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Posted by ブクログ
本作はキマイラシリーズの外伝にあたる作品で、シリーズ本編では敵として登場していた龍王院弘と宇名月典善を主軸としており、彼らの出会いから龍王院弘の裡に眠る『龍』が吼えるまでの一連の出来事を描いている。
『キマイラ』と銘打ってはいるが、この作品には『異形』の一切が現れない。キマイラのその部分が好きでこのシリーズを読んでいる方にはそういった意味では物足りなく感じるかも知れない。
ただ、読者をいつの間にか引き込む纏わり付くような雰囲気は健在であるので、作品に関係なく夢枕獏という作家の紡ぐ文章が好きだという方ならば間違いなく楽しめるだろう。
人の裡に潜む荒々しい獣性。血腥く泥臭く、しかし美しい闘争。そういったものが見たければ、この本を読んで損は無い。
Posted by ブクログ
夢枕獏著「キマイラ青龍変」を読みました。
SF伝奇アクションの大河小説「キマイラシリーズ」の外伝にあたる作品です。
本作はあの龍王院弘が主人公で、宇名月典善と出会い、自分の真の強さに目覚めていく物語です。
「キマイラシリーズ」の大鳳吼や九十九三蔵たちと出会う前が描かれているのですが、彼らが出て来ずともぐいぐい引き込まれてしまうのは、さすが作品の魅力だと思います。
「キマイラシリーズ」には実に多彩な人物が出てきますが、この龍王院弘のような悪役をふくめ、みなとても魅力的です。
この大河小説はさらに話が大きく展開しており、今後もどのようなストーリーになるのか、とても楽しみです。
「この物語は、おもしろい」