」。一人の老人真剣師を中心にいろいろな人物が賭け将棋をやりにやってくる。
『銀狐』
真剣師・加倉文吉の紹介的な会。その老人はみごとな銀髪をしており、その瞳は異様な光を帯び、野良犬を思わせた。賭け将棋でのみ生活をしており、そのほかの生活は自堕落。だが、そんな人物だからこその情緒が感じられた。
『くすぶり』
真剣師は、賭け将棋のみで生計を立てる者。くすぶりとは、賭け将棋以外にも生計を立てる術を持っているもの。この両者には決定的な違いが感じられた。それは、勝つことへの執念であった。文吉が後悔しているものの汚い心理戦を挑んでいたので、そう感じた。
『浮熊』
自分の家族を賭け将棋によって崩壊させられたと思っている娘による父親の仇をうちに行くという話。一人一人の個性によって将棋の指し方が違い、それを元に仇の人物をたどっていくというもの。最後に勝負の行方を書かなかったのも、また、面白かった。
『妄執の風』
プロ棋士になり損ねた天才との将棋勝負。プロ棋士とアマチュア棋士・真剣師というものの違いを描いている。将棋界における棋士は天才の中の天才であるが故に対外的な恥は許されない、というプロ棋士側の苦悩も描かれており、とても面白かった。
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将棋に興味のない自分にも、この世界で手に汗を握るような感覚が味わえた。「戦い」はどこにでもあるもので、その戦いにのめり込む男の哀しさは夢枕獏ワールドという同一のフィールドになるのだろう。
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真剣師加倉文吉を中心とした、男たちの物語。
己の腕のみを頼みの“張り”、その背中にピッタリと張り付く漂泊の遣る瀬無さを描かせたらやはりうまい。
将棋は全く詳しくないが引き込まれた。
Posted by ブクログ
男くっさ〜い話し
ど〜しよ〜もなく堅物で不器用にしか生きられない
そんな男の物語り
男心が分からない女性が読むと分かっちゃうかも
あれ、男心なんて最初から分かっており、理解はしません!
って?